アビスオーガ戦2



ヒュン


ブン!


ドスン!


地面にめり込んだアビスオーガの腕を見ながらユートはアレックを思い出し、体全体に掛けていたブーストを脚全体に全て移動させ、オーガの猛攻を避けていた


避けながらユートは考える


(俺の魔力は元々ある体内の魔力に加え

心臓に一つ、更に脳にもう一つ

別々の魔力が溢れ出してるのをこの間の戦いで感じた

別々の魔力なら違う属性魔法が同時に使えるはず!)



ユートは

心から溢れる魔力を左手に

脳から溢れる魔力を右手に集めた




するとユートの右手からは火魔法、左手からは風魔法が発動する




「さあ、俺とお前の我慢比べだ!!」





そう言うとユートはオーガに二つの魔法を同時に放つ












「複合魔法:プロジオンブラスト!!」











ゴォォォォォォォォォォォォォォォォ!!



ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!






ユートの放った魔法はオーガの体全体風で包むと次々に切り刻み爆発していく



GRAAAA!


GRAAAA!


GRAAAA!



爆発する事に雄叫びを上げるオーガ



「さあ…どっちが最後まで持つかな?」



ユートはそう言うと更に魔力を込める











数分経つとお互いに疲れの色が見えた



ユートは肩で息をしながら両手に魔力を込める


オーガの体は少しずつ切り刻まれ、皮膚が所々焼け爛れている




すると胸の黒い石にピシッと音を立てて亀裂が入る



(もう少し……もう少しなんだ……耐えろよ俺!)




「うおおおおおおお!!」




ユートは更に魔力を込める


しかし【ユート自身の】魔力はとっくに切れている

今は【脳と心】の力を消費していたのだ



(燃やせ燃やせ!!俺の力!!

超えろ超えろ!!俺の限界を!!)




ユートは両手に力を込める





ピシッ


ピシピシッ!


ピシピシピシッ!!



力を強くする度に亀裂の音がより一層強くなる

しかし力を強くする事にユートの意識が飛びそうな位の脱力感が身体中を襲う




(もう一押し…だ!いけええええええええ!!)












パキン!






ついに黒い石は割れた


(はぁはぁ…よしこれで魔法は……もう吸収は出来ない…!)


だが、ユートの身体はもう限界を超えていた

それもそのはず


ブースト、ウィンドブースト、ファイアランス、エクスプロジオン、更にオリジナルの複合魔法:プロジオンブラストと、今日一日で王宮魔法師十人分程の魔力を使っている





ザスッ




ユートは地面に刀を刺し体を支えていた



(はぁはぁ…まだ…生きてる……

殺らないと・・・殺られる!)


ユートはどうにか立ち上がり刀を構える


(頭が…心臓が……痛い)









ピコンッ



特殊スキル

脳眼⇒■眼に変わりました

心眼⇒■眼に変わりました

生命の危険を感じた為、脳眼は停止します

生命の危険を感じた為、心眼は一時的に停止します










(ぐっ!ごふぉ!はぁはぁ…

オーガの気配が薄くしか感じられない・・・身体を酷使し過ぎたか……)




ドサッ!




ユートは血を吐きながら地面に倒れる





GURAAAAAAAAAAAAAAAA!




ボロボロになりながらも迫ってくるオーガ


(もう立ち上がる…力さえも…残って……無いの…か……)


ユートはオーガの迫ってくる足音を聞きながらそう考えていた















ザクッ!






GRAAA!?









「だから・・・僕を忘れるなよ!」







意識が飛びそうになる中、オーガの横からアレックが飛び出し、大剣をオーガの首にめり込ませ






「うおらああああああああああああああああ!!!!」








ザシュッ!!






その力強い一撃でそのまま首を斬り落とした


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