第34話 陰キャぼっちと愉快?な仲間たち
「や、やぁ……か、景谷くんと、里島さん」
頬を引きつらせながら、声をかける水壁。
「ほんと、奇遇だな!!」
里島のことをジロジロ見ながら、テンション高めで言う充。
「「…………………」」
二人の声かけに、黙り込む俺と里島。
いったい、何回俺は修羅場を切り抜ければいいのだろうか。
今、俺と里島は向かい合う様な形で座っており、俺の隣には充……里島の隣には水壁が腰掛けている。
というのも4人用テーブルを利用していた水壁と充が、
唖然と立ち尽くす俺と里島に、余計な機転を利かして、荷物をどかしながら「ここ空いてるから、座って」と言ってきたからだ。
特に断る理由もないので、俺と里島は渋々と言った感じで座った。
まぁ、里島の場合は渋々のレベルではなく、絶望そのものの顔をしていたが………。
「えーーーと、ごめん。これ聞いていいのか分からないんだけど……二人って、そ、その
付き合ってるの??」
黙り込んでいる俺と里島にチラチラと視線を向けながら水壁が聞いてくる。
「ち、違うよ!!!」
「うん……違う」
即座かつ必死に反対の意を唱えた彼女に俺は続けて言った。
「そ、そうか……。デートの邪魔しちゃったのかと思ったよ……ははは」
「お、おう。俺もその辺気にしちゃってたぜ! さっきから、黙ってて空気が重かったからな!」
「すまん………ちょっと動揺してた」
「うん……わ、私も」
気づけば顔色が少し良くなっていた里島。
俺は、彼女に視線を向け、目が合うとぷいっと視線をそらされてしまう……。
うっ……その反応は少し傷つくが、まぁ本調子とは言わないものの少しは気分が良くなってるみたいだからとりあえずは良しとするか………。
俺はそんなことを思いながら、内心でホッと一息つくと水壁からの何とも言えない視線を感じた。
俺の荷物に目を向け、そして俺を見つめ
目を細める水壁。
何か言いたいことがあるのか? とそう思った俺であったが、目が合うと、水壁はふぅと小さく息をつき「呼び止めて悪かったし、二人ともこのポテト食べていいよ!」と俺と里島に柔和で爽やかな笑みを向けた。
変な奴……と思ったが、元から水壁は読めない奴なので気にしても仕方がない。
そこから、俺と里島は遠慮なくポテトを恵んでもらい、他愛もない話をした。
———まぁ、充に関してはセクハラに近い
発言ばっかり里島にしていたが。
♦︎♢♦︎
「ちょっと、トイレ行ってくる」
「僕も行くよ! 景谷くん」
楽しく? まぁ、談笑してから15分経った位。俺は尿意を感じたので席を外そうとすると、水壁も俺の後に続く。
「え? ちょっと……」
「じゃあ、里島さん! 二人が帰ってくるまで二人で話でもしとこーぜ!」
「は……はい」
里島は、セクハラ間際の台詞を吐き続ける充が苦手なのだろう。二人きりの状態がよほど嫌なのか肩を落とすのが目に入る。
ご愁傷様です!!
荷物チェックお願いします!!!
俺は、そう里島にエールを送りトイレへと向かった。
♦︎♢♦︎
「トイレでも……こんなに違うもんなんだな」
男子トイレへと着いた俺と水壁。
俺は、利用している人が偶々居なかったこ
とを良いことに、率直に思ったことを述べ
た。
「景谷くん、何言ってるの??」
水壁から、訝しんだ視線を向けられたが俺がそう思うのも仕方ないだろう。
だって、こんなに大きなデパートに最近まで来たことすらなかったんだから………。
綺麗に磨かれたタイル床に、大きな洗面所。
実質、家で引きこもり生活をしていた俺にとってこのトイレは突っ込まざるを得ないくらいに綺麗に思えた。
「いや、凄く綺麗なトイレだなと」
「凄いねぇ………うーん、良く分からないな。それはそうと景谷くん。少し話があるからトイレ済ました後、僕のあとについてきてくれない??」
「え? あぁ、うん。別に構わないけど」
「よし!!」
何故かガッツポーズを取る水壁。
俺はその様子を見て、思考を巡らす。
話ってのはなんだろうか………。
水壁から俺に………あっ、明日のデートの
ことか。そうに違いない………。
合点がすぐにいった俺は、トイレを済ませてから里島のとこへは戻らず、水壁の後に続いていった。
♦︎♢♦︎
その頃。
「あれ? トイレにしては遅いな。
あいつら、どこまで遠くのトイレに行った
んだ? まぁいいか。里島さん、話の続き
でもしよーぜ!」
(お願いだから、早く、戻ってきてよ………
景谷! それから、水壁君!!)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あとがき
更新遅れてすいません!!
嘘コクの方に力を入れていたため、投稿が
遅くなってしまいました………。
面白く書けてるか、不安ですが………
頑張って執筆します!!
最後に読者の皆様へのお願いです!
応援・フォロー・評価の方お願いします!
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