教育試験2



ユート達が森の中に入り込んでくる頃


「ううっ」


「怪我をしたやつは真ん中に集まれ!

他のやつはそこの穴をカバーしながら戦うぞ!」


男は焦っていた

先程まで30人近くいた冒険者は10人は負傷して戦線離脱をしているからだ


(くそ!戦えるやつがどんどん減っていく!

助けが早く来なかったら全滅だ!)


男は助けを呼ぶ為に送り出した二人を思い出しながら戦闘を続ける









ユート達は森の中を走っていた


「ユートは先に行け!お前なら俺より速く走れるだろ?」


二人はブーストを使いながら話す



「わかりました。では先に向かいます!」


「ユート君!ボク達もすぐに行くから頑張ってね!」


「わかった。流石に俺も30人近くを守りながら厳しいからな。頼りにしてる!」


ユートはジャンプして木に登ると脚にウィンドブーストを使い、空に飛んで行った






「あいつあんな事も出来るんだな。属性魔法アリならすぐに負けそうだ」


「さっすがー!さすがはボクのユート君だね!」


二人は飛び去るユートを見ながら目的地に向かった







空に高く飛んだユートは森を見下ろし、魔力を探す


「あそこか。かなり奥だがまだ誰も死んでは無いみたいだ。だがこのままだと時間の問題だな!」


ユートはその場所に向かって突撃する








ドォォーン!



魔物達はその音がする方を見る



「てて……ちょっと飛ばし過ぎたか」



大きな砂埃を上げながら出てくるユート



「さて、蹂躙の始まりだ」



そう呟くと同時にユートは魔物に向かって飛び出す





ズパッ



ザシュ



ドス



「ゴブリンの巣でもつついたのかな?」



ユートは周りのゴブリンを倒しながら呟く



「ゴブリン、ゴブリンナイト、ゴブリンメイジ、ただの雑兵ってとこか」


考えながら次々に切り伏せる

勝てないと思ったのか一部のゴブリン達は新人冒険者達を標的に変え襲いかかる


「ひっ!くっくるぞ!」


新人達は気を引き締める



「逃がさないから大丈夫だよ【サンダーストレングス】」


ユートは魔法を放ちゴブリン達を拘束すると、ゴブリン達の真上を飛び越え新人達の前に立つ


「後で仲間が来るから安心して見てるといいよ!」


新人冒険者達はその言葉を聞くと目に涙をためる


「さて、数が多いから一気に殺るか」


ユートは両手に魔力を込める



「切り刻め!【ウィンドブラスト】」



ユートが手を前にして放つとその方向に向けて風の刃が次々にゴブリン達に飛んでいく



ヴオオオオオオオオオオオオ



風の刃はズバズバとゴブリン達の体を切り刻んでいく




「まっこんなところか」



ドサッ



ユートは最後の一体が倒れたのをみてそう呟く








その後、新人冒険者達とゴブリンの死体を集めるとユートは魔法で燃やす


「あっありがとうございました!」


死体を燃やしていると後ろから一人の男が声をかけてくる


「いえいえ、どういたしまして。ところで君は?」


「はい!リードって言います!

僕がみんなを引っ張って森の中で狩りをしてたんですけど…奥に来すぎたのかゴブリンの群れに出くわしてこんな状況になりました……」


「なるほどね。まあ話はマーキスさんが来てからにしようか?

それにしてもちょっと遅いな」



ユートがそう思っているとマーキスとクリスが奥からやってきた




「いやー遅れてすまん!途中でゴブリンジェネラルに出くわしてな!」


「ホント大変だったよ〜その後ゴブリンの集落まで行くし……」


「はっはっは!ユートが先に行ったんだから大丈夫だったろ?

どっちにしろ元凶は潰せたんだから問題ない!」


「まあ結果的にはですけどね…」


元気なマーキスと疲れたように話すクリス


「はは……とりあえず無事で何よりです

こっちの方も怪我人はいますが重症者は特にはいないみたいです」


「ならよし!じゃあ帰るぞ!

新人達は戻ったら話を聞くから覚悟しておけよ!」


マーキスの一言で青ざめる新人一同





その後一同は無事に帰還し、ユートとクリスはテントで眠りについた


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る