6 少女像崩壊?
名前:なし
種族:混触培養龍(ホムンクルスドラゴン) (種族:上位種)
レベル:52
状態:死亡
ステータス
HP:0/92034
AT:5030
DF:9931
SP:765
MT:806
MP:0/200
称号:野生
スキル
・ステータス補正(Lv.30)
・斬牙
・暴食状態
・龍放射_ドラゴンブレス
・龍の力(Lv.4)
ついでなのだが、この森の魔物の平均レベルはこのくらいという認識で良いのだろうか。イミナの元のレベルが4、そして龍を殺したらレベルが13になった。ということを計算して…いや、計算できるほど俺は頭がいいわけでもないな。ざっくりとした認識でいいだろう。
混触培養龍(ホムンクルスドラゴン)
上位種のドラゴン。ドラゴンの6割は下位種でワイバーン、ドレイクなどが属する。このドラゴンは残りのうち3割の上位種ドラゴンに含まれる。魔物の生態的には、召喚・使役体としての種類である。混触培養龍(ホムンクルスドラゴン)は超位種の混沌死疫龍(ネクロドラゴン)の使役種族に当たり、混沌死疫龍(ネクロドラゴン)のスキルにより作成された人工的な種族である。フォールン大森林では自然交配によって増殖している特殊形態である。だが、混沌死疫龍(ネクロドラゴン)による支配から逃れたわけではない。
毒はない。龍種族は基本的に美味とされる。
「リミドさん…。」
嫌な予感はしたのだ。イミナが先ほど躊躇なく気味の悪い龍の死体に手を突っ込んだことをうけてまさかとは思っていただ。イミナは親から捨てられた子だ。魔法を使えなくなるという呪いをかけられた哀れな少女だ、そんな少女がボロボロの服で、魔物から追い回されていたら当然と言えば当然だ。
「食べましょう!これ!」
おなかが減っているのだ。イミナは今極限状態にあるのだろう。食べられるものならば何でも食べてやる、そういう状態だ。本当におなかの減っている奴はそういうことを考えるのだ。俺の前世の友人も腹が減ったといって剥いたリンゴの皮をむしゃぶりついていた。いや、それとは違うか。思い出したくもないどうでもいい記憶だ。
「まぁ待てその前にもっと大事なことだ。」
イミナよ、お前はさっきまで服をすごく欲しがっていたではないか。食慾に負けるなよ、羞恥心を大事にしようよ。そんなに俺をにらみつけるなよ、お兄さんはそんな趣味ないぞ。
ごほん、とにかく。俺はステータスを開き自由補助粘体(アシストカスタム)のポイント数を確認する。
自由補助粘体(アシストカスタム)
所持ポイント:1440
特殊条件判明:魔物喰ライ
魔物を喰らうことでポイントを入手できる。ただし、守護者の口による摂取のみでエネルギーに変換はされない。その魔物の強さによって入手できるポイント数は増加する。摂取した量に比例するが部位によっては変動する。
「レベルごとに100上がるんだから、40の追加ポイントが入ってるってことだな!やったじゃねぇかイミナ!」
「逆算すれば9レベル上がったってことですね!やったー!じゃあ早速。」
早速補助形態(形状:服)を取得するか。
「このドラゴンたべちゃいましょー!!」
「そうじゃないでしょおおぉぉぉぉ!!」
俺はイミナの頭をスパンッとはたき突っ込む。そうまさに今一人の可愛らしい少女の食慾が羞恥心を上回ってしまったのだ。ダメだ…女の子がこんなんじゃあ…。
「イミナ、この木の棒をこの板にぶっさしてくれ。」
俺は今火を起こそうとしている。火を起こすには摩擦熱を利用してざっくりとやってしまえばいい。しかしイミナにはそんな力はない。と、いうことは?
「イミナ、俺を装備しろ。」
「はい、補助形態…なんか補助形態って言いづらいですね。ガントレット!」
俺はイミナの手に装着する。
「まぁ呼びやすい形でいいと思うが…じゃあこの木の棒を…こう、ぎゅるぎゅるっと回して。」
「わかりました。ぎゅるぎゅる。」
少女が可愛らしく木の棒をコロコロと回す。
「はいっといただきました!おらあああああぁぁ!」
そして超高速で俺が補助を入れる。イミナの体に負担がかからない程度に高速で回す。あっという間に火がついた。
「ふぅ、これでいっちょ上がりだ。」
「わー!さっさとお肉焼いちゃいましょう!」
「うーっ!おいしそう!」
俺は焼きかけの肉に下品によだれを垂らしている少女の手をパシッとはたく。
「イミナよ、私が心臓になったからにはお前には可愛らしい普通―の少女に育ってほしいのだよ。だからな?きちんとマナーは守れ!いくら危機的状況だからといっても!よだれは出さない!上品に!」
「いっただっきまーす!あむっ。うまーーーー!!!」
あぁ…俺の中の少女像が壊れていく。あの美しい白髪の可愛らしい顔の少女はどこへ行ってしまったんだ…。
まぁ、腹が満たされれば普通の少女のように戻ってくれることを願おう。
「私…ほぼすっぽんぽんの状態でご飯にがっついてました?」
俺はうなずく。
「私…よだれ出して下品でした?」
俺はうなずく。
「私、可愛げなかったですか!?」
俺は泣きながら激しくうなずく。
「さっさと服のスキルをとってください!!!」
よかった、イミナは腹が満たされれば普通の可愛らしい少女だ。
『補助形態(補正:服)を手に入れました。』
黒いリボンセーターに可愛らしいスカート。なかなかいいファッションセンスなんじゃないか?このスキルの効果は服としての機能形態に変えられるということだ。フィット感、肌触り、装飾などが凝れるようになったということだ。どういう服にしようか迷ったが、こんなもんでどうだろうか。
「可愛いですね、これ!でもリミドさん、たまには他の服にもしてくださいね。」
課題が一つできた。服を研究しろと、しかも女物を。ぐぅ…。
しかし…
「ところで…リミドさん。」
「あぁ、俺も言おうとしたところだ。」
「「下着も俺(リミドさん)になってる…。」」
どうも皆さんこんにちわ!少女の下着に転生した変態…じゃないよ!少女の心臓に生まれ変わってすごいぐにょぐにょ動くからたまたま!たまたま服に変化したら下着にもなっただけだよ!
どう弁解してもなかなかの変態である。
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