第29話 この場で緊急会議を?いやいや・・・・

「なあ・・・・ゲート出すから、皆戻れよ、もうどうでもいいわ。」

俺はもう隠す気力も失せ、ゲートを地面に置く。


「ほら、もう兵を皆これで送り返すからな。」

俺はまずヨゼフィーネの娘を捕まえ、ゲートに放り出す。

「あ・・・・そんな・・・・」


そのまま消えた。あれ・・・どこ行くやつだっけ?

「なあフェリーネ、もういいだろ、俺の役目はもう終わりだ。この兵率いてはどうにもならん。あとは一度戻り、国に対応検討してもらえ。次はお前が行け!」


「ちょ!どうしたのですか?らしくないですよ?」

フェリーネも何か感じたのだろう。

「ああ、まあもういいんだよ。というかこのゲート、何処へ行くのか忘れたからな、お前が面倒見てやってくれ。この後ドンドン兵が行くからな。」

「そ・・・・そんな・・・・ここまで来て?」

「ここまで来てこのざまだからだよ!もっとましな兵にしてくれよ!魔法の対策してねえっておかしすぎるだろ!俺は何も聞かされず、無理やり同行させられた。わかっていればある程度対策を取れたはずだ・・・・このままではこの兵達、犬死になる可能性が大きいからな。だから一度戻す。」

「・・・・一応わかったわ。確かに無策では危険すぎますからね。一度戻って報告、建て直しましょう・・・・」


フェリーネも消えた。アルデホンダにも行ってもらい・・・・念のため双子のリーサンネとローサには残ってもらう。

「さ、ヨゼフィーネ、兵を連れて来い。」

「ごめんね、ランナル様・・・・」

謝りつつ、兵にゲートをくぐるように話をしに行ったようだ。

アマゾネスに率いられた兵が続々とゲートに入る。


あーこれどれだけ時間かかるんだ?


・・・・

・・・

・・



数時間後、兵が全員引き上げたので、ヨゼフィーネにも戻ってもらう。

「次はあんただ、さあ行けよ。」

「・・・・・最後に残るゲートはどうするつもりかしら?」

尤もな指摘だが・・・・


「ゲートは使用不可にできるんだ。放置しても使えないから心配するな。」

「・・・・わかったわ。」


そう言い残し、ヨゼフィーネも消えた。

さて・・・ここには残りは双子と最初の3人の妻だけ。

「2人も戻ってもらおう。」

「わかった・・・・怒ってる?」

リーサンネが聞いてくる。

「怒ってると言われたら・・・・怒ってるな。」

「私はどうしたらいいの?ランナル様の力になりたい・・・・まだ信用してもらってないの知ってます・・・・だけど・・・・」

・・・・普段滅多にしゃべらない2人。

「ローサ、ありがとう・・・・君らは今回悪くはないから、気にするな・・・・」


そう言って2人を送り出す。


すまんがカチヤら以外は信用できないんでな。


これで残るは4人。

俺はゲートを仕舞った。

「あ、やっぱりそうなのね。どうするのかしら?」

カチヤが聞いてくる。

「ああ、俺が行く。死んだら運が無かったと思って諦める。今から対のゲートがあるから、一つはここに置く。もう一つは俺が持っていくから・・・・上手くいけば、ゲートから戻るから、待っててくれ。もし、そうだな・・・・一時間して戻らなければ、俺は死んでるから、素直に城へ戻ってその旨報告してくれ。砦の兵は全滅したと・・・・」

「いいのかい?私が代わりにやろうか?」

「・・・・さっきは敢えて女を殴ったが、俺は女に・・・・傷ついてもらいたくない。エリーザベトもだ。だから・・・・俺がやる。」

「ご武運を、ランナルさん・・・・」

「ああ・・・・ヘインチェも・・・・俺が戻らなかった場合、追いかけてくるなよ?ああ・・・・それとな・・・・俺が戻らなかったら、間違ってもこのゲート使うなよ?」


俺はそう言い残し、ゲートを確認し、書いた円に向かう。

弱い魔力でいいのか?

俺は弱めの魔力を出し・・・・この魔法陣なのか?を発動させた。

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