ある〜ひ〜、もりのなか〜、赤いクマさんに〜、出会った



「グゴァァァァァァァァァァ!!」


ユートはすぐ魔法を発動しようとしていた


だかユートは魔法の訓練をしながら来た為

もう魔力が少ししか残っていない


(んっ!?頭がフラフラしてきた…

身体も少しダルく感じる…

さっきまでそんな事はなかった!

魔力も上手く纏まらない!)


魔力とは体内で生成されるもの

無くなれば酸素が足りない様なもの

酸素欠乏症の様な感覚に陥る


(魔力が足りないのか?

今日一日ずっと使っていたからか?くそっ!)


一旦魔力を使うのを止めて熊の方を見る












てってれてーてってれてーてててててー!!

みんなーこのタイミングでおしえて!アヴェルくんのおじかんだよ〜♪


第二回目!!パチパチパチ!!ヒューヒュー!


この魔物の名称は:クリムゾン・ウルス

ここの森のユニークモンスターさ!


あまりの暴れ方に周りの仲間ですら殺すから

通称:同族殺しだよ!


魔法も使えるし、見た目の巨大さに似合わず

俊敏に動くから一流パーティでも苦戦必須なんだよ!


ボクはクマにく嫌いだな…



あっそろそろ終わりの時間だね!

また来週〜まったねー!ノシノシ











「グゥワラアアアァァァァァァァァァ!」


「もう目の前にいる!!だとっ!」


ウルスは身体強化魔法を使い一瞬でユートの前に現れ、大きな爪でユートに切りつけた


「これぐらい!!」


ユートは瞬時に剣で爪攻撃を流しながら体を回転させ腕を切りつけた


キンッ!


(なっ!)


ユートは驚いた



身体強化無しでも多少なりダメージは与えられると考えていたからだ


しかし現実は違った


ウルスの腕は鋼のように固く、皮一枚も切れていない





身体強化したウルスの体はただの鉄の剣では切り傷を付ける事すら出来ない

それほど魔力を込めているのだ


切れないとわかったユートは一旦距離を取る



だがウルスの攻撃はまだ終わっていない



ウルスは離れるユートに向けて口から炎を吐いてた



(ちっ!ファイアブレスってか

動きも早くて遠距離攻撃も使えるのか

長引くと逃げ場所が無くなって不利だな)


ウルスは周りにファイアブレスを放っていく








逃げ回るユート


だが森はどんどん炎に呑み込まれ、ユートの周りは火で囲まれていた


(なるほど

知能が無い訳ではないって事か

逃げ場が無く、体は熱を帯びてきた

空気も薄くなってきたな……完全に詰んできた…)




そんな事を考えていると、ウルスはユートに向けて突進してきた



一瞬意識をウルスから離していた為、反応が少し遅れていた


その一瞬が命取り


ユートは剣で受け流そうと考えていたがもう遅かった




「グゥラァァァァァァ!!」







ドオオォォォォォォォォォォン!!!!


ピシッ!


ユートは咄嗟に剣でガードをしたがウルスの突進の威力に負け、後ろの木まで飛ばされた




(グハッ!!!! はぁ…はぁ……)



ユートは元々身体を何十年も酷使しながら鍛えていた


その身体に加え、咄嗟に鉄の剣でガードした為まだ耐えられてはいたが、常人なら骨は砕け一瞬で死に絶える



そして、唯一の武器である鉄の剣も先程の衝撃でヒビが入り使い物にならなくなっていた









ウルスはゆっくりと歩く


ウルスは歩く、もう獲物は絶命していると思っていた


ウルスは歩く、捕食する時はいつもゆっくり味わいたいからだ










ユートは眼を閉じ考えていた



(考えろ考えろ!

どうするどうする?

俺はいつもどうしていた?

眼が見えない世界で俺はどうやって戦い続けた?あの時にあったもの?今この世界で手に入れたもの?

全て出し尽くせ!限界まで酷使しろ!俺は負けないだろ!


いつも通り闘いに身を任せろ!!















フフッ。久しぶりに頭に血が上ったな)


ユートはいつも格上の相手と戦うと頭に血が上る


眼が見えないから他ので補おうと考え辿り着いたのが脳


ユートの頭の中は普通の人とは違う


頭に血が一瞬で上るとともに瞬時に脳がフル回転し一瞬で冷める



冷めた=負けない



それがユートの特異能力


スキルでは表せない異能


さらにユートは前世で色々な戦い方し様々な敵と戦ってきて全て勝利してきた


戦略が膨大なのだ












「すまないクマ。これからが俺の本気だ!」












ウルスは身体が痺れているような感じに陥った


ビリビリと身体に何かが流れる


何故動かないのかわからない


あの人間は格下だ。いつも通り蹂躙して喰う


そう思って襲いかかった


だが、今目の前にいる人間は急に変わった


見た目は変わらない。だけど何か違う


それがわからない


ウルスがこの森に君臨して100年以上

初めて感じたのが何か自分では分かっていない













ピコンッ



ユートの特殊スキル

◼眼⇒脳眼に変わりました

生命の危険を感じた際、スキルは停止します















ウルス初めての恐怖である


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