第7話:校長、土下座でワンチャンスを狙う
「リヒター君…この子達は君の精霊だよね?」
「ええ、そうです、彼女達は僕の精霊です」
「なら…管理者は君だね?」
「管理者では無いです、彼女達は僕のパートナーです」
「…君からも頼めんか?」
僕は満面な笑みで言った
「嫌ですよ」
「どうしてじゃ…?」
「虐めっ子と虐めを黙認した人ですよ?何で助けないといけないんですか?」
「そうだったのか…」
「ええ、なので僕は彼らが死のうが関係ありません、レナードに至っては、僕を殺そうとしたんですから…」
その言葉を聞き校長は絶句、ベルベットとレイはうんうんと頷く。
しかし、校長は強気に出た、だがその一手は逆に彼女達の凄さを知る事となる…
「なら…君たちを騎士団に付きつけねばならない!」
「ええ、構いませんよ、その際は…身に降りかかる火の粉を払うだけですので…」
「ふん、騎士団全員根絶やしにすればいいだけだ、何なら街一個破壊しても…」
僕はおでこに手を当てて…溜息をついた。
スケールが大きすぎて何から突っ込めば良いのか分からない…
さっきの二人を見ていて、もし暴れたら…うん、やりかねない…
何の
「どうか…どうか…あの二人を元に戻して下さい、お願いします…」
「悪いですけど、私は助ける気は有りません」
「大体何でそんなに助けたいんだ?」
「それは…」
この場合…自分の首だろうなぁ…と僕は考えた。
学校として虐めは無い事を言いたい訳だし、虐めっ子と虐めを知っていた先生が復讐されたとなると評判は落ちるし、不祥事が表に出たら責任は校長だし…
そこで僕は校長にある提案をした。
「では…こうしませんか?今から嘘偽りなく話して下さい」
「それだけで良いのか…?」
「それは…校長先生次第ですよ」
「それならとっておきの魔法があるぞ、リヒター」
そう言ってベルベットは指を鳴らした、すると校長の周りに黒い
「な、何をしたんだ!」
「これから30分、嘘を付いたら死ぬ魔法をかけた」
「な、なんだと…」
「あらあら、『あれ』を使ったんですね…ベルベットは残酷ね、あの苦しみしか感じられないあの痛い『あれ』を」
「嘘をつかなければ良いだけの話だ、もし1度でも嘘を付いたら…穴と言う穴から血があふれ出て、苦痛によって死ぬ。だから言葉はしっかり考えて発言するんだな?」
校長は汗をかき始めた…そりゃ怖いよね…幾ら嘘をつかなければ良いって言っても、嘘ついたら死ぬ訳だし…
僕は最初の質問をした。
「何故彼らを助けたいのですか?」
「あの貴族の子に何か遭ったら、私が殺されるからです…先生の方は、不祥事を隠したいからです…」
うわぁ…やっぱそうだよね…大人って汚い。
「僕が虐められていた事を知ってましたか?」
「聞いてはいました…」
「どうして欲しいですか?」
「彼らを元に戻して、何事も無かったかの様にして欲しいです…」
「その為に、校長、貴方は僕達に何が出来ますか?」
「…」
「校長?」
「学園内で出来る事全てやろう…頼む、これで許してくれ…」
「では、一筆書いていただいても?」
「し、信用出来ないのか?」
「ええ、黙認した人をどうやって信用しろと?」
「分かった…直ぐに書く…」
校長は項垂れながら、さっき言った言葉に嘘偽りがない事と校長の権限で何でもすると書いてくれた。
それを見て僕はレイにお願いします。
「レイ、これで学園内では安全だから、彼らを元に戻してもらえる?」
「良いわよ?と言うかもう治したわ」
「え?」
「罰を止めたのよ、土下座しに来ると思うわ」
そう言うと大きな音を立ててあの二人がドアを開けた。
その場で土下座し、二人で「申し訳ありませんでした!」
と言っている…するとレイは…
「ふふ、次悪い事したら…あれより酷い目に遭うだけですからね?次はもっと残酷な事をベルベットにして貰うといいわ」
ベルベットはニヤリと笑い…
「そうだな、例えば…徐々に体が食われていくのも悪くないな…あぁ、あの虫を使えば痛みと苦しみで徐々に死んでいくと言うのも捨てがたい…まぁ、楽しみにしてしてろ…私はレイの様に甘くはない」
それを聞いた二人はただ震える事しか出来なかった…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます