第17話 何かおかしい・・・・その、顔が似すぎてるんだ

俺はこのアマゾネスをじっと見る。


何かおかしい。


いや、こう言っては何だが、多分そこそこ年上だ。


で、別にそれは問題じゃないんだが、問題は顔だ。


何か見たような顔。

彼女は美人だ。だが・・・・何だろうこの違和感。

そして何故か囲まれたまま進軍する羽目に。


アマゾネス・・・100名ほどいるみたいだが、その後を兵士が進む。

あ、よく見ると、所々の中心にアマゾネスがいるぞ?女だからきっとそうだろ?ここの兵士は男だけ・・・・らしいから。俺は念のためにカチヤに確認したんだ。4姉妹には聞かない方がいい気がしたのでな。


「ここの兵士は皆男と聞いています。なので、私達は、彼女が現れて警戒したんです。」


ああ、そうか。そう思ったよその時は。


だが、今は違う。


で、もう反対側のヘインチェに聞いてみる。


「なあ・・・あの最初に声をかけてきたアマゾネス?何か違和感があるんだ、ヘインチェは何か感じないか?」


そう言うと、驚いたような顔をしつつ

「あ、やっぱりそう思う?私も何だか変な気がしてたんだ。」

するとエリーザベトが

「なんだヘインチェもか。さっきから気になってるんだが・・・・あの王妃、あれに顔似てないか?」

・・・・あ!そうだ、似てるんだよ。それが違和感の正体?

俺はこの時、凄く嫌な予感がした。

何がって、この女性、言われて見ると、確かに似ている。

やばい・・・・

何がって色々だ。

アマゾネスは女しか産まないんだよな?産まないと言うか産まれないんだよな?


なのに、王妃様には男子の出産経験があるらしい。

というか王太子がいるんだからそうなるよな。

だがそこで問題が発生する。


女しか産めないはずのアマゾネスが、どうやって男子を出産したのか。

もしかして別の女性との間の子?


そして最終的に、国は俺に何を求めてるんだ?


やばい・・・やばすぎる・・・・


「大丈夫、痛くしませんから!」


!!!何を言ってるんだ?


「ランナル男爵は、姉からかなりの運の持ち主と伺っています。」


聞いてない事を言い始めたぞ?心をよんでる?それと痛くしないって何をする気だ!


「全員と励んで頂きます。」


・・・おい!100人いるんじゃないのか?俺が死ぬわ!


「まあ、お察しの通り、ヤンティーネ王妃は姉です。」


ぎゃあ!もう言うな!何も言うんじゃない!

「そういえば、フェリーネを抱いた時、様子が変じゃなかったですか?」


・・・・何が言いたいんだ?


「彼女は、特にアマゾネスの身体能力を色濃く受け継いでますから。」


「何が言いたいんだ?」


「いえ、特には・・・・ただ言える事は、姪っ子がランナル男爵の事を語る時の顔が、羨ましかっただけですよ。」



いかん・・・・さらに混乱したぞ?何が言いたいのかさっぱりわからん。

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