第16話 あっという間に囲まれた

エリーザベトが俺の前に立ち、左右をカチヤとヘインチェがガード。

後ろは・・・・今問題なのは目の前だ。


先程声をかけてきた女性が音もなく目の前に進んでくる。


だが、止まった。

その女性の目の前に、エリーザベトが剣を突き出していたからだ。


「そんなに警戒する必要はない。」


その女性はエリーザベトに言う。


「その恰好で言われても、説得力が無いぞ?」


エリーザベトが言い返す。


そうなのだ。その女性は、何故か肌の露出の多い・・・・鎧?これを鎧と言っていいのかわからんが・・・・

殆ど胸と股間しか覆っていないじゃないか。

あれ防具の意味ないよな?

しかもこんな所に・・・


そう思っていたら、同じ姿の女性が次々やってきて、あっという間に囲まれてしまった。


味方だよな?


「なあ・・・・俺はどうしたらいいんだ?」


よく分からんから、そう聞いてみる。


「ああすまないね・・・・こいつらは、まあ私もだが見ての通りアマゾネスだ。」


・・・・アマゾネス?何だっけ?


「何?何故こんな所にいるんだ?」


「何故って言われてもな・・・・男を求めに集まったに決まっている。」


何言ってるんだ?意味が分からん。


俺が?というような顔をしていたのに、気が付いたカチヤが


「アマゾネスは、女性だけの種族です。そして、子供は必ず女なのです。ですので、男を求め、こうして人のいる場所にやって来るのですよ。」


え?人じゃない?


どう見ても普通に女性だけど。


そう思っていると

「最近の男は駄目だ。弱い・・・・これではいい子が得られん。」


・・・それと今出兵に関して関係あるの?


「なあ、心配は及びませんと言ったよな?今から兵を指揮しないといけないんだが・・・・」


どうなってるんだ?


「ああ、それでしたら、此処の兵は今から必死になって、敵を仕留める事でしょう。」


「意味が分からん。あんたが率いてくれるのか?」


「ああ。私が受け持つが、手柄を立てた兵には、アマゾネス部隊を孕ます権利を与えたのだ。」


へ?何だそれは?


「そんなにおかしな事か?兵共も何かしらご褒美ないと頑張れなくてな。女を抱けるとなれば、頑張りもしよう。」


・・・・そりゃあスタイルの良い美女を抱けるとなれば、死なない程度には頑張る?


だが、国の兵がそれでいいのか?


「いいんだよこんなので。さて、行こうじゃないか。兵はアマゾネスの後ろについてくるさ。そして、戦場では必死にアピールするだろう。」


しかしながら、そんなのでいいのか?


だが・・・・目の前にいる兵士達は、気合十分だ。


「ランナル男爵も、手柄を立てれば、アマゾネスを抱けるぞ?尤も男爵に抱いてもらうのは私だがな。」


・・・・いいのかこんなので?というか抱かないぞ?これ以上妻が増えれば、寿命が絶対縮む。


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