第28話 ど・・・・どうなった?

俺が描いた円の何かの動作が収まり、様子を見る。


・・・・何もない・・・・


俺の近くにはヨゼフィーネとその娘もいたので、あのアマゾネスを連れてこさせる。

「さっきのあいつを連れて来い!」


俺は怒鳴った。


今までこんなに怒鳴らなかったから、ヨゼフィーネと娘は驚いたようだ。


「あ・・・あのバカ何やってるんだか・・・・」

「ま・・・待ってて?」


二人して行ってしまう。

全く・・・・さっきまでの努力を無にしやがって・・・・

●      ●


「お・・・お母さま、ランナル様怒ってたわよ?大丈夫かしら?」

「ええ・・・あのバカ・・・・せっかくの努力が台無しじゃないか・・・・おい!何て事してるんだ!」


ヨゼフィーネが件のアマゾネスの首根っこを掴んだ。

「ひ・・・ひい・・・・ご・・・ごめんなさい・・・・」


「それはランナル様の所で言え!」


「うー・・・・」


左右をヨゼフィーネとその娘にがっちり捕まえられ、引きずられていく。


●      ●


「ラ・・・・ランナル様!この阿呆を連れてきたよ。煮るなり焼くなり突くなり好きにして!」


「そんな物騒な事しないし、何で突かないといけないんだ!というか突くってなんだ!」


もう怒った!


「す・・・・すまない・・・・気にしないでくれ・・・・罰は私が受けよう、このか「いい加減にしろ!」ら・・・・その、・・・・ごめんなさい・・・・」

「もういい、そこの女、何しやがったか分ってるのか!」

「ひ・・・ひい・・・・」

股間から何か大量に漏れているが、気にしない。

「俺が此処で何をしてたか分かってないのか?いくら相手が阿呆でも、何でこの円に放り投げた!見たらわかるだろ!」


「ご・・・・ごめんなさい・・・・」

「おいヨゼフィーネ、どうすんだこれ!もう俺は知らんぞ!」

俺はそう言って引き揚げようとする。

「ま・・・・待って・・・・こんなはずじゃ・・・・」


「俺は命令されて此処まで役割を果たしたつもりだ。怪しかったから、その調べをしていた。そして、その調べで何かあると分かった。なのに、だ。こいつらに邪魔されたらどうしようもないだろ!後はあんたらでどうにかしろ!そこの女もだ!あの阿呆は自業自得だが!あいつがどうなったか・・・・いくらなんでも消え失せなければいけない事だったのか?」

あの放り投げた女は泣き出した。

そして・・・ヨゼフィーネが

「其処まで言わなくてもいいだろう?」


俺はギロッと睨んだ。


「ひい・・・・」

ヨゼフィーネも股間から何かが駄々漏れだ。

「これ、今のでどうなった?幸いあの阿呆1人の犠牲で済んだが、あの阿呆はどうなった?あの円の中で身体が無くなるほど破壊され死んだのか?それともどこか違う場所へ転送されたのか?もし後者なら・・・・他にこの砦にいたはずの兵もそこにいるかもしれないが、もしそうだとして、後から行ってしまったあの阿呆、その所為で先に捕らわれたか、捕虜となり連れ去られた兵の身が危険にさらされるんじゃないのか?」

俺は一気にまくしたてた。何だこいつら、頭の中お花畑なのか?アマゾネスの連中は男をゲットする事しか考えてねえのか?

「すまん・・・ランナル殿の言う通りだ・・・・どうしたら・・・・?」


「どうしたらって・・・何で俺に聞く?俺はできる事をした。あんたら軍だろ?なら後は何とかしろよ!まさか魔術師がいないからできませんじゃないよな?こんな事は想定内だろ?」


「いや・・・・想定外だ・・・・」

はあ・・・・何しに来たんだ?

「もういい・・・・帰るか。もうどうでもいい・・・」

俺は、一気にテンションが下がった。

このままさらに調べた所で、また足を引っ張られる可能性大だからな。

「ランナル様・・・・私、少しだけ魔法使えるので、私が試します!」

あ、ヨゼフィーネの娘何言ってやがんだ!

俺は咄嗟に捕まえる。そして思いっきり殴る。

女性の顔を殴るなんてした事ないが・・・・いい気分じゃないな。

綺麗な顔が血まみれになり、酷い顔になった。

「おい、さっきまでの俺の言葉聞いてなかったのか?これ以上話をややこしくするんじゃねえ!」

「ご・・・ごべぶぶばざびい・・・・」

血まみれで泣きながら謝る娘。


「ヘインチェ、回復してやってくれ。」

それまで呆気に捕らわれ見ていた・・・突っ立っていたヘインチェが、


「は・・・はい・・・・回復う・・・・」


娘は元に戻った。

はあ・・・どうすんだよこれ?



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る