第2話:突然ですが、二人の精霊と契約しよう
僕は夢でも見ているんだろうと思い、焚火に手を入れた。
手から激痛が走った、そして熱い…夢ではない事を…理解した。
それを見た二人は驚いて火から引き剥がした。
「お前!何してんだ!痛いだろ!」
「僕は夢だと思ったので…」
「もう…仕方のない子、お姉さんに手を貸して、ね?」
色白の女性はそう言って、僕の火傷した手に手を近づけ、何かを呟いた。
すると、突然白い光が発光して、火傷した痛みが消えた。
「はい、おしまい。次からはダメよ?そんな事しちゃ、お姉さん心配しちゃうから…」
「あ…うん…ごめんなさい」
「ふふ、良い子良い子」
そう言って頭を撫でてくる。
なんだろう…この人達…何で僕の手が治ったんだ…?
「で、お前を助けた理由だが…一言で言えば、相性抜群だ」
「相性抜群?」
「ああ、お前は、私達が見えるし、私達はお前に触れる事が出来る」
「ええ…みたいですね」
「それは私達と波長が合うって事だ、珍しいんだぞ、人間」
「そうなんですか?」
「そうだぞ?私達は闇と光を司る精霊だ、お前はその二つの属性を使えるんだぞ?」
「え…でも…僕は魔法使えないし…」
2人は僕の反応が面白かったのか笑い出した。
「ふふ、人間が魔術を使えるのは、精霊のお陰って知らなかったのかしら?」
「どうせ低いレベルだから見えないんだろ、だから自然と使えるって思ってんだろうな…愚かな事だ…」
「どういう事です?」
彼女達は何故人間が魔法を使えるかを説明してくれた。
元々、人間は生まれながら得意な属性が存在しているらしい、その人間の持つ得意な属性に反応して、精霊が寄り、彼らの力となってくれている。
つまり、人と精霊がくっつかないと、魔法は使えないのだ。
僕の場合は、本来なら1属性なのに2属性も使える為、片方の属性だけでは誰も近寄れなかった。しかし僕は生命の危機となり、光と闇が一緒に助けた事で近寄る事が出来た…らしい。
「そうだったんですね…」
「うん…私達はずっと貴方に近づこうとしたのですが…跳ね返されちゃって…」
「お前が1属性だったら私がもっと早く男にしてやったのになぁ…」
「あらぁ?傷つける事しか出来ない闇が光の前で下賤な事を…」
「ほう?いつもお堅くて考え方も固い光属性さんはホント堅苦しいな」
突然二人の間に火花が散る…この二人…仲が悪いのか…?取り合えず…止めないと思い、何故か自己紹介をした。
「あの、僕はリヒター、リヒター・ウェイン、二人共僕の精霊さんだよね?」
2人の険悪なムードは止まり僕を見つめてきた。
「闇属性精霊のベルベットだ、宜しくな、リヒター」
「光属性精霊のレイです、宜しくお願いします、リヒター君」
体が動く様になったので、立ち上がるとベルベットとレイが驚く事を言い出す。
「さて、リヒター私と契約する為に、私と口付けしてくれ」
「はい…初めてですから緊張します…でも、お姉さんはやりますよ!」
「え?口付け?」
「そうだ、あ、私との契約は舌を使った奴だ、良いな?」
「…契約に舌は使いません、騙されないで下さいリヒター…この女は嘘吐きなんです、これだから闇属性は狡猾な属性と…」
精霊との契約は何故か口付けらい…
この後彼女達は凄く揉めた、そう、誰が最初に契約するかでだ…
ファーストキス争奪戦…と言う感じだ…嬉しい気持ち半分恥ずかしさでちょっと複雑な気分…
で、結局、1番はレイで2番はベルベット、その代わり舌を使う事で収まった…
これで二人に「最初」が…と言う
口付け自体は直ぐに終わったが…ベルベットが長くなり、レイが激怒していて、また喧嘩を始めた…僕は『落ち着く』のに時間が掛かった…
こうして僕は無事(?)に彼女達と契約し、魔法が使える様になった。
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