第34・5話 水壁忠政!!
トイレを済ましてから、2分位歩いただろうか。
俺と景谷は、今シャークスバーズ3階のとある場所にあるソファに腰をかけている。
平然とした振る舞いや言葉遣いを僕……いや俺はしているが、内心ではイライラと動揺が交錯しており、最悪な気分だった。
なんで、景谷と里島さんが共に行動してんだよ………完壁に、誤算だった。
昨日は、景谷との買い物途中に嫌な予感がして、すぐ様家に帰ったんだが……どうやら
間違いだったらしい………。
よりにもよってオシャレに強い里島さんと………ったくはぁ。
これじゃあ、明日のデートは見過ごせねぇじゃないか……。
だから、俺は景谷と2人きりの場を設けたのだが————
「なぁ、さっきからため息ばかり漏らしてるが話って何だよ」
景谷が先程から訝しんだ視線を向けてくる……。
「あぁ、そうだったね。話の内容というのは」
あくまで平然と優等生らしく、俺いや僕は言葉を紡ぐ。
すると、景谷はコクリと頷いて先を促してきた。
「明日の罰ゲームのデートのことなんだけど……あれ、もうデート場所決めちゃった?」
「いや、まだ……決めれてないけど」
「ならさぁ、この遊園地に行って見るのってどうかな……」
「え? いや、これチケット?
流石に受け取る訳には…………」
「いいんだって。こっちが無理やりデートさせる様なもんなんだから。舞台はこちらが用意しないとね」
「え、でも本当にいいのか?」
「いいってことよ。昨日たまたま親から貰ったもんだし」
「なら……」
景谷は、遠慮気味にそして感謝の意を唱えて遊園地チケット2人分を受け取った。
ふっ……。万一の時を考えてチケット用意
しといて良かったぜ………。
ホッと俺は一息ついて、一つ景谷に聞きたいことを聞いてみた。
「今日……買い物行ってたみたいだけど、何か良い服買ったのかい?」
「あぁ、良い服が買えたよ……」
景谷はソファから立ち上がり続けて言った。
「それはそうと、あの二人を待たせてるだろうから、そろそろ戻ろう……。あと、チケットは有難く使わせてもらうから……その、ありがとう」
「チケットは本当に気にしないでいいよ。
そうだね。充達待たせてるかも。
急いで戻ろうか!!」
俺は内心の気持ちを包み隠し、爽やかな笑みを景谷に向けた。
そしてその後、駆け足で俺と景谷は充達のいるファストフード店まで戻っていった。
♦︎♢♦︎
ファストフード店へと駆ける途中。
俺は景谷の背中を見ながら、こんな事を思
っていた。
全く景谷の奴……油断も隙もないな。
まぁいい。デート場所が分かればこっちの
もんなんだよ。
こいつは、最後の切り札だったんだが
使うしかないかぁ………。
俺はある人物に連絡を入れようと心に決めた………。
恨まないでくれよ、景谷。
藍川さんを、君の手から剥がせたらもう
君には、何もしないから………。
そして、赤城の矛先が極力景谷に向かわない様にするという約束も絶対に守るから。
だから、な。
君のハーレム要員になりつつある藍川さんをどんな手を使ってでも……景谷から引き剥がす………。
いいだろ? だって、景谷……君は充分にハーレムしてるんだから………。
ククッ……明日が楽しみだ………。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あとがき
今回は、水壁視点の回でした!!
次回からは、景谷視点に戻ります。
応援・フォロー・評価の方をお願いし
ます!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます