17さい、宇都宮の歓楽街に練りだします


 5階はゴブリンの軍団、6階は水場で敵がいなく、7階はゴブリン上位種、8階にコボルトがいました。

 ゴブリンとの攻城戦はカットで。範囲を覚えた私に数的不利は早々発生せず、その場合どう頑張ってもゴブリンはゴブリンだからね……


 コボルトはモッフモフの立ってる犬です。モッフモフです。例のごとく鉄製の斧や棍棒を持っています。

 全体的に羊毛のような感じでして、毛が売れるんですよ。羊毛の代用から上級品に近いかな?質は階数によりますね。


 つまり綺麗に殺して皮を剥ぐんですよグスングスンかわいそうに(おかねおかねおかね)

 しかも簡単に剥げるんですよ本当に可愛そうに(マネーマネーマネー)

 鉄製の武具は持ち帰って買い取り屋に売るんですよダンジョン鉱石でできているので高く売れます(ヒャッハー!)


 報告ではオークとなっていたので、調査報告者さんもちょろまかして少々お金を稼いでいたのかもしれませんね。私も私もー!


 ……忘れてた。ここ駆逐して更地にしないといけないんだった。つまりコボルトを駆逐しなければ……ウッウッ(涙)。コボルトちゃーん!



 大体今年の利益が1500万になるくらい稼いで駆逐していただきました☆ありがとうコボルトくん君たちのことは忘れないよ!


 17歳が1500万円ってなんかすごくない?身長は145cmだし。ブレイクしたアイドル並みじゃない?体重は45kgだし。だしだし。50まで増やしたい、いや、お相撲やラグビーの人たちみたいに体重=パワーって部分があるんよ、このお仕事。兎追ってた頃は40kg付近をフラフラしていたからこれでもかなり筋肉増えたんだよ。胸も増えたけど。戦闘する分には邪魔だなーこれ。


 おっと。そう、8階駆逐で依頼達成したので、今は次の依頼待ちなんですよ。待ってる間に……


 行きますかー!宇都宮の歓楽街に!


 豊郷地区から宇都宮中心部まで次世代路面電車で15分って所。交通は本当便利なんですよねえこの宇都宮。いざとならば軍隊が那須政府守りに行くし、宇都宮のダンジョンハンターが巨大商業都市東京のダンジョン攻略の応援に行くときもあるからね。


 さって着いた。まずはお洋服見に行こうかなー。高級ブティックが並ぶ『オリオン通り商店街』に突撃だー!


 よし、ここに入ろうかな。イグニスってお店。


 ふんふんふーん、女の子って小さい人も多いから、肉つきよくなってるとはいえSサイズでも入るなあ、ふんふんふーん


「あらかわいいお客様、お母さんはどこかしら?」


「へ?いませんけれども」


「ごめんなさいね、お金がないとお洋服を買うことはできないのよ」


「はあ……私もう17で、お仕事はダンジョンハンターやってます。駆除許可証ポップアップさせましょうか?」


「あ、あらごめんなさい。ご自由にご覧になってくださいね」


 ……化粧を先に探すべきだった。童顔に無化粧じゃガキに見られる。お化粧品店さーん!


「チークはこんな感じでふわっと。お客様は非常にお綺麗ですのでナチュラルメイクが最適だと思います」


「ぐへへそうですかねでへへ。じゃあ紹介してもらったお化粧品全部買います。40万ちょっと?安い安い」


「この度はご購入ありがとうございました。なにか気になったことがあったらすぐにお知らせくださいね。」


 ふんふふーん、女にとって化粧は武器。いい武器買ったなあ。しんせいどうだっけかしら。覚えておこう。


 このあと洋服を物色。メイクもあってか子供扱いされずに堂々と見定めができました。


 オリオン通り商店街は夢がいっぱい詰まってるね!買ったもの全部部屋に輸送しました。


 さて次は宇都宮駅前で呑みです呑み。15から呑めますので、17である私は余裕で呑めることになりますね。


 呑むところはここ、『ダンジョン居酒屋』。 ダンジョンに関与している人が集まるのと、ダンジョン素材の料理が食べられる居酒屋さんとのことなのでそこに行きました。


 17で居酒屋ってのはちょっとあれかな?オヤジ臭いかな?でもダンジョン飯食べてみたかったし。


 がらがらー


「こんばんはー1名ですけど空いてますか?」


「あいらっしゃーい!未成年かい?」


「17です!!」


「こりゃ失礼、じゃあ空いてる席に座ってくれ。お通しは空中クラゲから採ったぬめぬめ焼きだ!」


「これはいきなりすごいものをたべさせられるな」


 むっしゃむっしゃ


「美味いじゃないですかやだー!!」


「そりゃあうちはダンジョン素材の料理屋だからな、好きな料理を頼んでくれよ!」


「あーい。じゃあこのコボルト肉のステーキを」


「あいよ!どこかでコボルトの大量駆除が行われたらしくてな、かなり安く手に入ったから手頃な値段で出してるんだ」


「な、なるほど。ソレハラッキーデスネ」


「あいおまたせ!お嬢さんは何階まで進んでるんだい?」


「はむ、うめぇ!これもう一皿ください。えーと、8階の攻略……」


 ザワザワしていた空間が固まったぞ……?


「の荷物持ちをしたところですね。でも6階は攻略できます」


「17で既に6階……」


「役所登録型駆除人の6割は5階行かないところの駆除をしているってのに……」


「しかもあの体型で荷物持ちだろ、なんか凄い技が使えるんじゃ……」


「えへへ、私が13の頃に家族が百鬼夜行、えーとスタンピードで死んじゃって、施設出たら駆除やるしかなかったんですよねーあはは」


 嘘だが嘘ではないのさ。施設は講習所の講習が終わるところまでは居させてくれたこと以外は事実だよ。


「そうかそうか。聞き耳立てた奴らで今日のお嬢さんの代金は支払えよ、わかったな?」

 温和だった店員さん(店長かな?)の目がギロッ

「「「ウィッス!!」」」


「さ、さーてお酒呑みますね。えーと……よく考えたら飲んだこと一度もなかったな…… んじゃあこの10階オレンジ使用のスクリュードライバーで!宇都宮といえばカクテルですよね!!」


「あいよー!」


 ドン


「どんな味なんだろう……ゴクッ。めっちゃ爽やかー!鼻に抜ける柑橘の香りがたまらないですねー!」


「まあ10階オレンジを使ってるからな!まあ沢山のみな、どうせ8階まで進んでる人じゃあ相当呑まないと酔いつぶれないからな」


「そうなんですか?次はイチゴカスタムお願いしますー」


「はいはいー!内臓の代謝も成長してるからな、駆除人は人とは思えねえ代謝能力を身に着けてるんだよ。アルコールの代謝なんて余裕のよっちゃんだろうさ」



 というわけで呑みまくり食いまくり。周りの人はお財布の危機で体を震わせることとなりました。

 もちろん全額お支払いいただいたわけじゃないよ、お気持ち程度。



 あー楽しんだー!


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