第32話 アレイト・フェルスホール

俺は、ヨゼフィーネの娘と共に、風呂へ向かった。

案内されたのは・・・・

家族風呂といわれる、貸切風呂だった。

だが・・・・誰もいない。


「あ、あの・・・・準備はできてますから、もう入れますよ?」


どうやら俺はこの風呂に入る事になるらしい・・・・


「ああ・・・・案内すまんな・・・・ええと、そういやあんた名前何だっけ?俺知らないぞ?」


「あれ?お母様言っててなかった?そういうところが抜けてるのよ・・・・あ、私はアレイト・フェルスホール。覚えておいてね。」


「ああ・・・・」


「あのどうしました?」


「俺今から入るから・・・・」


「じゃあお背中流しますよ?」

「いや・・・・未婚の女性と一緒に入るわけには・・・・」

「・・・・15の小娘では魅力ないですよね・・・・」

「いや、それは違う!あんたもアマゾネスなんだろうが・・・・母親に似て、美人だ!って何言ってるんだ・・・・」


「ありがと!さ、いつまでも汗臭い服着てないで、脱いで脱いで!」

「いやまた・・・・まて・・・・またが・・・・」


「まあ!なかなか・・・・ご立派だね!そんなの気にしないでいいのに!むしろそれ私に使っていいよ?」


何が立派か知らん・・・・それに使うってなんだ?


「俺は風呂に入る!」


もう駄目だ・・・・だが・・・・背を向けておけば・・・・

俺が服を脱いだら・・・・アレイトだっけ?も脱ぐ。

う・・・・あんなの見たら・・・・俺は理性がある間にさっさと風呂に入る。


もう目を開けないようにしながら・・・・


なんで隣に座るんだよ!

「いいじゃない?ダメ?」


そんな事言われると・・・・

こいつ母親似だが・・・・いわゆる美少女だな。

いかんいかんさっさと出るぞ!

「あ・・・・待って・・・・」


・・・・

・・・

・・


俺は必死になって出るが・・・・体を拭く布がない・・・・しまった・・・・


「あ、タオルあるよ?使う?」

何故かバスタオルで体を包んだアレイトがいた。



「ああ・・・・一枚ほしいな。」

すると・・・・

「あ、これしかないのよね?どうぞ?」


え?今一枚しかないって言った?


アレイト、自身を包んでいたタオルを渡してきやがった・・・・そこに一切の躊躇がない・・・・


そして・・・・俺は思わず受け取ってしまった・・・・

なんだ?すごくいい香りがする・・・・

アマゾネスってこんないい匂いがするのか?

俺は思わずアレイトを見る。

・・・・しまった・・・・いま裸だ・・・・


だが・・・・何故か恥ずかしがらずに見せつけてくる。


「あ、ちょっと待って・・・・準備してくるから・・・・」


尻をこっちに向けて、どこかへ行ってしまった・・・・何の準備?


そう思ったら、すぐに戻ってくる。


「もう体拭いた?私にそれ返してね?」

「あ・・・・ああすまんな・・・・」


いかん・・・・ぼーっとしてしまう・・・・

「あれ?大丈夫?少し休む?奥に休憩所あるよ?」


「お?そんなのあるのか?じゃあ少し休むか・・・・」


俺は裸なのをすっかり忘れ、再びバスタオルに身を包んだアレイトに手を引っ張られ、奥に・・・・


あ?休憩所って・・・・なんで風呂場の隣にベッドがあるんだよ!


『ラブホだね!』


あん?誰だ今何か言った?


そして・・・・なんかすごくいい匂いが充満してる・・・・

アレイトの匂いと相まって・・・・

俺は意識が朦朧としてしまった・・・・


「痛くしないからね?」

何が痛くしないんだ?

・・・・

・・・

・・


気が付けば、ベッドに・・・・血だらけのアレイトの肢体があった・・・・

(お母様!見事に成功しましたよ!薬もばっちり!)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る