第3話:家に帰ると…僕は死んでたみたいです

こうして僕は彼女達と一緒に洞窟を出て、僕の家へと向かった。

道中彼女達と話をしていると、僕の事を大体知っていた。

僕の家庭環境や学校での立場、好きな食べ物から嫌いな食べ物、好きな女の子のタイプまでもだ…

2人に共通している事は…魔法が使えないから能無しと言った奴らの名前を全員覚えていて、痛い目を見て貰うとずっと言っている。

2人ともそこだけは団結していて、止めたが聞いてくれない。


やっとの思いで街に付き、家に帰ると…

母さんがテーブルに伏せている…


「ただいまー」


母さんはパッと顔上げ僕を見る、その顔は涙で目が腫れていた…何が遭ったんだろう?母さんは急に立ち上がり、僕を抱き締めた。


「リヒター…リヒター…!無事だったんだね!死んでなかったんだね!」

「え?生きてるよ?溺れて死にかけはしたけど…」

「5日間も帰って来ないから心配したのよ!何処行ってたの!後ろの綺麗な女性二人は誰?助けてくれた人?」


5日…?僕は5日間も死にかけてたのか?んー…なんか良く分からないけど、そんな事より、母さんは僕の精霊が見える…?


「え、母さん、僕の精霊が見えるの?」


母さんは首を傾げて言った。


「あんた頭でも打ったの…?病院行く?見えるに決まってるじゃない、そんな綺麗な女性二人引きつれてるんだから!」


精霊の二人は何故かニコニコしている…

あれ?見えないんじゃなかったの?謀った?謀ったの?ねぇ!

僕の視線を感じたベルベットとレイは冷静に返す


「…予想外な事だが…良いか、落ち着いて聞け…お前の魔力が高すぎてきっと具現化したんだ…つまり、我々はみんなから見える…」

「まぁ、良いじゃない~リヒター君は私を彼女と言って良いんだよ?」

「は?お前じゃ力不足だろ、私に決まっている」


あぁ…また喧嘩が始まったよ、しかも見えるって事は会話内容も…

そう思った時に全ては遅かった、母さんは心配していたのに、僕は二人の美女とランデブーしていたのだと勘違いされて、怒った表情だ…


「…リヒター、貴方がどうしてそんな美人な人から言い寄られるのかは分からない、けど言える事が有るわ…私達を!どれだけ!心配!させたと!思ってるの!!!罰として料理当番1か月!掃除洗濯も追加ぁ!!!」


鬼だ、本当に死にかけたし、この二人は精霊で…

あれ?そう言えば魔法って使えるのかな?

そう思い喧嘩している彼女達に聞いてみた。


「ねぇ、二人共、僕って今魔法使える?」


2人は僕を見て同時に言った…


「使えるぞ」

「使えるわ」

「試しに使いたいから…何か教えて貰えない?」

「家とかで使うなら、光魔法で良いのがあるわよ?」


そう言ってレイが僕に近づき耳元で使い方を教えてくれた。

彼女からは甘い匂いを感じ…彼女の吐息が耳を刺激してゾクゾクする…


「魔法名を言えば良いわ」

「あれ?詠唱とか要らないの?」

「詠唱はね、低レベルの精霊だけが使うの、でも私達は高位種だから無しなのよ」

「えぇ…出鱈目な位強そう…」

「ふふ、じゃあ魔法名を教えるね、魔法名は…「クリーン」よ」


そう言って魔法名を言ってみると…

一瞬のして部屋内の全ての汚れが落ち、綺麗になった…

母さんと僕は目を見開き…驚きで声が出ない…


「ふふ、光魔法の応用で作られた便利な魔法でしょ?」

「凄い…便利だ…」


母さんは僕が魔法を使える事に感動していて、泣き始めた…

こうして僕は無事に家に帰り、精霊二人が見える事は誤算だったけど、魔法も使える事が分かり、母さんは大喜びな日だった。


その晩、父さんも帰ってきて、母さんと同じ反応をして、大喜びしてくれた。

しかし、悲劇も有った、父さんは美人二人の大きな胸に目が行った事が母さんにバレて、夫婦の部屋まで連行されてシバかれていた…父さんの悲鳴が頭から離れない。

だが問題が起きた…2人の精霊をどうするかだ…

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