第64話:凹むベルベットと第2試合は……?
■まえがき
沢山のフォロー、レビュー、コメントや応援ありがとうございます。
2点程……
・誤字脱字や表現的におかしい部分等、すみません許して下さい
・更新が遅れてすみません
私情なのですが、断薬中でどうしても気分のムラやドイツ語の勉強等で頭が痛いと言う……ドイツ語の発音と文法が悪夢状態です。
中の人が少し多忙な為更新頻度が滅茶苦茶下がってしまいました。申し訳ないです。
具体的な日程等は明確な事が言えず申し訳ないのですが、日本語の書き方と言うのか、ルール的な物や表現周りの見直し等はしていく予定です。
長々とすみません
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僕はベルベットを探す為に闘技場内部を走り回っていた。
観客席、控室や道具が入っている部屋等。
きっと、彼女の事だから悲しんでると思う。
何となくだけど、彼女は常に自信を表に出していて、不安とか恐怖等のネガティブな物は内に溜め込んでる気がする。
だから……あの敗北は彼女にとってショックになっているのではないかと。
闘技場を出て少し離れた場所にある広場に彼女は居た。
彼女はベンチに腰掛け地面を見ている、彼女がどんな表情なのかは分からないけど、きっと良い気持ちでは無いと思った。
そんな彼女に近づき、話しかけた。
「ベルベット、横に座っても良い? 」
彼女は無言で動きもしない、表情は分からないけどいつもの彼女では無いのは分かった。
僕は静かに座り、彼女に語り掛けた。
「ねぇ、ベルベット、負けたけど……僕は何度も何度も挑戦したベルベットが素敵に見えたよ? 」
僕は本心からそう思っていた。
殆どの人は、きっと諦めると思う。
知らない事や分からない事があると、殆どの人は止まってしまう。
もし、僕が同じ立場だったら彼女の様に強く進む事が出来るか分からない。
「すまない……リヒター」
そう言って彼女は僕の胸に顔を埋めた。
「ううん、謝らないでベルベット。僕は嬉しかったよ、僕の為にあんなに真剣やってくれたし、いつもありがとう。だから元気を出して、僕は平気だよ」
そう伝えると、彼女は僕の胸に抱き着き大声で泣いていた。
僕はただ頭を撫でて、彼女が泣き止むのを待っていた。
「後はレイ頼みだな……悔しいが彼女には私の分まで頑張って貰おう」
少し落ち着いた彼女はいつもベルベットに戻った。
どうなるか分からない、出来レースだとは言ってたけど。
本当に出来レースなのだろうか……
僕達は闘技場へ戻り、彼女は観客席へ、僕は賞品席へと向かった。
ステージに立つレイは僕を見つけると走って僕に抱き着いた。
「リヒター君! やっと見つけた~! さぁ! お姉さんにリヒター君のエキスを……! 」
レイはいつも通りで安心したけど、大勢の人の前で抱き着かれている事と、審判であるハルさんの殺意の波動が怖くて目視したくない。
そんな僕達を他所に、次の競技の説明が入った。
「第二回戦は、『美』と言う概念が試される戦いになります! 男女問わず、美しい物に目が行くのは自然な事! そこで今回は美的感覚とどれだけ魅力的に見せれるかを競う『ファッション』それが次の試合だぁ! 」
そう言うと、ステージ上に覆われたカーテンが剥がされ、中から大量の衣装が掛かっている。
ドレス、ワンピースや、シャツやパンツ…下着の様な服等色々とある。
これを着て審査員に判定させる様だ。
レイはそれを聞くと、鼻で笑った。
「ふふ、私の勝利は揺るぎませんわ、見てて!リヒター君! 悩殺しちゃうんだから! 」
そう言ってレイはステージへ向かう。
相手である姫様の方を見てみると、表情からはどんな気持ちなのかは分からないけど、自信に溢れている表情だと思う。
両者がステージ上で向き合うと、ルールについて説明が始まった。
今回は1本勝負では無く、3本勝負とし各選手が自分で服を選び、如何に美しく、人を惹きつけるかを競うと言う事が説明された。
ファッションのテーマ等の説明も必要との事で、そう言う部分もしっかりと説明できる様にする事と、注意として、公然わいせつ罪になる様な行為をした場合はその場で失格とする事も付け加えられた。
こうして試合が始まった。
最初の一本目のレイは大胆にも背中を見せ、体のラインを強調する様なニットにニーハイを着た服装だ。
あれは一昔前に流行った……『童貞を殺すセーター』だと思う。
世に居る男共を魅了し、理性を悪魔的な殺傷能力で殺しにかかる『アレ』だ。
それを着たレイは、ステージに居る男性陣の視線を奪い、前かがみのポーズをし、ウィンクをする。
会場は当然、大盛り上がり。
また固定ファンが増えるのは間違いないだろう。
そんな会場の熱狂と正反対に冷たい視線を感じた。
審判であるハルさんは涙目で、僕を睨んでいる。
その目には憎悪と言うか、憤怒と言うのか、明らかに僕に対して負の感情を抱いた視線だ。
娘をこんな格好をさせた原因が僕だと言いたいのだろうけど、僕が悪い訳じゃないです、提案した人達を睨んで下さいと言いたい。
そんな中、姫様が登場しようとした瞬間、観客席の声援の変化に気が付いた。
歓声かと思っていたが、悲鳴の様な声で、観客席から出口へと向かう人達が増えて行き、何か遭ったのかと遠くで見ていた。
異変に気が付いたのか、ステージ上に居る精霊達は皆一点を見ている。
その視線の先には、1人の金髪の男が立っていた……
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