第8話 切り札、ゲートを使う準備をする

今俺は・・・俺達というべきか、また皆のいる場所へ戻り、どうするか対策を考えている。

どうやらかなり情勢は悪いらしく、かといって俺らの足じゃあ間に合わん。


ゲートでも設置してればなあ?

そう思ったんだが・・・・あ、そうだ、誰かにゲートもたせて、足の速い乗り物で近くまで行ってもらい、行ってもらった人・・・兵士か?にゲートを設置してもらい、こちらもゲートをセットしておけば、その兵士がやってくれば、入れ替わりに俺らが行くだけだ。これなら早く行けるぞ?


ただ・・・・国王とかの、権力者にゲートの存在がばれるのが問題なんだがな。


そう思ったが、親方が、


「それなら俺が行こうじゃないか?」


親方、あんた男だよう!


俺はそう思ったが・・・・口に出しては


「何処へ行けばいいのか知ってるのか?親方・・・・」


「そ・・・・そうだった・・・・」


あ、でも、それなら誰かに道案内させて、親方が一緒に行けばいいのか?


「少々お待ち下さい。場所さえ教えて頂ければ、私案内できますよ。たいていの国境はわかるつもりですから。」


意外な事に、アルデホンダがそう言ってくる。


「主街道をたどればわかるはず。」


誰かがそう言う。装備のよい、身なりのいい人だ。将軍か?

じゃああんたが行けよ!そう思ったけど、


「よく分かりませんが、信用できる人がいいのですよね?」


「ああ・・・そうだが・・・・」


「ドラグーンで行けば、あっという間ですわ。」


「何だそのドラグーンって?」


「まあ、私共がそう呼んでいるだけで、本当の名前は知りませんの。ですが、簡単に言えば、ドラゴンの小型の生き物で、飛べませんが、人を2人程乗せて、ものすごい速さと耐久力で、移動する生き物ですわ。」


「何だそんなのあるのか?じゃあそれで行くか!」


「では・・・・ランナル様、私と参りましょ?」



「何で?親方じゃあ駄目なのか?というか、誰がそのドラグーンとかを御するんだ?」


「私が乗れますの。ですから、御一緒する殿方は、ランナル様でなければいけませんわ。」


・・・・この女と2人っきり?ちょと危険な感じしかしないんだが?


「流石にこの状況下で、手は出しませんよ?」


「・・・じゃあそうしようか・・・・」


こうしている間に、そのドラグーンと呼んでいる生き物の準備は整えられ、アルデホンダと俺で行く事に。


「カチヤ・・・ゲートを頼む。準備ができ次第、俺がゲートでここに来るから、そうしたら皆で行ってほしい。」



「ええ、分かったわ。ランナル様も気を付けてね?」


こうして、何とか王様には、知られずに済みそうだ。


で、俺は念のため、4姉妹を集め、くぎを刺す。


「俺はゲートなるものを作った。2つで一つの魔道具だ。2つ置いておけば、その2つの間を行き来できる。だが、誰にも言うな。特に国王と王妃様には絶対知られたくない。無論、この国の権力者全員にもだ。もし4人の誰かが漏らせば、俺はあんたら4人と離縁し、この国を出る。あんたらの妹たちにも言うな。」


「分かりましたわ。間違っても誰にも言いませんわ。たとえ気を許している侍女でも、身内でも、信用できると思っている知人でも。」


こうして俺は、アルデホンダと共に、敵が攻めてきたという国境付近まで行く事となった。

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