17さい、豊郷の丘ダンジョンの下準備に入ります。ダンジョン制覇するつもりはありません。
個人運営は諦めることにしました。
だ っ て わ た し そ ん な に つ よ く な い
役所の補助がなくなったら早晩飢えてしまいますよ。もっと深く高い階層、15とか20とかいけるようになったら考えます。もしくは愛ちゃん並の力を手にしたら。
さてとー、多気山脇を攻略しちゃったので補助金が切れました。次行ってみましょう。なにかあるかなー
んー?私宛の依頼が来てますね。なんだろ。ちょっと強くなったし5階の駆除とかかな?
<若月様への派遣依頼。
美味いけど7階しかいってないのになんでこんな依頼出るかなぁ!?キックキック!!拒否の返事だそう!!いきなり高層深層階に突っ込むのは多気山で懲り懲りだよ!!私は17歳のうら若き乙女、なんで死ぬところに行かないといけないのかしらね!?
というわけで拒否の返事出して数日、スマホに電話がかかってまいりまして
「というわけでどうしても豊郷の丘にいってほしいのですが……」
「行くとしても6階駆除までですよ。それ以上は死にます。魔人を撃破して大いに成長したといってもそこらが限界ですよ」
「わかりました……掛け合ってみます」
「掛け合うも何も私は6階より上は行きませんよ!個人運営さんでも呼んでください!」
っかー!役所は私の力をどう捉えてるんでしょうね!?
で、紆余曲折という名の必死の交渉があって、調査済みの8階までの駆除を任されることになりました。補助金はだいたい最初の提示の半額。まあそこまでならいけるかな、と。
とりあえずじゅーんび。豊郷は宇都宮の東なので西の多気山から一気にわーぷ。今回も1LDKの部屋を借りました。
次に装備の点検。魔人が持っていた軍刀ですが、ちょっと大きいけど扱えなくはないので長脇差とチェンジしました。
ダンジョン鉱物でできているためかえらく硬く、研ぐのに東京の研屋さんに預けないといけないくらいでした。お金かかったけどバッチリ。
ちなみに、軍刀というジャンルはお巡りさんや憲兵さん、そして陸軍『モンスター駆除部隊』さんの標準装備です。停戦だったしダンジョンだからね。
バックラーとか防具は無理のない範囲でいいやつに新調。胴体の防護はレザーアーマーから化学繊維のアーマーにアップグレード☆。もうちょっと成長したらアーマーにプレートを差し込む予定。
魔法は風に加えて熱が操れるようになっていました。熱なので空気を汚さずにファイヤーボールが放てます☆。
とびっきりの魔法は
内部はちょっとした四角い空間が存在しておりまして、色々と物なんかを置くことができます。秘密基地みたいな感じ?あ、残念ながら時間経過は外部と同じです。
で、なんか空間に設置されている謎の機械にお金を払うと空間が成長するようで、とりあえずテント及びキャンプファイヤーセットを購入しておきました。寝るところと焚き火を確保した感じですね。
空間に物をおいて出入りしても問題ないので、15階以上などの、往復に長期間かかる遠征のときの補給品を確保するのが超楽になると思います。今は未だ狭いけどね。
……どう考えても荷物持ちとしては最強の魔法なので、こればかりは秘匿しておくしかありませんけれども。国レベルで狙われるっしょこれ。あーあの魔法適正なんちゃら診断機を偽れるんだろうか?魔法使いは定期的に診断するんだよね。まあ左手に埋め込まれているスマホちゃんがどうにかしてくれるよね、らぶらぶちゅっちゅ!
さて準備はこんなところでしょうか。それではまずは4階までを掃除しに行きましょう、GOGO!!
あ、私強くなってるわ。
4階までのモンスターを魔法で薙ぎ払うことに成功。なんつーの、ファイヤーサイクロンみたいな魔法をひねり出して掃討しちゃった。風と熱の融合魔法。範囲魔法なのでこっちも防御しないといけませんが、その防御は
魔法ってスマホが魔素を吸収するときに自身の体力を使うのでそうは簡単に乱射できないのですが、乱射、できました☆
魔法が強くなったので軍刀いらないかなー、というわけでもなく。出会い頭の遭遇とかありますのでそういうときは軍刀の出番ですね。今の所4階までなのでゴブリンくらいしか敵もおらず、サクサクっと斬り刻めます。体長80cmくらいだもんね。
ふーむ、この異様な成長。どうも魔人の討伐は特殊なようだね。
ちなみに4階のゴブリンは巣、集落を作っていたのですが、階層の空気循環が悪いのと固まって集落があったこと、集落が燃える素材でできていたので
火炎瓶を大量に放り込んで窒息死させることにしました。
ファイヤスチールでダンジョン油いっぱいの火炎瓶に火をつけて、どんどん投げ込みます。べちゃあ。いい感じにべっとりくっついて家を燃やしてますね。もえろもえろー
もちろん投げ込んでるのがバレて迎撃されるので、その時は階段に向かって逃げ出します。
何故かダンジョンのモンスターはスタンピード起こすとき以外は階段を超えて移動しないんですよね。
今回はこれを利用。投げて逃げて投げて逃げて。
モンスターを倒して成長する場合、道具でも素手でも何でも良いから何らかの形でモンスターに触れていた人に成長要素が分配されます。
今回は私が火炎瓶を作成して私が投げているので私に全部入りますが、火炎瓶を作成しただけの後衛さんでも火炎瓶とその作用による殺害であれば、成長できるわけです。ダンジョンって優しい面もあるのね。
うっかりしていると私も窒息するので3階に降りてエーンド、オープン!ダンジョンで雑魚寝するよりはマシなテントで睡眠をとって、4階へ。風をこねくり回して酸素を作ることに成功したので、窒素と混ぜて肺に直接送り込みます。これで歩けると思う。
集落の惨状はひどいことになっていて辺り一面が焦げた死体で覆われていました。どうせダンジョンに吸収される集落は放おっておいて、4階奥のフロアに直行します。駆逐しきれてないとまた集落を作っちゃう。4階を休憩スペースにしたいんですよね。
大丈夫でした。全ゴブ燃やし尽くしてました。これで数日経てばここを足がかりに調査の結果水場のあるという6階まで、そして8階、最後に12階を足がかりに一気に15階まで到達できると思います。ここの階は空気循環悪いけどね。
普通に物資を運ぶという物理的な問題があって、一気に深い階に進むということってできないらしいんです。講習所で習いました。
荷物持つためのパワードギアや機械式背負馬なんかは普通にありますけれども、物資を圧縮してコンパクトにするという行為はあまり開発が進んでおりません。持てる量には限りがあります。水とか一日4Lは欲しいですからね。戦闘しますので。ペットボトル2Lの水を2つです。3日行動予定ならダンボール1箱を持ち込んでください。無理。
ハンドウォシュレットなどで排泄物を洗い流すのにもお水必要ですよね。
水は命。あと食べ物もないと。
まあ、ベテランハンター軍団は、アイテムボックス魔法持ちが付いていくなどをしているようですけどね。
そんなわけで、魔法持ちが来るわけでもないのに深めの階層はこうやってキャンプ地を作りながら進むんです。まるで登山みたいですね。
さ、4階をキャンプ地としたので次は8階までです。どうなりますかねえ。
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