第41話 後を追う

伝令以外はみな移動を開始する。


一応、ここに伝令が来ても素手に俺達はいないわけで、なので、極少人数をここに留め、伝令が来た場合、速やかに俺たちの進行方向へ向かうよう、指示を出してもらうためだ。


尤も、その伝令が来るはずの、送り付ける人物の元へ向かうわけだから、あまり意味がないかもしれないが。


俺たちはスキルのおかげか、多少小走りに進んでいても疲れない。


本当は全力疾走がいいのだろうが、そうすると周囲への警戒がおろそかになってしまう。


「皆疲れないか?」


俺はそう聞くが、まあ・・・・


「スキルの影響でしょうか?全く疲れないですよ。」

カチヤが答える。


「私こんなに走るの初めてかも・・・・でも不思議と全く疲れないね?」

ヘインチェは少し運動した方がいいのじゃ?


エリーザベトは聞くまでもないな。


それに王女様方も普通についてきている。


・・・・

・・・

・・


15分ほど小走りを続けると、前方の多数の気配・・・・物音が聞こえ始める。

そしてもう少し遠い感じで何か金属音が聞こえる。


そして先行しているアマゾネスが戻ってきた。

「もう少し先で兵と魔物が戦っている!」


「魔物の数は分かるか?」

「先ほどランナル殿が仕留めた以上いるのは分かる。それ以上は既に戦い始めているから分からない。」


「それはやばいな。兵は魔物との戦いは慣れてないのでは?」

「そうだろうな。我々アマゾネスはいいが、普通の兵はあくまで対人がメインだからね。」


ここで走るのをやめ、普通に歩きながら近づく事にした。


慌てて近づき、こちらがターゲットになると、乱戦の場合技が使えず困るからだ。

それに、今兵と魔物が戦っているなら・・・・どうするか・・・・


「とにかく進むしかあるまい?ランナルなら大丈夫だろう。技を使わずとも、魔法もあるし。」

エリーザベトがそう言ってくれる。

「それもそうだな。各自まず自分の身を守る事を考えてくれ。そして、どうにもならなければ離脱だ。」


一応そう言って、さらに進む。


少し開けた場所に出てみると・・・・

そこから全体が見渡せた。


うわ・・・・完全な乱戦になってるじゃないか?

捕虜はどうなったんだ?

ここからは俺達と進軍してきた兵と、捕虜の違いがわからない。

なので、偵察に行っていたアマゾネスに聞いてみる事に。

「捕虜はどうなったかわかるか?」

「申し訳ないがそれは分からない。ヨゼフィーネ様と接触したわけもないし、無論向こうの救出作戦の誰かとも接触していないのでね。」


仕方ない。分からないまま魔物と戦うか。


「よし、ありがとう。今からとりあえず魔物と戦う。誰かヨゼフィーネと接触してくれ。俺たちは勝手にやらせてもらう。」


乱戦か・・・・

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