第14話 ゲートで戻ると

一度ゲートで戻る事にしたのだが。その前に、もう一度4姉妹に確認をする。


「ここに来る前にも言ったが、今からゲートを使うのだが、このゲートの存在を、此処にいるメンバー以外には絶対に知られたくない。知らせるのは俺がする。だから、確認だが、誰にも言うな?わかったか?」


俺はもう一度念を押す。


「ランナル様、ゲートの重要性は、認識しているつもりですわ。これが国に知られてしまえば、戦争の在り方が変わってしまいますもの。先ほども言いましたが、決して誰にも知られないようにいたします。無論、ランナル様が言ってないからと言って、文章に残したり、ジェスチャーで示したり、屁理屈、こじつけも致しませんわ。」


・・・・こんなに聞いてくれると、逆に怖い。


「ああ、すまんな。ま、秘密さえ守られていれば、後はまあ、いいんだけどな。」


俺は何が後はとか思いながら、我ながら何を言ってるのだと感じたが、仕方ないだろ?疲れているうえに、こんな美女に囲まれてたら。


まあ、そう言う訳で、一度ゲートで戻った。


戻ったと言っても城ではない。

城からさほど離れていない、購入した家の一つだ。


全員ゲートで戻ったのを確認し、城へ向かう。


歩きながら俺は、元ギルド職員のカチヤとヘインチェに尋ねる。

「なあ、さっきのドロップアイテムや、魔物の死体、どうしたらいいと思う?ギルドへ丸投げか?」


「いえ、今回は国の要請ですから、国に渡すのが筋かと。」


「私もそう思いますよ。だけど、国境を越えた敵の討伐って・・・・王様討伐しろって言ってたっけ?」


え?言ってるだろ?え?言ってないか?

ここで重要な事柄に気が付いたのだが、誰も重要な事と気が付かないまま、スルーしてしまった。


「じゃあ一度カバンの中身を全部城に置いてくか・・・・」


・・・・

・・・

・・


俺達は、何事もなく城に戻った。


戻ると、すぐに王様が会ってくれると言う。


そして会うと


「おお!婿殿!あの敵を討伐するとは恐れ入った!」


えらい喜びようだ。


だが・・・・誰もまだ王様の所に報告をしていない。

何せ、全員俺と共にゲートで戻ったんだからな。

何で知ってるんだ?すると俺の後ろにいたリーサンネが答えてくれた。

「そう言った魔道具があるのですよ。」


「魔道具?だが・・・・なんだそれ?」


「魔道具は魔道具です。それ以外の何でしょう?」


「いや・・・・そうじゃない。どうやって知って、知らせたのかだよ。」


分かってないのか首をかしげるリーサンネ。


するともう1人後ろにいたローシェが

「空から監視しているのですわ。」


「空?空ってあの空か?」


「ええ、外の・・・・上の事です。」


よく分からんが、気が付かなかったな・・・・


そしてこの後、王様がとんでもない事を言ってきた。


「さあ、やっと出兵じゃな。国境まで兵を率いてくれ。」


え?どういう事?侵略してきた敵は仕留めたぞ?



「何言ってる?俺が頼んだのは、兵を率いる事だぞ?」


・・・・え・・・・え?


俺は混乱した。

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