3 魔流性仮部位欠損補給型粘体
とある男の視点
気色の悪い龍を倒すと、この黒い姿は自動的に解除された。
…。なんか、すっごい疲れた。
俺はこの少女を器として転生した、そう思っていたのだがあの時点ではまだ少女が生きていたからなのか、どうやら俺は破壊された少女の心臓を器として転生してしまったらしい。
なんとか体(?)を動かして俺は少女の心臓部分へと戻る。
そして少女の足を伝ってその体を具現化させる。
今自分がどういう状態かはわからないが、俺は少女を見ることができた。
美しい白い髪。しかし顔も体もボロボロだ。
俺が死にかけの心臓を器としなければ今頃死んでいただろう。
…そう、俺はこの少女自体に憑依したわけではない。なので人の形になれるわけでもない。
この少女の心臓として俺はこの世界に生まれ変わったのだ。
どうしたものか、俺はこの少女の体の一部としてこの少女を守る義務があると思う。
というかそう決めた。この少女の心臓として、この子の一部として。
実は心臓部分に戻るとき胸が見えたけど気にしない。
気にしないったら!もとは男でも、今はただの内臓だ。
さてと、今の俺はどうなってるんだ?
名前:なし ("%&($#%)
種族:#魔流性仮部位欠損補給型粘体_リミッドパーツ(新種族:オリジナル)
レベル:13
状態:部位欠損、弱体化、意識不明
称号:運命に託されたもの
スキル
・落下体制
自由補助粘体_アシストカスタム
:《極装_ガイルドベント》
・脈動
なんかよくわからんが、さっきよりは存在としてはまともな感じにはなったと思う。
もっとカオスな感じにはなったが。
きっと俺はこの子の心臓として生まれ変わったことには変わりはないと思う。
この状態はきっとこの少女のものだ。
連動している部分もあるのだろう。
スキル《脈動》は心臓としての役割なんだろうな。
さてと…まず見たいのはさっき無意識に使ったスキルだ。
説明ボタン、説明ボタンは…
説明ボタンがない!
普通は解説キャラクターとかいるものなんじゃないか。
じゃあ後は手探りか。
《自由補助粘体_アシストカスタム》!
俺は頭の中で念じた。すると目の前にステータスプレートと同じように何かが表示された。
自由補助粘体_アシストカスタム
所持ポイント:1200
[所得可能スキル]
再生:400
ステータス補正:400
暗視:300
・・・
[所得可能形態]
補助形態(補正:体):100
補助形態(自由伸縮※効果なし):200
補助形態(補正:鎧):800
補助形態(補正:浮遊):2000
・・・
攻撃形態(補正:剣):300
攻撃形態(補正:弓):300
・・・
うわぁなんかいっぱい出てきた。これはスキルを所得できるってことなのか?
まずはこの少女を何とかしないといけないよな…。
『再生を取得』
するとみるみる内にこの子の顔の傷が引いていく。
ほっ。これで一安心だ。傷がなくなったこの子の顔は本当に可愛らしいものだった。しかし、恐怖がまだ残っているのか苦しそうな顔をしている。
『補助形態(自由伸縮※効果なし)を取得』
これはきっとさっき使ったような《極装(ガイルドベント)》のような感じだとは思う。心臓としてではなく、この子の補助ができるようになるのではないか?形態と言っているので変形するのだとは思うが
俺はこのスキルを取得し、この子を覆う形で体を伸ばした。しっかりと空気が入るようにはしてある。魔物が来ないように警戒したって俺にさっきのように魔物を討伐できるとは限らないし、少なからずあの技はこの子の体力を削る行為だということも何となくわかっていた。それならば隠してしまえばいい。俺は夜明けまで待つことにした。夜が明けたらこの子に状況を話、とりあえず人がいるとこまで移動しよう。
そうだな…そうしよう…。。
俺はこの子を守ることに決めたのだ。第二の人生、意外と楽しいかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます