56 魔族襲撃2
リヴァイアサンから発せられる衝撃波で魔法封じの結界が壊れていく。
「おいウルー!てめぇはさっさとマルエを殺せ!俺様はリヴァイアサンの相手をする。」
「ほう?我を「相手」にするだと?」
瞬時にリヴァイアサンはシャルヴァンの目の前まで移動し、シャルヴァンの顔面を手でつかんで地面にたたきつける。
「調子に乗るなよ、魔族。」
「どっちがだよ神様気取りか?」
顔を掴んだリヴァイアサンの腕をシャルヴァンはつかみ、そのままリヴァイアサンを後ろに投げる。
「オラァ、かかって来いよ海龍帝王?世界最強だがなんだが知らねぇがそんなんぶち壊してやる。」
「ほう?」
リヴァイアサンはシャルヴァンの背後から強烈な水魔法を近距離でぶつける。
『永久獄流球(エタニティスフィア)』
凄まじい激流がシャルヴァンを包み込む。刃物のように鋭利となった激流がシャルヴァンを襲う。しかし、それでやられる魔王軍四天王でもない。
『爆裂(エクスプロード)!!』
凄まじい爆発、リヴァイアサンの放った魔法は打ち消されてしまう。
『爆裂拳(エクスフィスト)!!』
爆破の魔力を込めた拳。その拳を受けたリヴァイアサンは、強い衝撃を受ける。しかし、退かない。激しい攻防が繰り広げられる…。
それを背に、俺たちはウルーと対峙していた。
いくつもの魔方陣がウルーの周囲に現れ、そこから様々な属性の魔法が放たれる。
「私の固有能力は『魔方陣作成』、あらゆる魔方陣を作成することができる。つまり、実質的にどんな魔法でも使うことが可能というわけです。」
リヴァイアサンに回復魔法をかけてもらったおかげで、イミナは素早く動くことができる。ウルーの魔方陣から放たれる魔法を華麗にかわし、かわし切れないものは俺が防御している。
「いつまでよけ続けられますか?」
様々な属性、様々な形。
すべてがばらばらの攻撃、なんともいやらしい。
しかし、こういう奴の対処法はわかっている。
こうして魔法ばかりで戦うということは、本体があまり強くないということ。
ならば…近距離で攻めるしかない!
「イミナ!」
「はい!」
『転翔!』
凄まじい速度でウルーのもとまで近づき、殴る。
ウルーは魔方陣を作成し、その魔方陣で俺らの攻撃を防ぐ。
「はい、一発。」
近距離の爆発。イミナは少しダメージを負う。
それでもイミナは攻撃の手を止めない。
「リミドさん!」
俺の大きな手でウルーを掴む。
「なっ!」
そのまま勢いよくイミナは回転し、力を込めてウルーを地面にたたきつける。
ウルーの魔方陣による攻撃を受けてもイミナが攻撃を継続するとは思っていなかったらしく、ウルーは驚いた表情をしていた。
「ぐはっ…。普通退くでしょう!二発目!」
ウルーは攻撃を続ける。
しかし、イミナは止まらない。
「おりゃあああぁぁ!!!」
イミナの拳がウルーの顔面に飛ぶ。
すると、シャルヴァンが勢いよく飛んできて、俺らを吹き飛ばす。
「おい、起きろウルー!!」
シャルヴァンは片腕がなくなっていた。どうやらリヴァイアサンがシャルヴァンを負かしたようである。
「転移だ!急げ!」
「…っつ!白の悪魔、この屈辱は必ず晴らさせてもらいますよ。」
そういって、シャルヴァンとウルーは消えてしまった。
「イミナアアァァァァ!!!!」
リヴァイアサンが勢いよく飛んできて、イミナの顔に張り付く。
「よしよし、大丈夫だったか?痛くなかったか?」
「は、はい…。ちょっと苦しい。」
「くそ、あの魔族逃げやがった。次あったら確実に殺してやる。」
そこでイミナは、はっと何かを思い出したような表情をする。
「トゥルガーさん、それより!外が心配です!」
魔王軍がオクタグラムに攻めてきた。そう、俺らがシャルヴァンとウルーを相手にしていた時、外はどんな様子だったのだろうか。
そこには血だらけのフェイが立っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます