ブランに帰還




ユートはギルドに戻り依頼の完了報告をしていた


隣ではリックとルネも同じく依頼の報告をしている



「は〜い。ユートさん依頼完了ですぅ〜

初めてなのに綺麗に採取しましたね〜頑張りましたね〜ヨシヨシ〜」


ユートの頭を撫でながら話す受付嬢


「すみません。後追加で買取って出来ますか?

ちょっと多めに取ってきたので」


「大丈夫ですよ〜むしろ有難いですぅ〜」


「じゃあ追加を出しますね」


ユートは空間からドサッドサッドサッと机の上に置く




「・・・言葉を発さないでスペースを〜

凄いですねユートさん〜熟練の魔法師さん見たいですぅ〜」


一瞬固まっていたがすぐにいつもの受付嬢に戻る



「は〜い。全て品質がいいので合わせてぇ〜」


「あっすみません。たまたまなんですけど、ワイルドボアを狩れたのでそれも買取してもらえませんか?」


また一瞬だけ固まった受付嬢



「・・・ワイルドボアですかぁ〜

あれは確かEランク以上じゃないと単独では倒せないような〜?

ん〜まぁいいかぁ〜

ユートさ〜ん隣が解体部屋になりますから着いてきてくださ〜い」


ユートは受付嬢に着いて行き解体部屋に入った









「おう!なんか狩ってきたか!」


入った瞬間、ガチムチのおっさんが声を掛けてきた


「はい〜。ダネルさん〜

こちらのユートさんが〜ワイルドボアを狩ってきたみたいですぅ〜」


「ほう!若いのにやるなお前!

今ワイルドボアの肉が不足してるから丁度いい。

そこの解体台に出してみろ!」


ダネルに言われ、ユートは空間からワイルドボア?を出し、台の上に置いた




ドンッ!!!!




「はぁ?」「あれぇ〜?」


二人はえっ?とした表情でワイルドボア?を見る



「おい!!確かユートだったな…お前これはワイルドボアじゃねえぞ……」


「えっ?ワイルドボアじゃないんですか!?」


ユートは戸惑っていると受付嬢がいつもの口調でユートに話す


「ユートさ〜ん。こ れ わぁ〜

ランページボアですねぇ〜

ワイルドボアより〜圧倒的に格上ですぅ〜」


「その通りだ。ティアの言う通りこれはランページボアだ

ワイルドボアよりデカく、ワイルドボアより何倍も強い。ワイルドボアを束ねる長でもあるな

確かBランク位の魔物だよな?」


(あっこの人の名前ティアって言うのか)

ここで初めて受付嬢の名前を知るユート


「はい〜それなのにGランクのユートさんが狩るなんて〜驚きですぅ〜」


ダネルはユートのランクに驚く


「はぁ!?ユート、お前Gランクなのか!」


「あっはい。今日登録したばかりなので」


ダネルは頭を掻きながら溜息をつく


「はぁ〜とりあえずコイツは今日中には無理だ

明日の昼位にまたギルドに来い!

それまでには解体しとくから」


「わかりました!では明日また来ます。よろしくお願いします」


そう言ってユートはギルドを後にした
















「なぁティアよ」


「なんですか〜?ダネルさ〜ん?」









「副ギルマスとしてユートのランク上げられねえか?」








「ん〜?そうですねぇ〜

【ここまで】の大物を狩って来るとは思わなかったですけど〜

単独で狩れるなら〜ギルマスに相談してみますぅ〜」


「なるほどな。既に見当はしてたか。流石は【監察者】だな」


「その二つ名の呼び方は〜やめてください〜

もっと可愛いのが欲しかったですぅ〜」


ポカポカとダネル叩き、顔を赤らめるティア











ユートはリック、ルネと合流し、二人の行きつけのお店でご飯を食べていた


「それにしてもユートはすげえよな!

まだ登録したばっかりなのにワイルドボアを狩れるなんてよー」


「ホントに!ユートさんは凄いですよ〜!

一瞬であんな見事に頭だけ狙うなんて!

絶対Gランクなんて有り得ませんよ!」


ユートは二人にはまだワイルドボアでは無く、ランページボアだと話してはいなかった


「ワイルドボアなら前に何回か倒した事があるからね。慣れればあれぐらいは誰だって出来るよ」




「「・・・」」




二人はどの位訓練すればあの領域に達するのか?

最初は考えていたが、お酒の酔いが回り考える事を止めた










その後二人と別れユートは宿に戻ってきた


「おお!ユートさんおかえりなさい!」


宿のドアを開けるとジョーイがこちらに向かいながら声を掛けてきた


「ただいまです。ジョーイさん」


「ユートさんに残りのお金を渡しそびれていたので待ってました」


「お待たせしてすみません」


「いえいえ。昨日バカ騒ぎした私が悪いのですよ

こちらが残りのお金になります

この度は沢山の素材、護衛までして頂いて誠にありがとうございました

私はこの街の商業ギルドにおりますので

何かありましたらいつでもお越しください!」


「こちらこそありがとうございました!

ジョーイさんも何か困った事があれば声を掛けて下さい」


ユートはお金の入った袋を受け取ると二人は深々とお辞儀をして別れた



ユートは受付からお湯を貰い部屋に戻り、

身体を拭いてベッドに横になりウトウトしながら今日一日を振り返る


(今日は一日忙しかったな

明日は昼にギルドに行ってその後は……zzz)




ユートは深い眠りについた

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