第30話 お人よしと思ってしまう
ヨゼフィーネ達には、ああでも言わないと従わなかっただろう。
申し訳ないと思いつつ、兵のやらかした事に切れたのは事実だからな・・・・
で、集中集中。
もし・・・たぶんこれ転送だろうとあたりをつけてるからするのであって、そうじゃなければしないだろうな。
まあ・・・運だなこれ。
でも今の俺は運の塊。
いける!と勝手に思ってるわけで。
「じゃあ魔力を込める!警戒を忘れないでくれ!」
俺は・・・さっきの阿呆は浄化の魔法を使っていたので、同じ魔法を使ってみる。
すると・・・・先程と同じように、光り始める。
俺の作ったゲートとは違うが、何やら似た魔力が流れ始めてるな?
実際よくわからんが、何となく?そう感じる。
暫くして・・・・・目を開けていられなくなった。うわ・・・・眩しいじゃないか!
・・・・
・・・
・・
・
光が終息したので、目を開けると・・・・そこは見知らぬ土地だった。
何もないな?
だが・・・向こうと同じく、何かでかい円が書いてそう。
動いてるのは・・・・あ、いやがった。さっきの阿呆だ。
どうやら少し移動してるらしく、円外にいたようだ。
俺は気配を可能な限り消し、そっと近づく。
「おいバカ兵士、生きてるか?」
「あ?あああやべ…その…こんなつもりじゃ…」
「気にすんな・・・・このあたり、敵はいるのか?」
俺は周囲を警戒するけど、何も気配がない。
「敵というか…暫く行った先に、何かあって、人がいっぱいいるっぽい。」
なるほど。まだわからん事ばかりだが、敵の設置した転移の魔法陣なのだろうな、さっきのは。
「わかった・・・・どこかこっそり隠れられそうな場所はどうだ?」
「ああ…それなら向こうにあったぞ?」
俺は兵に案内してもらい、向かう。
すると、岩に囲まれた、奥まった場所がある。
これならゲート設置できるな。
「いいか、今から戻る。あのさっきのは危険すぎるから、使わないぞ。」
俺はゲートを置き、兵に踏むよう促す。
「なんだこれ?」
「俺が作ったゲートだ。さっきまで俺がいた付近に出るようになってる。さあ行け。俺もすぐ行く。」
「わ…わかったよ…」
有無を言わさず踏ませる。
阿呆の兵は消えた。
俺はカモフラージュを土魔術で施し、普通に見てわからないようにした。
一応置きっぱなしにするからな?で、ここはどこなんだ?一旦帰らないとカチヤ達が心配するし、詳しい調査は・・・・安全が確保できたから、ヨゼフィーネを呼び戻し、やってもらうか・・・・
・・・・
・・・
・・
・
俺はゲートで戻った。
正直危険な任務だったからな。
ヘインチェが最初に声をかけてくれた。
「流石だね!運がいいとこうも便利って・・・・」
うん?何を言ってるんだ?
すると・・・・何をしでかしたか知らんが、阿呆の兵、布で簀巻きにされていた・・・・
「そいつもいたから、連れ戻したんだが・・・・面倒だが、ヨゼフィーネと合流し、今後の対策を考えたいと思う。」
「よくわからんが分かった。アマゾネス達が使ったゲートだな。」
エリザベートはそう言って、俺が預けていたゲートを取り出す。
「大丈夫なのですか?」
カチヤは心配そうだ。
「まあ大丈夫だろ?」
俺達は一度、戻った。
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