第25話 再会!!!

「景谷…

 水壁くんの場所を教えなさい。」


 「知らない…。」


 「知らないって何よ。

  あんたが、水壁君と行動してたの

  私、知ってるの。

  隠そうってしたって

  無駄。

  はい。はやく教えなさい。」


そう、睨みをきかして

俺に迫ってくる彼女は

里島結女。

クラス委員長であり、

金髪ツインテールで気が強く

貝坂といつも一緒にいる女の子だ。


俺の嫌われ度は、貝坂と共にいると

なれば、言わずとも察しはつくはずだ。


今もなお、不快な目でこちらを

見てきていている。


さらに、水壁の場所を教えなさい。

と、命令口調。


生憎だけど…俺は、

水壁の居場所はガチで知らん。


だって、あいつ逃げたじゃん。

俺を置き去りにして…。


 「景谷。

  黙り込まないで、はやく

  教えてくれない?」


 「…………………。」


 「はぁ。あんたさ。

  最近、ちょっと調子乗ってるわよね。

  一発、くらわそうか?

  一部の女子から、チヤホヤされる

  ようになったからと言って、

  貴方の地位は何にも変わらない。

  現に、今もぼっち飯でしょ?

  ふふっ。」


そう言い、ケラケラ笑う彼女。

それに対し、俺は……………


「って、ちょっと。

 待ちなさいよ…。

 に、逃げんじゃないわよ!」

  

    タタタタタタタタタ


そう。俺は

早歩きで、彼女に背中を向け

洋服店を出たのだ。


後ろを振り返って見ると

彼女は

無言で、こちらに着々と向かってきていた。

彼女にも、ちゃんとモラルはあるらしく、

店内で、走ったりといったことはなかった。


俺と同じく早歩きで

接近してきてくる彼女を

確認すると、

3階から二階へ、二階から一階へ

一階の店内から、店外へ…と。


俺は、彼女を振り切るため

スピードを若干上げて外にでた。


まいたか?そう思って

後ろを見ると、

ちょうど、彼女が

自動ドアから出る姿が見えた。


     げっ。

今すぐにでも走って……。


と思ったが、時すでに遅し…。

ばっちし、彼女と目が合ってしまった。


すると、

指をこちらにビシッと指し、

俺の姿を確認すると共に

彼女は、全力疾走で

こちらの方に走ってきた。


おい……まじか。

店外に出た瞬間これかよ。


俺は、里島結女から

なんとしてでも

逃れるため、、

彼女から視線をそらし

目もくれずに

全力疾走した。


息切れしてきて、

はぁはぁ。

もう、追いかけてきてないだろう…。


そう思い、後ろを恐る恐る確認してみると

彼女の姿はそこにはなかった。


まけれた…みたいだな。

ホッと胸を撫で下ろし、

俺はゆっくりとした歩調で

自宅へと向かった。


自宅への帰り道に、

水壁に、もらった紙について

頭にもう一回ぶち込んどくか…。


そう思って、俺はポケットの中に

手を突っ込んで、紙を取り出そうとした。


が、しかし___________


ない。ない。あれ?嘘だろ……。

まさか、走ってる途中にでも落とした…か?


俺は、完全に買い物リストが書かれた紙を

なくしてしまっていた。。


クソっ。

苦虫をすりつぶした様に

俺の顔は、険しくなる。


けど、やむを得まい。


俺は

元きた道を辿り、紙探しをする事にした。


店内で落としてる可能性も0とは

言い切れないしな。


はぁ。。。


大きなため息をつき、

今きた道を逆戻りして

俺は、テクテクと歩いていった。


♦︎♢♦︎


2、3分歩いたところだろうか。

歩道橋の上で、ガラの悪い男と誰かが

話をしてるのが見えた。

おそるおそる近づいてみると

俺は、気分がだだ下がりする。


うわ………最悪だ……と。


俺が、そう思ったのには訳があった。

ガラの悪い男と話をしてた子……。


それは、俺を追いかけてきていた女子

里島結女だったからだ。


「嬢ちゃん。

 一人なんだろ?

 俺と遊びにいこーぜ。

 なぁ。金なら俺が全部だすからさぁ。」


「や、やめてください。

 しつこすぎます。

 いいから、そこをどいてください。

ナンパするなら、紳士であるべきです。」


よく分からん持論を唱えた彼女の声が聞こえてきたが、水壁のことをそれはいってんのか??


まぁ、でも気が強い彼女なら

この場は、一人でどうにか……。


そう思って、その場をこっそりと

抜け出そうとした瞬間。。


「紳士ぃー?

 こんな感じか?」


「きゃっ。

 やめてください。

 け、警察呼びますよ?」


そんな声が聞こえてきたので

俺は思わず振り返る。。


すると、彼女が

ガラの悪い

大男に腕を握られている姿が確認できた。


これは、警察に言った方が………。

俺もそう思いスマホを手に取ろうとしたが

どこか、大男に違和感を感じた。


あの横顔…。

どこかで…。


「け、警察??

 いーや、関係ない。

 もう後にはひけねぇ。

 無理やりにでも………」


「きゃっ。

 や、やめな……さい。

 み、水壁君、助けて……」


       トントン


「あぁ?誰だ?てめぇ?

 ヒーロー気取りの奴………って」


 「え、か、景谷??

  あんた、どうしてここに…。」


勝手に体が動いてしまった訳だが、

今回は、

どうにかなりそうだ……。


だって__________


大男…チンピラでガラの悪い男の顔

めっちゃ引きつっているんだから。


「う、嘘だろ……。

 おま、おま、お前…。

 あん時の。。」


はは。また会う事になるなんてな…。

まだ、飽き足らずに

ナンパを繰り返していたのか。

あんたは。


神室美沙の件があったにも関わらずな。


♦︎♢♦︎


顔がバリバリ引きつっている大男に対して

俺こと景谷守は、

ゴーケン先生のとこまで、

どれくらい時間がかかるかの計算を

していた。



体力………持つ???


と、自己に問いかけながら……。



















 


  


















  

  

  


 








 



  

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