17さい(と24かげつ)、食べ歩いてリフレッシュです



 愛ちゃんの判断でモニカちゃんの回復魔法は私に使わずに、激痛の中、国立駆除人病院に搬送されました。完全回復のフルケアつかっても骨や内臓、足の筋が完全復活することはないと見込んだっぽい。愛ちゃんの判断はいつも正しい、さすがヒーロー。


 私はもちろん集中治療室に直行。そして即座にオペ手術をすることに。骨を戻したり筋をくっつけたり内臓を補修したり。全身に手を入れたそうです。麻酔でわからんかった。

 麻酔から目覚めたとき地獄の苦しみを味わったわけですがね!

 モニカちゃんは程度問題があれどこれに耐えたわけですから、私も耐えないと。


「ごめんなさい春奈さん、私がもうちょっと早く立ち直れていたら……」


「もごもごもご(大丈夫だよモニカちゃん)」


 酸素吸入でモゴモゴしか言えないんですよねえ……。かなりの重症です。


「もごもごもご(愛ちゃんだけはピンピンしてるよねー)」


「僕はただただ前衛やってるだけだからね」


「もごもご(なぜ言っていることがわかる、解せぬ)」



 ***



 ダンジョンハンターは回復力再生力も成長しているので、二週間ほどでまあ、なんとか。ただ私は当分戦線離脱ですね。リハビリが必要な感じですわ。


 ちょっと我が企業連合ガタガタだなあ……すり減ってないの愛ちゃんだけだ。


「というわけで緊急座談会を……あたた。始めまーす」


「僕は下座していいかな。わからない」


「うん、愛ちゃんは無理だと思う」


「私と春奈さんで決めるしか無いですね」



「うーん、美味しいものでも食べる?」


「あーそれもありですねえ、ここは首都栃木ですし、美味しいもの美味しい店がたくさんありますよ」


「じゃあ美味しいもの食べにいって、ごほっごほっ、大きい声出せないや」


「じゃあ僕が。おいしいものたべにいこーう」


「ぐうかわ」


「天使かな?」



 ***



 というわけで食べ物巡りです。まずはジャンキーなラーメンから。



「ここは角次郎です。豚骨ガッツリニンニクたっぷりなお店ですよ」


「モニカちゃん詳しいねー」


「ま、商売上の関係で。ダンジョンハンターなら大も余裕で食べられます!」


 ということで大を頼みました、食券方式なんだねー。左手のスマホで支払いはするけども。


「あい、大でもダンジョンハンターならよゆうっすね、ニンニク入れますか?」


「3人共ニンニクマシマシカエシ追加野菜マシで」


「よくわからないじゅもんをとなえとる」


「まあ、きっと美味しいよ」


 で、出てきたのがとんでもねーデカさのチャーシューと富士山のように積み上げられている野菜。


「これ、伸びる前に食べられるのかな」


「私が余裕で食べているのですし、余裕ですよ」


 実際10分かからずに食べつくしました。いやーこってりしていてなんかわからん味でした。チャーシューうまかった。はらくちー。


「次は……鯛の出汁で出来ている龍谷でしょうか」


「え、まだいくの?」


「お腹まだまだ空いてません?」


「モニカは凄い大食いなんだよね」


「oh……」


 次はラーメン龍谷。鯛出汁うめええええええええええ!あっさり鯛出汁最高です。


「あぁー締めにこの優しい味は最高だね」


「いえ、締めに大三元ですね、煮干しラーメンです」


「きつい、きついぞこれは」


 大三元ラーメンはあっさり煮干し味で美味しかったみたいです。食いすぎて記憶がない。


 ***


「いやー昨日はすごかった……もう食えんですたい」


「え、今日も食べ歩きツアーですよ?」


「」



 食べた料理は今回は餃子。街のあちこちに餃子屋さんがありますからね。


 めんめんとまさおは外せませんねえ。古くからやっている餃子専門店。


「そしてー、私が作る餃子鍋です!」


「も、もういいよ、餃子は十分食べたよ……」


「いえいえ、メインディッシュを食べてないじゃないですか」


「ぐぬううううう」


「まあでもさ、春奈の傷は早く治ってるよね」


「……そういえばそうかも。過剰な栄養が回復に回ってるのかな?」


「じゃあじゃあ今から3倍の量の鍋に」

「しなくていいです」


 ひーひーいいながら完食。ただ、メッチャクチャ美味しかった。モニカちゃん料理できるんだね。

愛ちゃんはできそうにないし、私は言わずもがな。何が言わずもがなだよ、くそったれー!!得意料理はゆで卵なんだぞ!!!!!


「私夢は男をもらうことですの」


「ほーいいじゃん」


「今の時代男をもらうのか女をもらうのかって固定されてるもんじゃないしねえ」


 ええ、そうなんです。ダンジョン維持のためめちゃくちゃ人員が必要になったので、生物学上の男女差はあれど、実生活における男女の区分けというのはほぼ撤廃されているんですよ。

 そう、強くて稼ぐ女性は「旦那をもらう」のだ。逆もしかり。残念ながら本当に貴重で残したい伝統以外は切り捨てるしかなかったんだよね。そうじゃないと守りたい物事も守れなかった。

ダンジョンはそれだけ脅威だったんだよ。


 餃子鍋の間にサメの肉である『もろ』のフライが出てきて舌鼓をしながら締めのラーメンで気絶。さすがにもうラーメンはいいよう…………



 次の日はユバユーバが食べられる日光の美味しいお店にってゆっくりと湯波を堪能しました。うん、これくらいがいいよモニカちゃん……



 ***



「それで、身体の方は大丈夫なのかな?」


「うん、治ったね。さすがは宇都宮駅東33回、箱根湯本40階まで行った身体だけあるよ」


「魔法はどうなんですの?」


「異次元は使えるよ。大規模魔法はまだ難しいかな。マジカルバレットとか簡単なやつが使えるかな」


「それで十分だね。今回から春奈がバックアップに入って、僕とモニカがツートップを張るから」


「えええええ大丈夫なの?」


「任せてくださいな。リバース系が使えるようになったので逆に私を温存する必要がないのです」


「わかった。ただ後で箱根湯本40回の39回だっけ、空いているスペースで訓練積もうね。武者ごぶ相手に鍔迫り合いで負けちゃとやっぱり厳しいから」


「わかりました!」


 



 というわけでわが企業連合は復活しました!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る