第38話 あの時と同じ魔物か?

俺は案内の後に着いてき、魔物が居ると言う場所の近くにいた。

そして、慎重に魔物が見える場所へ。


で・・・・あの時と同じように、うじゃうじゃいるな。


一応距離をとりつつ、魔物からばれない様に、少し離れた場所へ。


で、俺は偵察兵に確認をする。


「あそこには魔物しかいないのか?」


偵察兵は・・・・

「私にはわかりかねます。現在もう少し潜りこんでいる隠密がおりますので、帰還次第聞きましょう。」


暫くすると、誰かがやって来た。


「こちらでランナル様に報告するように言いつけを承ったのですが。」


「ああ、俺がランナルだ。で、どうなんだ、先ずは報告を。」


「は!魔物はあの場にのみ。人の姿は確認できませんでした。恐らく魔物しかいないかと。万が一人がいても、もはや生きてはいないでしょう。」


「なあ、それはどういう意味だ、人が生きていないって。」


「私は自らの気配を消し、周りの気配を探るのを得意としております。限界まで近づきましたので、間違いないはずですが、あの場には人の気配はありませんでした。魔物の気配以外ありません。」


「じゃあなんだ、攻撃を・・・・広範囲の攻撃をしても、捕虜になっているかもしれない人の事を心配しなくていいと?」


「はい!」

「分かった・・・・ご苦労だった・・・・申し訳ないが、隠密行動をとれる兵は少ないんだよな?なので、また偵察に行ってくれ。」


「かしこまりました!」


・・・・そう返事した瞬間・・・・消えたよ。

ああ、少し休んでもらった方がよかったか?


ああ、魔物の方は今はいい。問題は・・・・人の方だな。

捕虜になっているのか、それとも避難しているのか。

ただ、最初の報告では、捕らえられていると言っていたからな・・・・


あちらはヨゼフィーネに任せるからな・・・・

どうなるかは知らん。

だが、ここでこちらの魔物を仕留めてもいいものか。

もし、こちらで、魔物を攻撃する事で、万が一砦の兵が捕虜になっており、見せしめに殺されたのでは・・・・


そう思っていると、同行しているアレイトから声がかかった。


「お母様からの報告があるようなの。」


・・・・こちらの状況は、同行しているアマゾネスに託し、ヨゼフィーネに報告をしに行ってもらっている。


で、向こうから報告があるようだ。


「君が伝令か?」


「はい、ランナル様にヨゼフィーネ様より報告です。」


「君が見た事も含め教えてくれ。」


「は!偵察の報告ですと、多数の捕虜が隔離されている、と言うので間違いないようです。今周りに魔物の姿も、敵対する兵の姿も見当たらないようです。ただ、兵が捕らわれている周辺には、柵がめぐらされており、その柵自体は簡単に破壊できそうなのですが、どうやら柵に仕掛けがあるようで、捕虜になった兵は脱出できずにいるようです。」


「その柵は、どのような仕掛けかわかるか?今こちらで魔物の集団を確認しているのだが、それを攻撃してしまって問題ないのか知りたいんだよ。」


どうなんだ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る