第29・5話 貝坂美幸①

投稿遅れがちですいません。


今日は貝坂視点です。



♦︎♢♦︎


 景谷と水壁が、

 遅刻した日の放課後。


 つまるところの金曜日の放課後に

 私こと貝坂美幸は友達と一緒に

 最近、転入してきた、夏目さんと

 親睦を深める為、ある喫茶店へと

 来ていた。


 「あれ?そういえば

  今日、結女はどうしたの?」


 「里島の奴がいねぇの珍しいよな。」


 二人のクラスメイトから

 顔を向けられ、声がかかる。


 「結女は、何か用事っていってたわ。

  まぁ、どうせ水壁絡みの事でしょ。」


 「そりゃ違いねぇな!!」


クラスメイトの高石が

パフェを頬張りながら

そう言って私に、爽やか笑顔を

向ける。


私はそれを無視し、

さっきから上の空の

一人の女子生徒へと

視線を向けた。


 「夏目さん。

  貴方…好きな人でもできたの?」

  

私がそう言うと

彼女は

針で背中を通されたかの様に

急激に背筋を伸ばして

あたふたとしはじめる。


これは、黒ね。

確定じゃない……。


「好きな…ひ」


「「好きな人って誰だよ(なのよ)!!」」


私が突っ込む前に

この場にいる二人が同時に

夏目さんに声をかけた。


二人同時に

身を乗り出して、夏目さんを

問い詰める。その光景が

あまりに息ぴったりなものだったから

私はくすっと一人で微笑する。


胸ぐらでも掴みかねない位の

鬼気迫る二人に夏目さんは動揺を

隠せない。


「え、え、えっと、え、

 そ、、そう言えば赤城君達って

 今日、物静かでしたよね。

 何か心境の変化でもあったのでしょう  

 か?」


夏目さんは、冷や汗を滲ませつつも

苦し紛れでそう言った。


そんな…話のそらし方で

ごまかせるわけが…。


 「あっ、そうじゃん。

  そう言えば赤城達って何で

  今日静かだったんだろ。」


 「ええ。確かに…。

  何か、ガラにでもなく

  勉強してたよね。」


えっ、嘘でしょ…あんた達。

確かに、赤城たち、いつになく真面目に

過ごしてて、私も気になってたけど…。


まんまと、違う話題にのせられないでよ…。


私は、まんまと口車に乗せられた

二人に視線を向け、

天を仰ぐ。


それにしても…ね。

夏目さんにも好きな人できちゃった

かぁ……。


私は頬杖をつきながら

ホッと胸を撫で下ろす夏目さんを

ジト目で見つめる。


良いなぁ…皆、恋してて…。


面食いの肉食系女子。

それがまさしく私だ。


学校にイケメンの同級生がいたなら、

片っ端から声をかけ、アプローチしまくる。


私は、それほどまでに男に飢えていた。


ーーーーだけど、ほとんどの男は私に見向きもしない。


理由?そんなの簡単だ。

自分の通う学校には、

別次元の美少女が数人存在するからだ。


私自身、美人だと自負していたが

"井の中の蛙"だった。

上には上がいたのだ。


だから、私は、

全くイケメンに相手にされなかった。


クラスメイトは愚か他のクラスの

イケメン男子も、私以外の美少女に

好意を寄せ続けていた。


はぁ。

ほんとつらい。


夏目さんも相当な美少女だ。

水壁やら赤城やら柊の様なクラスの

イケメン男子を好きになったのだろうか。


後で、こっそり聞いてみよう…。


私は、赤城達の話題でワイワイ賑わう

二人とそれに振り回される夏目さんを

退屈気に見つめそう思った。


♦︎♢♦︎


「夏目さん…。

 少し聞きたいことあるから、いい?」


 「はい。なんでしょう?」


時刻は18時30分頃。

私は、帰り道が同じだったことも

あって夏目さんと今二人きりで帰路を辿っている。


 「あのね。

  どうしても答えたくなかったら

  いいんだけど…

夏目さんって好きな人いるでしょ?

  私にだけ教えてくれない?」


 「え、えぇー…。

  その話題ですかぁ?…。」


夏目さんは

あたりをキョロキョロ見回して

挙動不審な行動をとる。


動揺しすぎでしょ…。


身振り手振りがおかしな

彼女を見ると、

やっぱり、この子は「天然」なんだなと

確信する。


「あ、…あのぉ。

 好きってまでじゃないんですけど、

 気になる人なら…。」


数秒後、

プシューと顔が赤く染め上がった彼女は

震えた声で弱々しくそう言って

両手で顔を覆い隠した。


私は真っ赤に染め上がった彼女の耳を見て

「はぁ」とため息を漏らした。


もう、恋する乙女でしょ……。


「それで、その気になる人ってのは?」


私がそう言うと、

夏目さんは

「誰にも言わないでくださいねぇ」と私の顔を見ずにボソッと前置きをして、

恥ずかしげにこういった。


「か、…景谷くんです」


 「は?????」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 「あとがき」

 

 藍川真美とのデート編が終了次第

 二章に入ります。


 投稿遅れがちですが、

 頑張って執筆します

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