第11話 陰キャぼっちな学校生活が終わる(改稿)
「あのー! 本当にありがとうございました!
私は、職員室の方へ行かなければならないので、ここまでで大丈夫です!! また、お会いできるといいですね!」
「うん……。じゃあ」
転入生と名乗る登校中にぶつかった女の子と共に学校へと走り、到着した訳だが、少し速く走りすぎてしまっただろうか。まだ、時間にはかなりの余裕があった。
少女と別れ、俺はテクテクと階段をのぼる。
3階に到着するとやけに、廊下が騒がしかった……。
なんだ? この騒ぎ様は……。
そう思いつつも、足を教室へと運ぶ。
すると、この騒がしさは俺のクラスからのものだった。
普段以上の騒ぎようだな……。
まぁ、騒がしくしてくれた方が、降りそそいでくる悪口も聞かないで済む。
ゆっくりと扉を開け、自分の席に近づくと
俺は自然と顔が引きつってしまった。
何故だ………。何故、俺の席に人が集中して
いる……。
ゴクリと固唾を飲み、俺は勇気を振り絞り
自席へ足を運ぶ……。すると、何人かがこちらに気づき
「景谷ー!! てっめぇ!!!!!
安藤の弱みでも握りやがったなぁ!!」
「玲………。ほんとにどうしちゃったのよ。景谷!! あんた、説明しなさい!!」
「「「「どうなってんだよぉ!!!」」」」
などなど。
俺に対しての言及が止まらなかった。
はぁ? アンダーさん? 知らんがな……。
意味が分からなかったので、とりあえず
俺は荷物を机におこうと、陽キャ達からの声を無視した。
椅子に座りてぇ……。
そう思い、自席につこうとすると、そこにはすでに、赤髪ポニーテールの少女が座っていた。
いや、そこ俺の席なんですが。
アンダーさんは、俺の顔を見るや否や
「遅いよー!!! 守君!!! ずっと待ってたんだから!!」
と爆弾発言をしてきた。
「「守君だぁ????」」
赤城、柊……。顔怖すぎんだろ、俺を睨むな。
けど、さっきから女子からの視線も痛いぞ………。
汚物を見ているかの様な視線だ……。
あれ、まじでゴミを見てる目だぞ……。
しかも、アンダーさん。さっきから、質問攻めされてるが……全部無視してやがる。
俺の事しか見てない……。
なぁ、お前は鋼のメンタルでも持っているのか……。
君が女子や男子の事無視するたびに、俺を睨んでくる目が悪化するのわかってる?
睨んでない奴と言えば藍川真美だけだぞ。何故か、彼女はクスクス笑っている……。
どこが面白いんだ? どこが????
他人事だと思って!!!
はぁと深めのため息が漏れると——
「話聞かせてもらおうか!!!」
「陰キャのくせに、安藤さんと仲良くなろうなんて、身の程知らずにも程がある」
「昨日……ほんと、玲ちゃんに何したんだ!!お前は!!!!!!」
何もしてねぇよ……。むしろ、こっちが聞きたいわ。アンダーさん、二重人格疑うレベルで豹変している。ニコニコとずっとこちらを見ている……。君ね、この状況でまだそんな顔できんのかよ……。
「何も………してない…」
と、カスッカスの声でしかいえなかった。
なんと、情けない……。
こんなに、人に注目されてたら、声が出なくなっちまう……。やっぱ俺は陰キャだな……。
「はぁ? なんつった?? まぁいいや、とりあえず、体育館裏行くぞ! お前ら、連れて行け!」
赤城がそう言い、赤城グループの一員達は
俺の腕を持って、無理やりにでも連行しようしてきた。
その光景を見たアンダーさんは一言。
すごく、低いトーンで………
「守君に手をだしたら、許さないよ……」
場が凍りついた様に固まった。
笑顔なのに、今はそれが怖くてたまらない。赤城達も、目を見開き、チッと舌打ちをし、
赤壁が
「やめだ…」と言ったことにより、俺は解放された。
まぁ、汚物を見るかの様な視線は消えないが……。さっきの安藤玲の冷たい言葉が場を静かにさせ、誰も声を出せず緊張感が漂う中、
ガラガラガラガラガラ、と勢いよく扉が開かれる。
「えっとーー!! 景谷守君いますかー???
っているじゃん♪」
金髪の小さな少女は、俺の方まで近づいてきた。
何で、、君がこの最悪なタイミングでくんのさ………。
近づいてきた少女は、昨日スーパーで出会い、まぁ関わりを持ってしまった女の子だった。
頼む……。何も、言うな……。これ以上……俺を追い込まないで……。
心の中でそう願うもあっさり、それは砕け散ることになる。
「ねぇ!! 昨日の夜、大丈夫だったの??
いきなり、家の中で倒れちゃったから
びっくりしたんだけど!」
「「「はぁぁぁぁぁぁぁ?????」」」
再びクラスメイト達の言及が始まる。
「誰だよ、この女の子は! 誰か分からんけど、人形さんみたいな子じゃん。それが景谷と……」
「お前……。安藤だけじゃなく、小さな女の子まで……許せん!!!」
やめてくれ………。
もう、教室はカオスになっていた。どんちゃん騒ぎ。もう、うるさくなり過ぎて、誰が何言ってんのか、判断できなくなってしまった。
アンダーさんの方に助けを求めるが彼女は俺へのニコニコスマイルをやめ引きつった笑顔をしていただけだった。
な、なんでっ!?
また藍川真美は吹き出しそうになるのを、堪えつつも笑っている。
どこが面白いんだ……どこが!
「うわっ。うるさくなりすぎでしょ………耳が………。ご、ごめんっ! 景谷君! 私もう教室戻る」
金髪少女は、耳を押さえながら教室をでていった。
男子どもは、俺に手を上げる事ができないからか肉親を殺された復讐をすると決意した子供の様な目を俺にしてきている…
ふざけんな……俺なんにもしてないだろ……。
それにしても、さっきからうるさすぎる。だれか助けてくれ! そう願っているとその場に救世主が現れた。
ガラガラガラガラガラ……バン!
「てめぇら!!!!! うるさすぎんだよぉ!!!!! 景谷,安藤,少女この単語だすの禁止! 特に、景谷と安藤の話題はなしだ!! 文句はねぇよなぁ?????」
「「「「はいぃぃぃぃぃ!!!」」」」
クラスのみんながおどおどとして、、返事をする。ゴーケン先生の次に怖い先生だろう……
あの人は……。でも、先生本当に助かった……。
ありがとう。
口には出せないけれど、心の中で感謝した。
「わかったら、席につけぇ!!!」
みんなが、先生の声にビビりまくり、ロボットの様な動きで足をそれぞれ自分の席へと運び出した。
全員が席につくのを確認すると鬼担任は、話をきりだした。
「今日から、このクラスに転入生がやって来る。女の子だ。仲良くしてやってくれ!」
ん? せ、先生……。
今、転入生がこっちのクラスに来るって言った???
ははは……。冗談でしょ……。まさか……ね。
俺は知らないよ……。誰が来るのか本当に分からないやー(棒)
これ以上、男子そして女子からの俺へのヘイト要素を増やさないでくれ……。これ以上彼らを刺激してしまうと……身に危険が迫るかもしれない……。
なぁ……。陰キャぼっちなただヘラヘラと悪口を言われてた俺の平和な学校生活どこいった??
景谷守は、顔を伏せ現実逃避することしかできないのだった。
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