第15話 何でこの流れで俺が率いないといけないんだ?

この糞親父・・・・


俺は内心この国王に対し、どうしようもない怒りを覚えてしまった。

緊急だったから、急いで向かったが・・・・


確かに、国王から直接何か言われてなかったな・・・・


じゃあ、俺達がたった今やった事って・・・・?


「ま、助かったぞ、うはははは!」


何て奴だ・・・だが、その国王の頭をはたいた人がいる。


「あなた!このようなラッキー婿を雑に扱えば、後々自身に災いが降ってきますよ?」


「じゃ・・・じゃが・・・わしは頼んでおらなんだぞ?」


「まだいいますか!あのまま敵が攻め寄せればどうなっていたか、自明の理ですわよ!それとも、一から私が説明しないと理解できませんか?」


「いやいや!そこまで怒らんでも・・・」


「では、後の事は私が処理しますから、貴方はさっさと今後の対策をしに行く!ほらほら!」


うわ・・・王妃様半端ねえな。国王を軽くあしらって追い出したぞ?


「・・・・ランナル、すみませんね。救国の英雄だと言うのに、あのバカは。」


「・・・・ええとどう突っ込めば?」


「突っ込むのは娘にしていただきたいですわ。早く孫が見たいですし。」

・・・・王妃様も美人だが、どうしたらいいんだ?美女にこんな事を言われると、反応が困るぞ?


「ま、冗談はここまでに致しましょう。で、先ほどの活躍、凄まじいの一言ですね。感謝いたします。ですが、これと出兵に関しては、申し訳ないですが別なのです。敵が今後どのような動きをするか分かりませんが、国境の状況を確かめる必要がありますし、もし助かる兵がいるなら、助けたいのです。」


「・・・・結局行くのは変わらないんだな。」


「ええ・・・・安全ではありませんから、息子をを今の段階では行かせるのは無理ですから。何人も男の子がいればよかったのですが・・・・」


確か世継しか男子が生まれなかったんだったっけ?


「・・・・しかしながら、兵なんか率いる事はできないぞ、そんな知識は一切ないからな。最初に言わなかったっけ?」


「ええ・・・・存じておりますわ。なので実質はこちらの将軍が率いますので、貴方は先頭に立って進んで下さればそれでよいのです。」


ああ、そう言えばそんな事言ってたな・・・・


「今から向かえばいいのか?」


「ええ・・・早い方がいいですし、もう準備はできてますからね。では行ってらっしゃい!」


そのまま追い出された・・・・


おいおい、大丈夫なのか?状況が分からんぞ?


まだまだ国境に敵が展開してたらどうすんだ?

俺は、俺達は兎に角、兵はどうなるんだ?敵に遭遇しても、兵を率いての戦闘なんか無理だぞ?


そう思ったら・・・・


「それには心配は及びません、ランナル男爵。」


誰だ?あ、カチヤ達の警戒レベルがいきなりマックスなんだけど・・・・・というか女だよな?どう見ても。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る