17さい(と24かげつ)、ついに駅東Dの決戦です
一夏ちゃんが現れないまま秋になろうとしていたので、渋々6人で40階に向かうことになりました。
その40階、予想通りボス部屋でした。ここが宇都宮駅東ダンジョンの頂点ですね。
そうか、40階のボスはこやつか…………妥当ではあるな……
40階のボス、それは……
「餃子像……!」
餃子像、それはテレビとのタイアップで生まれたどうでもいい像のこと。あんなの本当どうでもいいと地元民は思っています。あれ本当餃子かねえ……
材質は宇都宮の名産品である
その餃子像ですが、両手両足、そして顔を餃子の皮から突き破って出しており、ボクシングスタイルでこちらを威嚇しています。
「ぎょぎょぎょ! ぎょおっざああああああああ!! OK牧場!」
「怖いしガッツ岩松かいよ!!」
「みんめんみんは1人前230えん!! まさおたかしは210えん!!! ぎょおっざあああああああああああ!!」
コワイカエリタイ。
「大谷石って非常に脆いし丁寧に攻撃集めればなんとかなるんじゃないかな。いくよっ!」
そう言って、愛ちゃんの牽制突き! 餃子像はダッキングして潜り、踏み込みからのボディブロー! 愛ちゃん避けられず直撃!! 愛ちゃん血を吐いてダウン!
「KO牧場」
へ?
「さ、最強ヒーローの愛ちゃんが真っ先にやられた……」
「春奈さん足を止めないで!愛さんを私のところまで引っ張ってきて!」
「次は拙者の番でござる!!!」
「ラガーマンタックル!」
餃子像は達一の袈裟斬りをパリィ(受け流す)してはたき落とす! そこから一歩踏み込んで左ストレート! 達一は肘でブロック! ガゴン! ひどい音と共に達一が刀を握り落とした! 肘を大谷石で殴られて粉砕された模様!
続けざまにタックルに入った太一を右フックで吹き飛ばす! ドゴ、という鈍い音とともに意識が吹っ飛ぶ太一!
「OK牧場の決闘」
いやまって。
「茂一さんは攻撃をとどまって! 太一さんを回復させないと! 危ない倒れ方をしてる!」
「クソ、攻撃しようにも救出行こうにもステップが凄すぎて前に出られねえ!」
「こんのおおおお! スロー!!」
餃子像は私のスローをレジスト(耐えきって抵抗する、抗う)! 効果が出ない!
「んならぁぁぁぁ!
全員の速度が上昇! これの効果で茂一さんとモニカちゃんがステップをかいくぐって救出に向かった!! よし!!!
私が相対するんかい。
「ぎょおっざあああああああああああ!!!」
餃子像の咆哮!! 私はビビって失禁じょばあ。そして見事に顎を右ストレートで撃ち抜かれる!! 脳みそが完全に揺れて昏倒。
ここで視点が変わります。とあるおっぱい美人に。
40階についたウチは凄惨な光景を目にしたんよ。あの6人がモニカさん以外倒れてたのね。
「こ、これは……」
「ぎょ? ぎょうざ? OK牧場? とちぎのゆうめいじん?」
「あんまりアイドルいないんじゃん……」
「ぎょおっざああああああああ!!」
餃子像の咆哮!おっぱい美人はほぼ同時に
「式神よ! 五芒星!」
「こゃーん!」
目の前に5つの式神を展開させて五芒星を描き、咆哮を封殺!
「くー、結構魔力残量持っていかれた。やるじゃん、でもウチには咆哮効果は効かないよ! そのまま! いけ! |『五芒星の煌き』!!」
五芒星の頂点から光が中心に向かって放たれ、その光がきらめく光となって餃子像に放たれる! 餃子像ステップ回避! しかし左手の一部を輝きに持っていかれた!
「ぎょぎょぎょぎょ!」
「なにそれ、魚太くんじゃあるまいしぃ!!
灼熱、極寒、暴流、暴風、土石流、5つの荒々しい自然が次々と餃子像に放たれる!! 餃子像はあえて踏み込んで回避! その距離1m!
「こんこんちゃん!」
【
「ぎょぎょぎょぎょぎょおっざああああああああ!! ぎょうざぎょうざぎょうざぁ!」
餃子像のパンチラッシュ! おっぱい美人はきつねの式神を次々と生み出し、式神をパンチにぶつけて相殺! ラッシュに対応した!
「この距離、そっちは絶対外さない。でも――」
おっぱい美人は三角形を2つ組み合わせて作った五芒星から、三角形を3つ組み合わせて作った九芒星に切り替えて念じ始める、そして
「――こっちも外さないんよね。これでおしまい、目をかっぽじってよく見るんよ。『情熱の九尾』」
9つの頂点から狐の顔が出現し、中央に集まる。そしてそれは1つの大きな赤狐となって餃子像をまさに口から飲み込む!!
餃子像は噛み砕かれた!
THE・END!!
「――終わりやな。モニカはん大丈夫やったん?」
「え、ええ。その、だいぶイメチェンしたけどその体つきは、もしかしないでも……」
「ええ、ウチは一夏よ。ずっと離れててごめんね。ギリギリだけど間に合ったかな?」
「ええ、本当にギリギリ。回復の手助けしてもらえるかしら」
「うん、わかった」
おずおずと一夏は茂一のところに歩み寄ると……
PANPANPANPANPANPANPANPANPANPANPANPANPANPANPANPANPANPANPANPAN
「アンタ! なに寝てんのさ! だらしないったらありゃしない!!」
「一夏さん! 一夏さん! 茂一さんの顔がパンパンに腫れてます!落ち着いて!」
「アー、一夏か? ここは……?」
「じ・ご・く!サクッと身体調べたけど怪我事態はそう大したことあらへんやろ!ほら、たいっちゃんとかたっちゃんとかをさっさと介抱する!」
「あ、アア」
んー……ここは? 天国? 死んだかな? 誰かに聞いてみよう。まだクラクラするな……
「んー、モニカちゃんがいる。ねえねえ、私生きてる? あ、もしかして死んだ? 死んだ?」
「春奈っち、ウチ帰ってきたで」
「……一夏ちゃん?」
「そやで」
え、ぜんぜん違うんですけど。
明るい小麦肌、結構なロングヘアーだったのに、それをバッサリカットした艶のある黒いショートヘアー。
そして和風な服装。着物ではないし、巫女服でもない。十二単衣系でもない。なんだろ、和風なんだよね。
「餃子像はどうなったのかな」
「ウチがぶっ壊したよ」
「マジで?」
「マジマジのマジよ。モニカはんしか残っとらんかったからね。シゲが不甲斐ないばかりに、ごめんな」
「い、一夏ちゃんが凄いんじゃないかな」
「そんなことないない。こんこんさまの力がなかったらまだ式神を扱いこなせんもん。五芒星までが関の山やね」
「口調からなにから変わってる……よくわかんないけど殻を破れたみたいだね」
「おかげさんでね」
それから、皆を異次元空間に収容して、私をモニカちゃんと一夏ちゃんで搬送して下山。
これで、完全完璧に宇都宮駅東ダンジョンを制覇しました!!
やったあああ!!!!
――ぴんぽんぱんぽーん――
7名全員に特別ボーナス
性能、役割の特化
はるなは時次元の解放
異次元空間の階層効果を駅東40階まで上昇(46億円かかるよ)
きつね神殿を建てたくなる
こやーん
――ぴんぽんぱんぽーん――
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