第24話 何やら慌ただしくなった
「いいか!こういうのは自然が一番なんだ!薬に頼るなんて・・・俺は嫌だ!」
俺は、この怪しい空気に逆らいたくて、そう口走ってしまった。
そして・・・・フェリーネがいきなり泣きながら訴えてきた。
「ラ・・・ランナル様!そこを何とか!考え直して下さい・・・・考えてもみてください!我々アマゾネスとして生をうけた者は、例外なく男児の出産を夢見るのです!絶対かなわぬ夢・・・・ですがそれが!目の前にあるんです!どうか!どうか!!」
ここまで言って大泣き・・・・
その・・・す・・すまん?こうなるとは思ってもいなかった・・・・
「いくらなんでも・・・・酷いです・・・・アマゾネスが男児を産むのを否定しないで下さい・・・そして・・・夢を・・・もう手の届く所に・・・・お・・・おね・・・・うう・・・」
・・・これ俺が悪いのか?
俺はアマゾネスの事はよくわからんから・・・・
俺が言葉をかけようとした所、ヨゼフィーネさん・・・もうヨゼフィーネだ!いいよな、あんな事された後じゃあ・・・で、その娘が慌ててやってきた。
「あの!お取込み中悪いんだけど、何かあったようだから、来てほしいんだって!」
そのまま引っ張られていく。
「お!こら!引っ張るな!慌てなくてもちゃんと行くから!」
「急いで!何か見つけたらしいのよ!ささ!」
さっきまで泣いていたのに、俺たちの後を追いかける王女達。
というか、俺と結婚したから王女じゃなくなってる?まあそんな事はいいんだが・・・・
「ランナル様、ここを見てほしいのよ。」
ヨゼフィーネが示した先は・・・・
何かを引きずっているような跡だ。
それも、途中で唐突に途切れている。
なんだこれ?
それに・・・だから何なのだ?
こんなの見せられても、俺にはわからんぞ?
「慌てて呼んでもらってなんだが、俺にはこれが何を意味するのかさっぱり分からんのだが?」
俺はヨゼフィーネを見る。
今はさすがに職務を・・・・俺が見たのは、まぎれもなく軍人の顔つきをした一人の将軍だ。
「ランナル様、ここで何か魔法が使われたようです。」
「なんだ魔法って?俺は全属性の魔法なるスキル手に入れたが、ほとんど使いこなせないままここにきてしまったからな、そんな感知の方法なんかわからんよ。」
「そこは問題ありません。ここ・・・・うまく隠していますが、地面に何か細工がしてあります。」
「で、俺にどうしろと?」
「土魔術で、この地面を掘り進めてほしいのです。」
・・・何が言いたいんだ?
「なあ・・・・まさかと思うけど、この下に敵がいるのか?」
「いえ・・・気配はありませんから、そうではなく・・・・もっと厄介な、この下から敵はやってきたのではないかと思うのですわ。」
は?地面の下に穴掘って、そこから進軍してきたのか?
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