第10話 人じゃないのか?

だんだんと近付く土煙。


このままではいかんな・・・・


「なあ王家の4姉妹、あんたらこの辺りの地理に詳しいのか?」


時間がないから名指しではなく、4人い聞いてみる。


「ええ、私はわかりますよ。」


アルデホンダがそう言う。


「他の3人は?」

3人とも顔を見合わせるが・・・・

「この辺りは私達4人とも詳しいですわ。」


フェリーネがそう言う・・・・よかった・・・・


「あの土煙見えるだろ!あれきっと敵だ!このままこんな場所で迎え撃つのは無謀過ぎるだろ!どこかいい場所、近くにないか?」


何かあったら困るからな・・・・


そう言いつつ、ゲートを回収しておく。


あ、その前に現状把握だけでもしておかないとな・・・・


俺と先に結婚した妻3人と、後で結婚した王家の4人。ここまでで8人。


で・・・元々のチーム、今は部下?親方以下9名、それとその妻18人。計35人か。


男女比があれだが致し方ないな。


直接の戦闘は、俺とカチヤ達3人の4人がスキル、装備含め最強。次にいいのが王家の4人。だがどんな戦いができるか全くわからん。


で、その後はチームの9人。

装備は最高。スキルはまあそこそこあるだろ?


あ、そうだ、親方には全属性魔法(LR)を、後の8人にはちょうどあった全属性魔法(SSR)があるんだ。

こちらもなかなかだろ?


で・・・・親方らの妻。どうもSSRで装備を固めてるらしい。


これなら・・・・せめて親方らのサポート、護衛をしてもらえれば・・・・



ああ、これ以上はわからん・・・・


そんな事を考えてると、王家の4人は素早く相談をしていたらしい。


「ランナル様、あちらの、少し道から離れた所にある、岩はいかがでしょう?うまく隠れる事ができますが。」


ああ・・・あるね、岩・・・・


「とにかく行くしかないな・・・・まずはそこで迎え撃たないと・・・・相手がさっぱりだからな。」


一度フェリーネたちの案内でそこに移動する。


で・・・簡単な作戦を。


「相手が何かさっぱりだから、どうしたらいいかわからん。だが、相手は既に国境を越えてるから、問答無用で攻撃してもいいだろ?」


「ええ・・・報告では、国境で激しい戦闘の後、こちらの被害はすさまじく・・・・相手は殆ど損害が無かったとか。なので、交渉の必要はないのですわ。」


アルデホンダがそう言う。


あ、今双子のリーサンネとローシェには、敵の動きを見張ってもらってる。


「じゃあいきなり奇襲でいいだろ?で・・・・俺とカチヤ、エリーザベトとヘインチェ、この4人で先ずは魔法をぶっ放してみる。その後、4姉妹が魔法を使うか、武器で攻撃をするか判断してくれ。魔法が効果あれば、親方達も魔法をぶっ放してみてくれ。で、親方の奥さん方は、半分・・・・ギルドにいた方が、各々旦那を守って。元メイドは全体を補佐。これで・・・・どう?」


というか時間がないんだよ。もっと後ろで構えればよかったか?


「もう目の前に迫ってますから、それで行くしかないでしょう?そうですよね、皆様方。」


カチヤがそう言ってくれる。


「別に剣で攻撃でもいいんだがな・・・・」


エリーザベトはS級だからな・・・・


「混戦になったら一番に頼れるのはエリーザベトだ。2人を主に守りつつ、攻めてくれ。」


「君を守らなくていいのかい?」


「・・・・それはまあ、状況次第で。またあのソニックブームを放つような事態になれば、その後護ってもらわないとだけど。」


そこまで言い終わった時、リーサンネが

「もうすぐそこまで来た!」


そしてローシェが


「あれは・・・人ではなく、魔物?」


どうやら人を殺める必要は無さそうだ・・・・

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