一方その頃・・・



ユートが教育試験をしている頃


アヴェル君はユートに助けられた後、王都にあるカフェ:ルナに来ていた


「ぬほー!!やっぱりルナのパフェはさいきょーだね!!」


満足そうな笑みをしてパフェを次々に頬張る


パクパク


パクパクパク


パクパクパクパ




「う〜んデリシャス!!長い間食べれてなかったから今日は食べるぞーい!

おねえさ〜ん注文いいですかー?」


「お待たせしました!ご注文は?」


「メニューの真ん中から下まで全部!」


「18種類になりますが食べきれますか?」


「うん!甘いものは別腹、ルナのスゥイ〜ツは至高!キリッ」


「畏まりました!デザートが出来次第順にお持ちします」


「よろよろ〜♪今日のボクに縛るものはなにもない!」


アヴェルはそう言うと店内を見渡す



キョロキョロ


キョロキョロ



「ユート君とも一緒に食べたかったな〜

試験ならしかたないけどさぁ〜

手紙にも美味しいからって書いたのにまだ一度も来てないなんて信じられないよ!ぶぅー」


不満を漏らしながらデザートを待つ




「は〜いお待たせしました!木苺のシャーベット季節の果物を添えてになります」


「まってました!どれどれ〜・・・・・・・・・うっうまし!

木苺の程よい甘さのシャーベットに酸味のある果物とは……店主グッジョブ!」


アヴェルは厨房に向かって親指を立てながら食べる



シャリ



シャリ ザクッ



「美味しかった!くぅ〜疲れた身体にしみるぅ〜

しかしまだだ、まだ終わらんよ!」


完食したタイミングで次々にデザートが運び込まれていく









「はふぅ〜♪明日は一日限定10食のケーキ並んで食べよ〜」


アヴェルはそう言うと店の前に陣取り、明日の開店を待つ














ユートがドラゴン依頼を受けてから数日・・・

王城にて




「では引き続き彼の調査を致します」


一人の男が玉座の間にて報告をしている


「うむ!ギリアムよ次の報告も期待しておるぞ!」


「はっ!」


報告が終わると国の重鎮達がぞろぞろと部屋を出ていく







「行ったな・・・ではここからは友人として話そう。はぁ〜毎日あの感じだと疲れるわ……」


「はは…いつも堅苦しいですからね」


二人がゆるい感じで話すと横から二人より歳のいった男性が声をかける


「まぁまぁ王様なのですから常日頃威厳がないと困ります」


「ヘイトン……お前代わりに王様やらないか?」


「無理ですな。私は王の器ではないですぞ

私には王様の補佐が一番性に合ってますので」


「そうか?余より上手く国を回しそうだが?」


「ご冗談を。王様程国民に好かれた方はいないかと」


「ふむそうか・・・まぁよい。後数年すれば余も退位するからのう」


「グレイグ王太子ですな」


「うむ。今はまだ学生だからの。

学園を卒業し、その後数年間は王としての責務を勉強させなければならん・・・しかし」


二人が話しているとギリアムが口を挟む


「あの破天荒さですからね……

この前学園の訓練場の壁を壊したと噂で聞きましたが」


「そうだ……壁を直すのにどれだけお金が掛かった事か!!」


「王様、グレイグ様が元気な事は良い事ですぞ」


「元気にも程があるだろう……」


三人は深いため息をして王様は話の話題を変えた



「しかしユートと言ったな?」


「はい」


「息子のグレイグと同い年でその貫禄か。どう教育したらその様な子なるのだろうな」


「出目は詳しくは分かりませんが、海を渡ってきたとブランのギルドマスターから報告があります」


「海を渡ってきたとなると魔王領辺りですかな?」


「そこまで詳しくは書いてありませんでしたがその辺りが妥当かと思います」


ギリアムはエストから届いた手紙を見ながら話す


「う〜む。魔王領なら魔法を使いこなすのは納得なのだが、武術も達者となるとな…」


「そこが謎ですな。魔王領なら体を鍛える者は稀ですからな」



三人はユートの正体について考える



「まさか…………勇者とかあるまい」


「それはない!とは言い切れませんな」


「ただ本当に勇者が誕生したとなると毎日各国の対応に追われそうですね……」


三人は頭を悩ます


「・・・次の報告待ちだな」


「そうですな。とりあえずドラゴンの依頼次第でまた考えましょう」


「わかりました。確か明日には出発するかと思いますので終わり次第また報告に参ります」


「頼んだぞ!」


ギリアムは玉座の間を後にする





ギリアムが王城の門手前に辿り着くと一人の男が立っていた



「話は終わったか?」


「これは天魔さんお久しぶりです。また帝国の監視帰りですか?」


「そうだ。あっちはこの所慌ただしいからな」


「なるほど。なにか感じましたか?」


「ああ、なにか始める準備をしているようだ」


「準備ですか・・・また戦争でも始めるんですかね」


「さあな、戦争したとしても負ける気はしないがな」


「それもそうですね。あちらの戦力はたかが知れてますから

なにか動きがありましたら連絡してください」


「わかっている」



二人は別れギリアムはギルドに帰っていった












「なんで俺がこんな重要な任務してるんだろ……もう天魔とか二つ名捨てて辞めたい……」


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