第22話 遅刻のペナルティ!

  「えっ?景谷とみ、水壁!!!!!」


  「おいおい…

水壁、景谷と遅刻してくるとか

   ついてなさすぎるな。」


     ザワザワザサワ


   ・     ・     ・


水壁と俺は、あれから

想定内ではあったが、遅刻した。

朝の朝礼の時間に間に合わず

俺と水壁は今、何故か教卓の前に立たされている。

 担任からの視線そしてクラスメイトからの視線が俺と水壁…異質な二人組に集まる。


 赤城グループの奴らからは、鬼の様な

 形相で睨まれるかと思ったのだが、

 珍しく彼ら全員が勉強をしていて

 視線がこちらに全く向いてなかった。


 藍川、安藤、夏目…三人の女子達だけが、

俺を心配そうな目で見てくれていた気がする。

  

 その他の面子は、言わなくてもわかるだろう…。

 俺に対しての身もふたもない悪口を言う。

 一言で言えばそれだけ。


それから、先生だが

先生からは、凄く威圧的な視線を感じた。

俺はなんてことなかったのだが、

水壁は、冷や汗をかいていて

顔色が悪くなっている様に思えた。


「水壁の奴。

 先生からの威圧で、顔真っ青じゃん。

 可哀想…。

 景谷だけ怒られてりゃいいのに。」


ボソッと呟いたつもりだったろうが、

俺の耳にはばっちしその声が届いていた。


貝坂…。。

お前は相変わらずだよな。


貝坂美幸。まぁ、赤城の女バージョンと言えばわかりやすいだろう。

 俺の悪口、非難を言う女子代表。

このクラスの女王と言えば、

彼女があてはまるだろう。


いつも強気で物怖じせず、、

思ったことを包み隠さずズバッと言う

少し難ありの性格の持ち主。


この鬼担任に対しても俺と肩を並べるくらいに物怖じしない。


 そんな彼女を慕う者も多く、友達というか

仲間というか、そういった者達は結構いるっぽい。


そのせいもあって、俺のこのクラスの嫌われ度が増したのかもしれない。


 「おい!ガキども。

  お前らも騒がしくする様なら

  こいつら同様にこの前立つか?」


俺の非難の声を聞いた担任が声を荒げ、

皆を一瞥し、チッと舌打ちをしてそう言った。


    「「「はい。。。」」」


男子生徒の何人かが弱々しい返事を

したのが聞こえた。

そこからの

皆の豹変様はいつ見ても不思議なもので

一気に教室が静まりかえる。


水壁は、喉をゴクリと何度も鳴らし

固唾を飲んでいた。


たかだか、遅刻一回なんだから

そこまで過剰に反応しなくても…。

そんな、重い処罰なんてのは

ないはず。


現に今、教卓の前に立たされているのが

罰…という解釈で間違いないだろう。

何をそんなに、ビビる必要が??


疑問に思った直後に睨みをきかした

担任から声がかかる。


「おい!景谷、水壁!!!

 いいか?

 お前らは、このクラスで初めての

 遅刻者となった。

 だから、、、お前らには、それなりの

 罰を受けてもらう!!」


 どうやら、

  「えっ?これが罰じゃないの??」

と思ってた俺の考えが甘かったらしい。


それが、分かると何故か俺まで水壁同様

冷や汗が湧き出てきた。


この鬼担任の事だ。。

何をされるかわからない。。


周りを見れば、皆が緊張感を漂わせていて

ゴクリとほぼ全員が喉を鳴らしていた。


一体、どんな罰が????


沈黙から数秒の後、担任が口を開いた。



「今日から

 中間考査までの間

 全授業、お前ら二人のみを当てる事にする。

 ククッ。

 ちなみに、当てられた問題を間違えでも

 したら、さらにペナルティを与える。

 死ぬ気で予習する事だ。」


なんだ…そんな事か……ってええええええ。。

お、おい。せ、先生?考え直そう。。

そこは……

全授業当てられ続けるってそれ……。


俺と水壁。

思い当たった事が同じだったのか、

担任の方へ同時に視線がうつった。


慌てふためく、俺たちが面白かったのか


「クククッ。

 いい顔をする。ふたりとも。

 水壁、お前は小テスト悪いんだから

 その分も兼ねて…だ!!

 それから、景谷!!!

 お前も…だ。例の件忘れてないだろぅ?」


と、悪魔みたいにケラケラ笑いそう言い放った。



思い出したくもないあの紙の事について

思い出させられ俺は険しい表情になる。


水壁の方をチラッと見ると口パクを何度も

真っ青な顔でしていた。


(終わった…)


そう何度も繰り返して口パクをしていた。

けどな、

それは、、俺もだよ。。水壁。


 俺はこの状況でもペンを走らせている

赤城に目を向け、


お前がこのペナルティ受けろよ…。


そう心の中で思うのだった。



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いつも、皆さん応援の方ありがとうございます🙌


「陰キャぼっちな俺の日常が壊れていく件について」の投稿頻度ですが

リアルでの生活が少し忙しくなってきたので

落ちます。。申し訳ないです。


しかし、その分面白い物を届けられたらな

と思っております。


そういうことですので、

これからも応援の方よろしくお願いします










 







  

  






 

 

  

 



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