17さい(と24かげつ)、名産物紹回です。おすすめはスカイベリーです。22世紀の味がします。
一夏さんが帰ってこないまま数ヶ月が過ぎてしまいました。こんこんさまと一緒に何をやっているんでしょうか。
「このままじゃ攻略許可が取り消されるかも知れません。36、37階くらいまでは進んでおかないと」
「アー、一夏無しはちょっと厳しいな……」
「一夏さんの代わりに私がバックアップに回ります。6人でやっていくしかないでしょう」
というわけで6人で数階だけ進むことにしました。数階進めば40階だけどね。
この6人の中でモテないのって私だけかー……というか一夏さんもお付き合いしているから、7人でもモテないの私だけだよね。そっかー、一番重要な役目をしているのに一番モテないのかあ……
あ! そうか! 身長低いせいだな! そうに違いない!!
あれ、でも1年で4cm伸びているんだから、36ヶ月で12cm伸びているはず。つまり159cmくらい。一般的な女性に近いんじゃない、これ。測ってみるか……
150しかないじゃんさあああああああああああああ!!
成長期さん速攻お帰り遊ばれたああああああああああ!!
さて。
バックアップにモニカちゃんが回るということなので、今までみたく2PT編成ではなく1PT編成になりました。
前衛 愛ちゃん、太一さん。
中衛 私、達一さん。
中~後衛 茂一さん。
後衛 モニカちゃん。
こんな感じですね。愛ちゃんは、あれで前衛はれますので本当天才。ヒーローオブヒーロー。
太一さんの前衛力は魔人線で大活躍したとおり。
受け流す愛ちゃん、耐え忍ぶ太一さんと言った感じですね。
達一さんの踏み込み一刀で斬れないものはないですね。そして圧倒的な踏み込み力。
私はこの位置で軍刀と魔法の一撃を狙います。魔法は湯治+一夏さんを待った数ヶ月のおかげでほぼ過不足無く使えてますね。私の十八番、空間魔法が戻ってきました。
調べた結果特に問題が出なかった魔人の槍を装備した茂一さんの横槍は結構邪魔です。邪魔をするのが槍の仕事。槍の長さ2mと結構大きいのですが茂一さんなら扱いこなせますね。
そしてバックアップにはモニカちゃん。一撃必殺なリバース系攻撃魔法を狙うのではなくて、相手の裏取りのカットやリバース系防護魔法、戦闘を俯瞰しての各種指示など防御的で司令塔な働きを行ってもらいます。今まで司令塔は茂一さんが行っていたんだよ。
編成を変えたわけで、訓練が必要。遥香ちゃんに頼み込んでちょろっと訓練しました。
さてさて、本番です。36階参りましょう。予想ではオーク系ですが……
「いちご……?」
「いちごだね」
「
「アー、ユバユーバのいちごバージョンみたいだな。でっかいいちごに申し訳程度に黒い棒状の手足がついてる」
イチゴニアンとはいちご人間です。とちおとめが化け物化したような感じ。それ以上でもそれ以下でもない。
「収穫して次に進もっかー。とれたていちごは美味しそうだね!」
ということで少し収穫して37階へ。ここは……
「なしなしなし子じゃん!! 梨のおばけ!!」
「収穫しましょう! 僕梨大好きなんですよ!!」
「37階の梨なら食べたらショック死するほど美味いんじゃなかろうかでござる!」
「フーム、品種はにっこり梨だな。収穫しても数ヶ月は持つぞ」
乱獲して38階に。次はなんだろう。
「げええええええええええええええええええ!! しもつかれおんだああああああああああああ!!!!」
(説明おじさん登場)
説明しよう!しもつかれおんとは文字通りしもつかれがパック包装されたおばけである!!
追加説明しよう!しもつかれとは栃木が生み出したゲロである!! 大根と人参を「鬼おろし」というめっちゃでかい竹製のすりおろし器でおろして大豆をいれ、塩鮭の頭と酒粕を入れて煮込むそんなゲロ料理である!
小学校給食に出て大量に廃棄される悲惨な存在である! あんなの子供に食わせるな! 嫌いな人が増えるだけだ!! 大人だと食べられる人も多いのに!!
(説明おじさん退場)
「食える人おる?」
……………………
「ヨシ、素通りしよう」
ここですっと手を上げたのがモニカちゃん。まさか……
「わ、私食べられるので1つだけ収穫してからでよろしいですか?」
「しもつかれおんを私の異次元空間に持ち込むの!?!?」
「お願い!」
「天使にお願いされちゃうとなーまいったまいった。しょうがない。異次元の中でパック割らないでね、あの独特な匂いで私死んじゃう」
というわけで丁寧に丁寧に収穫してから、次の階へ。39階か……
「なんだろうねえ、次は」
「今の所名産品が出てるね。そろそろ畜産物も出るんじゃないかな」
「ぶひぶひー」
「も、モニカちゃんがそれを言うと必殺の効果があるね(鼻血ドバァ)」
そんな39階は………………
「牛だ。広大な牧草地に多数の牛。えっこれってもしかしなくても」
「ソリャア、39階のとちぎ和牛だろうな。オイ、お金集めてこの階買うぞ。いいか、『39階』の牛だぞ、しかも和牛。資産価値いくらになるんだこれ」
「僕、6階の豚のオークで一人200万手に入った記憶があるよ」
「1頭5億6億は下らないんじゃないかな。買うにしても数千億だよ。ラグビー仲間で出資しようかな……」
「いいこと考えた。私の異次元空間を拡張して、今いる半数くらいの牛を飼育しよう。牧草地と牛舎、自動餌やり機とか、畜産に適している機能が付けられるんだよあれ。大金かけて購入設置しないといけないけどさ。あそこで生んだ子が39階効果を持っているとは思えないけど、今いる半数も飼育してゆっくり捌けば大金持ちだよ」
ゴクリ
「オシ、時を超えし絆は春奈さんの異次元空間に出資するぜ」
「僕もお金だそうかな」
「私も出資します。大規模酪農場を構築しましょう」
などと盛り上がっていると、1頭のジャージー牛が近づいてきて……
「ぶもー」
わたしの横でお座りしました。伏せっていうのかね?触っても大丈夫、全然怖がってません。
「あれ、この子私に懐いてるね」
「春奈のお嫁さんだ」
「そりゃ無いよ愛ちゃん!?!?」
「ジャージー牛乳飲んでみたいですね」
「ちょっとまって、コップ用意するね」
というわけでお牛さんからお乳をいただいて飲みました。
「これは天国に行ける味だわ」
「ちょっと僕も飲む。あ、これは凄い」
「……拙者、牛乳を甘く見ていたでござる」
「ぶもーぶもー」
私の指をなめる牛さん。なめるのは良いけど臭い。しかし可愛いねえ。
「こう懐かれると可愛くなってくるねえ」
「うーん、よし。この子飼おう。僕は牛子って名前がいいな」
「え、かうの」
「牛子」
「え、なまえそれ」
「う・し・こ」
「……自動搾乳機とかもつけておくね」
「やったー」
こうして私の異次元空間は異次元空間の牧場に変貌を遂げたのでした。
改造した後に一度ダンジョンから戻って報告、少しの間一夏ちゃんとこんこんさまを待ってから40階にアタックすることにしました。
怒涛の名産物階だったなあ……。
再出現ごぶりんや魔人は、これを守っていたのかも知れませんね。
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