第55話:焼肉とエステルの精霊

■前書き


フォローが遂に500を超えました‥!ジーサス、信じられん‥!

ド素人が書いている作品を読んでくれて本当に有難う御座います‥!

これからも末永くよろしくお願いします_(._.)_


今更なのですが‥携帯でも投稿出来る事を今さっき知り、投稿前に携帯でのビューチェックが出来る事に気が付きました‥orz


---------------------------------------------------


この晩、僕は腕によりをかけてご飯を作った。

と言うよりも‥肉を焼くだけにした、焼肉と言う奴だ。

突然の来訪者である、ベルベットとレイのご両親の為に楽しめる様にと言う事で焼肉にした。


本来精霊は食事を必要としない様なのだが、味を楽しむ為だけに食べる。

人間界の料理は精霊界には当然無い為、かなり気になっているそうで、カガリさんがバクバクと食べ、酒を飲んでいる事が印象的だった。


「カー!うめぇ!人間の舌は肥えてるなぁ!ビールと焼肉‥こりゃ精霊界に革命を起こすぞ!私の心はもうこの焼肉にメロメロだ!さぁ!もっとカルビと言う物を寄こせ!」


「これは美味い‥ネギタン塩と言うのか?これを追加で1皿頼む」


「あ、僕はロースをお願いするよ、リヒター」


「ではー‥私はホルモンをお願いしますね」


精霊は良く食べる‥バクバク食べてくれて有難いけど‥肉がもう無い。

ベルベットとレイの分も平らげ、僕の分も無い‥白米は既に空‥


「アハハ‥すみません、肉がもう無いのでちょっと買い足してきますね」


「「「「頼んだ!」」」」


彼らは皆同じ事を言い、目を輝かせ、親指を立てている。

喜んでもらえている様で良かったと感じている。

席を立ち、ドアへ向かうとベルベットとレイが近づいてきた。


「すまない‥リヒター、突然なのに此処まで良くしてくれて」


「ごめんね、リヒター君‥お父様とお母様があんなに喜ぶとは思わなかったわ‥」


「大丈夫だよ?二人共楽しんでね? 直ぐ戻るから」


僕はそう言って外へ出て市場へと向かった。

外は少し肌寒く、何人もの人が街から住宅街へ向かって歩いている。

そんな中、エステルを見かけた。


「エステル、お疲れ様。帰り?」


「おや、リヒター。私の帰りが遅いから迎えに来てくれたのか‥!姉を心配するカワイイ弟‥このシチュエーションも捨てがたい‥!リヒター!お姉ちゃんと呼んでくれ!」


彼女らしい発想だけど‥ごめんね、違う、そうじゃない。


「買い出しです、今日は焼肉なので」


「なんと!焼肉か!良し!我も共に行かん‼」


こうしてエステルと共に市場へと向かった。

しかし、何やらエステルは疲れた顔をしている‥何か遭ったのかと思い聞いてみると‥


「いやー‥それがなぁ‥職員会議と言う奴が長いんだ、無駄な会話ばかりで疲れる‥とは言うが、一つ気になる事があった」


「気になる事?」


「ああ、最近不審者が学校へ夜な夜な侵入しているそうだ、だが‥別に何かを盗むとかそんな事はしていないんだ、備品も減っていないし、生徒から盗難届も出ていないらしく、不自然な事が起きているそうだ」


「へぇ‥?」


そんな会話をしていると、目当ての肉屋へ着き、僕達は大量の肉を購入し急いで家に帰った。


家に入ると、彼女達はご両親はとても嬉しそうに会話をしていた。

その姿を見ていると、温かみを感じつつも‥複雑な気持ちになる。

仕方のない事だ‥僕の両親はもうこの世に居ない。

殺されてしまったのだから‥

そんな気持ちの変化に気が付いたのか、エステルが声を掛けてくれた。


「リヒター?この人達は?」


「あ、ベルベットとレイのご両親だよ、精霊界から来た人達でー」


「せ、精霊界?な、何だそれは‥?」


あ‥そう言えばベルベットとレイは精霊だとは話をしていなかった事を思い出し、彼女に全てを話した、するとエステルは妙に納得した。


「成程‥だからあそこまで強い訳だ‥」


「まぁね‥人間とは違うよね」


そんな話をしつつ、僕はエステルを紹介して皆で朝方まで焼肉を楽しんだ。

印象的だったのは、エステルと契約している精霊の事だ。

何と、彼女の精霊は‥エステルの好みを完璧に捉えていたそうだ。


ガンビットさん曰く、童顔でちょっと気弱な感じだが、健気さを感じたそうだ。

尚、ベルベットとレイは既に何度か見ていたそうで、少し会話をしたところ


「いつもエステルお姉ちゃんと仲良くしてくれて有難う御座います」


と純粋な笑顔で言っていたそうだ、それを聞いたエステルは‥


「頼む!具現化の仕方を教えてくれ‼私の精霊と会いたい‼」


と真剣に頼んでいた‥

ガンビットさん曰く人間界で具現化するには、相当の魔力が無いと出来ないそうだ。

しかし、精霊界へ行けば問題なく姿形を表すそうで精霊界へ行く事をお勧めしていた。

それを聞いた彼女は何の躊躇いもなく精霊界へ行くと言い出した。

あなたお仕事はー‥とは言える様な空気では無かった‥


翌朝、僕達は精霊界へ行く為に家を後にし、人気の無い森へと入った。

疑問に思っていたが、どうやって行くのだろうかと聞いたところ、ゲートと呼ばれる魔法陣を通れば理論上は誰でも行けるそうだ。

ただ、精霊界へ行った人間は過去に1人しか居ないそうで‥リスクはあるかも知れないとの事だ。


「では‥そろそろ行きましょうか」


そう言ってガンビットさんが魔法陣を描きその上に乗った‥

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る