あとがき



 だんだん、あとがきをつけるのが定着してきました。

 と言っても今回は書きおわってすぐではなく、二十九日に書いてるんですが。つまり、完結まで公開する前日ですね。

 今回は、そう。とくに補足したい裏話とかないんですよ……。


 今回は第五部で、だいぶ、龍郎の視点だけでは描くのが難しくなってきたなと。なので、今回は青蘭の視点が二回、アンドロマリウスの回想が一回、あとは一話丸々、フレデリック神父視点があります。


 アンドロマリウスは思いのほかに純情派。神父は今後、青蘭へのアプローチを強めてくるよねっていう前兆でしたね。苦痛の玉のカケラを所有してることもわかりましたし。


 行方不明のカケラは二つ。

 一つは神父が持ってるんですが、もう一つは……こっちは、かなりあとのほうじゃないとわからないです。こういうのは敵が持ってるほうが面白いじゃないですか。ラスボスでは遅すぎるので、中ボスですかね?

 いつかは全部そろいます。


 ちなみに今回、白と黒のなかで、神父が「景色がモノトーンで見える」って言ってますが、これは鬱状態の人の症状の一つなんだそうです。以前、テレビで言ってたので、使ってみました。鬱の人が必ずそうなるわけじゃないけど、なる人もいるらしい。


 ところで、カクヨムではエピソードごとの閲覧数を確認できるんですが、一話のその一で離れる人が三分の一いる。まあ、それは他のユーザーさんも一話で離れる人が多いとは言われるので、いいんです。三分の二残るなら、離脱率は決して悪くはないんで。

 ただ、今回、顕著なのが、ロイコクロリディウムの途中から離れる人がけっこう多いんですよね。ああ、やっぱり気持ち悪すぎたか。カタツムリ( ̄∇ ̄)

 ですよねぇ……。


 ロイコクロリディウムの話は、テレビでまさにロイコクロリディウムのことを話題にしてたときに思いつきました。カタツムリに寄生する虫のことで、最終的にカタツムリを操って自殺させるんです。ゾンビカタツムリとか言われてます。もともとロイコクロリディウムじたいが、かなり不気味なものなので、これは使えると思ったんですが(^_^;)


 あと、涙石はですね。

 龍郎に元カノがいる設定は、第一部のころから考えてたんですが、出すタイミングをずっと狙ってました。どこで入れると一番いいかなぁと。タイミング的に今だと思ったのと、このころに、妄コンのネタとして、ちょっと思いついたストーリーがあって、けっきょくそれは書かなかったんですが、まんま使えるなぁと思い、涙石で利用しました。

 妄コンのテーマは『その日私は出会った』だったかな。

 地元に帰ってきた大学生くらいの男がぐうぜん、街中で元カノと出会う。一日二人ですごして、やっぱり好きだなと実感。「君と出会えて、ほんとによかった。君も、そう思ってくれてた?」「うん。あなたのおかげで、わたし、毎日がとても楽しかった。お別れしたけど、悲しくないよ」「じつは、おれ、今、気になる人がいるんだ。許してくれる?」「もう前を向いて」

 じつは彼女は数年前に死んでいて、彼氏もそれを承知の上で一日をすごしてたわけです。彼女の霊は消え、青年は未来へ向けて歩きだす——

 みたいな、そんなストーリーだったんですが。ホラーではなく、さわやかな青春恋愛物っぽく。

 このシリーズに組みこんだせいで、爽やかさはなくなりましたw


 裏話というか、今まで、M市が特定できるような描写はあんまり書かずにいたんですが、もうだいぶヒントが出たので、黄泉比良坂とか、国の重要文化財指定の城とか、小泉八雲が住んでたとか、いろいろ調べたらモデルになってるのがどこなのかは特定できます。龍郎はけっこう田舎の青年だったw 冬は寒いだろうなぁ。


 さて、次の第六部は純和風ホラーです。サブタイトルは『ろくろ首の轆轤』。ろくろ首のろくろと読みます。

 これ、じつは、第七部のサブタイトルのために、むりやり“ろ”で始まり、“ろ”で終わるのをひねり出したんです。第七部のほうをさきに書き始めてて、そっちを第六部にするつもりだったんですが、あとから、ろくろ首の話を思いついてしまったので、サブタイトルのしりとりつなぎを死守するためにですね。

 ろくろ首の轆轤のなかには、六が三個かくされてるんですよ。666。悪魔の数字ですね。第六部で666。なんか、面白い偶然です。

 サブタイトルがしりとりになってたのも偶然だし、このシリーズには偶然が多くて楽しいです。こういうちょっと幸せな偶然が重なることを、セレンディピティって言うんですよね。


 ではでは、第六部は一月の5〜15日くらいのどこかで公開します。

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宇宙は青蘭の夢をみる5(旧題 八重咲探偵の怪奇譚)『アザトースと賢者の石編』〜海鳴りのディアボロ〜 涼森巳王(東堂薫) @kaoru-todo

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