第5話 そこら中で悲鳴、うめき声が聞こえたとか聞こえなかったとか

親方達は、場内に割り振られた個室で、早速スキルを取り込んだ・・・・嫁に強制的にさせられたらしい。



俺はガチャったスキルを取り込みつつ、妻達にもスキルを渡し、取り込んでもらっていたのだが・・・・



親方達の個室、少々離れていた筈なのだが、時々何やらすごい叫び声や、うめき声が聞こえてくる?


え?あれ親方達?

マジで?


ま、元がNハンターだ。


しぶとさが命だからな。何とかなるだろ?


そしてしばしの静寂・・・・


で、その後あれ?また何やら叫び声が聞こえてる?


何やら打ち付けるような音もするが・・・・大丈夫なのか?


結構な時間が経ってから、親方達は戻ってきた。


ありゃあ、随分やつれてるな?まあ俺もあのスキル取り込んだ時、きつかったからな・・・・

というか、やつれ過ぎじゃね?



それより、両脇の奥さん方が気になるんだが・・・・

何か顔がつやっつやなんだけど?


・・・・

・・・

・・


一通りスキルを取り込み、妻達の様子を見る。


特に変わった事はないよな?特に全能力の向上とか言う何が具体的にどれだけ上昇するのかわからんスキルを取り込んだ3人と俺。


だが・・・・


「特にこれと言って変わりはないぞ?」


エリーザベトが真っ先に言う。


うん、変わりは・・・・ないよな?


「私も・・・・違和感等ないですよ?」


ヘインチェもなんともないらしい。


「そうですね、私も大丈夫そうです。ランナル様はどうですか?」


カチヤも問題なしか。俺は・・・・うん、特に何もないな。


「俺も大丈夫そうだ。あ、フェリーネたちはどうだ?いきなり全属性の魔法持ちになったんだ。何か違和感ないか?」



4人は顔を見合わせているが・・・・


「ランナル様、特に違和感はございませんわ。」


やはり代表してフェリーネが報告してくれる。


「何かあったらすぐ言ってくれよ?言われた所でどうにかなるもんじゃないんだけどさ。」


「分かっていますよ。ふふ・・・・」


本当に分かってるのか?


親方達に聞いてみると・・・・


「スキルを取り込んだ後、油断してな・・・・」


うん?何を油断したんだ?




「そろそろよいか?」


今城内は、俺達以外、凄く変な空気感が漂っていた。


そりゃあな・・・ガチャった俺が言うのもなんだが、あれだけすげえのが目の前で出たらな・・・・


そんな空気の中、王様はしゃべり始めた。


「早速で悪いが、其方らには、これから国境付近まで行ってもらう。」


うわ・・・・マジでか?


「こう言っては何ですが、兵の統率なんかできませんよ?」


「しなくてもよい。それは別の者に任せるゆえ。其方らは、言ってみれば象徴みたいなものだ。そこにいるだけで、士気が上がり、兵の能力も上がる・・・・だが、その実、本来の目的は、そなたらのその装備だ。その装備、先ほどのスキル・・・・全体的に上昇しておる能力・・・・それらをもって、個別に敵と対峙してほしいのだ。」


・・・・つまり直接人を殺せ、と?


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