45 イミナの学園生活3
一つ目の講義が終わり、俺たちは二つ目の講義を受けるために俺たちは移動しようとする。次の講義は魔術師テノによる実演講義だそうだ。イミナは席をたち教室を出ようとする。すると、俺たちに声をかけてきた女の生徒がいた。黒い髪をして眼鏡をかけた女だ。
「初めまして、もしかして次テノ先生の講義受けに行く?」
「は、はい。」
「じゃあ一緒に行きましょう、私も受けに行くの。初めまして、私アイン級のロイ=フランターっていうの。あなたは?」
「えっと、イミナっていいます。」
「そちらのお嬢さんは?」
「誰がお嬢さんだ。いったろ、我は教師権限を持っているのだ、もっと敬うのだ。」
鼻をほじりながらいうな。うざすぎる。
「あぁすいません、お名前をお聞かせいただけませんか?」
「リヴァイアサン、トゥルガー=リヴァイアサンというのだ。」
「へぇ、海龍帝王の名を冠しているんですね。素敵な家名です。」
「いやまぁ本人なのだがな。」
「へ?」
俺らはロイと一緒に次の講義を受けにその講義が行われる場所まで向かう。
「へ、へぇ…。学園長の推薦で一時的に編入…す、すごい大物だったのね。」
「い、いえいえ!私なんかトゥルガーさんのおかげで入れただけです。」
「おぬしが我の魔力を受け入れられたのはもともと魔力量が多かったからなのだ、そこまで謙遜することもない。おぬしの努力の成果だ。」
「それにその髪にその名前、もしかして記事にのってたBランク冒険者ってイミナちゃんのこと?悪魔帝を1人で倒したっていう?あの悪魔使い?」
「はい、白の悪魔って呼ばれています。」
俺らはどうやら有名人らしい。俺らもその記事とやらを呼んだが、やたらと目立っていた。画像を載せる技術はないそうで文面だけだったため俺らの顔を見てもその冒険者だということはばれにくいが、さすがに特徴を抑えられると気づかれやすい。
「えぇすごいすごい、じゃあ悪魔を従えてるってことだよね?見せて見せて!」
ロイは立ち止まり、手を合わせてイミナに懇願する。
「い、いえ。ここじゃ目立ちますし。」
むやみやたらと俺が外に出るのは目立つからやめることにしている。大勢の生徒が行きかう廊下で俺が出てはちょっとした騒ぎになるだろう。いや、魔法学園の頂点に位置するオクタグラムなら悪魔の従魔ぐらい割と普通なんじゃ?とか思ったが学園長いわくそんなことはなかった。
「おい邪魔だ。」
金髪ショートカットの男が後ろから声をかけてくる。イミナとロイは急いでどく。
「あ、すみません!」
イミナもそれに合わせて頭を合わせる。
「ん?なんか強い魔力の反応が…。気のせいか?」
その男はリヴァイアサンのことをじっと見つめる。しかし、しばらくすると男は再び歩き出した。袖にはアイン級の模様がついていた。
「あ、あのロイさん、今の方はどなたなんでしょう?」
「あれはアイン級序列2位のフェイ=ルマンドノート。年に何回か行われるテストで序列ってのが決まるんだけど、彼はその中で2位。つまり、この学園で二番目に賢く強いってわけよ。序列って結構厄介でね。これによって生徒の順位が決まっちゃうからそれで上位の序列の人が下位をイジめる、なんてのはよくあることなのよ。」
「に、2位の人ですか…。す、すごいです。エリート揃いのオクタグラムの次席なんて…、あ、あこがれます。ち、ちなみにロイさんは序列いくつなんですか?」
「んー?恥ずかしいから秘密よ。」
「でもロイさんもアイン級にいるってことはすごい実力の持ち主なんでしょうね。はぁ…ここの人たちは皆さんすごいです。」
イミナは目を輝かせている。イミナはここに来てから少し変である。いつもはもう少しおとなしい子なのだが、どうやらずっと興奮した様子である。いやまぁそれも仕方がない、魔術師を目指すものにとってオクタグラムは登竜門。そのオクタグラムの講義を受けられるうえに、一時的とはいえそのトップのランクであるアイン級に編入しているのだ。こ、このままこの学園にいるとか言わないよな?もともとは魔術師が夢と言っていたが今は冒険者として高見を目指してみたいと言っていたから魔法不可の呪いが解呪できたらこの学園をやめるとは思うのだが…。も、もしイミナが魔法を使えるようになって、冒険者をやめてこの学園に残ると言ったら俺の存在意義は何だろう。イミナの夢を邪魔はしたくないし、そりゃ応援もするがイミナが自分で自分の身を守れるようになったり、自分で自分の心臓を修復することができるようになったらどうだろう。俺は用なしになってしまうのだろうか?
う、うーん。複雑な気持ちである。そんなことを考えているとどうやらイミナとロイは次の講義の場所に到着したようだ。場所は屋外。的がならんでおり、魔法の実技上らしい。イミナは魔法が使えないためあくまで見学のみだが…こういうときはたいてい何かトラブルが起きるものだ。あの序列2位の金髪も同じ講義を受けるようだ。何事もトラブルが起きませんように…。
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