17さい、多数に無勢は絶対いやです

 ~登録所にて~


講師「えー、この世界には魔素ってものがあります。ダンジョンが出現したときにダンジョンから放出されるようになりました。私達が使う魔法はその魔素ってものを『スマホが加工して』使います」


 はえーそうなんや。スマホなんだ。


講師「なのでスマホがある左手からもっぱら放出されます。左利きの人は左手に何かしら持っていることが多いため手のひらから出すのは難しいですが、手の甲からも出せますので練習してください」


 私左利きなんだよね、武器もつから手の甲から出さないと。剣を持って手の甲を相手に向けて放つとか、こう、かっこいいかも…… 邪眼の力を略


講師「使うときの注意点はー、それで誤射しないためにはー……」


 ねむい。期待していた「学校」っていうか、講習所みたいな感じだ。ちょっと実践的なのがほしい。といっても、魔法持ちは深い階層からの生還者だからそんなものをする必要がないのかも?


 眠気を抑えつつ、最後の、魔法の種類と出力の検出ダンジョン外での魔素の破壊装置とやらに手を突っ込みました。そのまんまですが、これでできることを調べて力の大きさを調べて外での魔素の供給を断つそうです。

 外でも有用な魔法は都度許可性において使用を許されるとのこと。土や変性系統は土木とかにいいし、熱や生成系統はハウス栽培の温度や水管理とかに適してるもんねえ。地味。


「はい、じゃあ若月春奈くん」


「ほい、どうぞー」


「……風が伸びていて他の種類も多少ながら適正があるね。風は伊勢湾台風や列島を襲う大型台風の時の倒木や家が吹き飛んだりなどの風災害のように強大な力になればかなりすごいことができる。魔素破壊があるから安全ではあるが外で野心は起こさないように」


「はーい」


 というわけで登録所はある程度終わり。実践講習があったりするので1年ほどは通いそうですが。


 なんか、誰かと仲良くなれないかなーと思っても、3階で魔法を運良く手に入れたハンターじゃ実力もたかが知れている、ってことで箸にも棒にもかからず。


 ぐすっぐすっ、友だちが欲しいよう。女子高生になりたかった。みんなで放課後キャピキャピしたり、美味しいもの食べにいったりさあ。タピオカ牛乳茶とかラーメンとか食べたかったなあ。勉強会と称した女子会とか。


 まあお金も親もないしおらんし、無理な話なんだけどね。

 身長もない?よし表出ろ。




 ええい!今やるのは多気山の攻略!いくぞおらー!ざっけんなこらー!


 今回は2階までのマッピングは終わっているのでスタコラサッサと2階へ。出てきたのはゴブリン、だけど群れてる。


 厳しいなー。どんなモンスターでも群れられると一気にきつくなる。こう、1VS1を維持しつつ戦える方法は……


 


 風だ!暴風で吹き飛ばしつつ戦おう!幸いゴブリンは小さいから多分吹っ飛ぶ!



 敵の前に躍り出て


 「ククク、我に宿りし風の力よ、力を開放し敵を吹きとばせ!空気圧縮砲エアーコンプレッションキャノン!!」


 ぼふーん。




 れれれれー?全然威力がないぞー?3体に包囲されてるんだけど、やばくなーい?


「なぜだっ!なぜ私の黒魔術が聞かないんだ!?」



 もう一度!


「いでよ風の精霊!空気圧縮砲エアーコンプレッションキャノン!!」


 ぼよーん


 あ、これ死んだわ。


 一時的に戦闘している数を減らせるから勝ち目があったと思ってたんだけど、それができない、is,die


【風の突風よ、光と合わさり風と光の爆発を起こせ】


 !?!?!??!?


 スマホが喋った!


 それで、出てきたのは風の突風と突風先にすごい光線と音の衝撃。特殊部隊が使う閃光手榴弾、フラッシュバンですね、これ。

とてつもない爆音ととんでもない光量で相手を、うーん、スタンさせる、って書くとわかりやすいかな。そういう代物。事前打ち合わせで対処できる、破片が飛んでいかない、そういう利点から要人奪還や、建物内の人質を伴ったテロリストを無力化する際に使われております。講習所で習いました。

ちなみに私にはなぜか防御バイザーが出現したので無傷。


「よ、よし。これで身動きが取れなくなっている最中は1VS1、まだオンボロ武器のゴブリンなら斬って捨てることができる」


 とい訳で突貫ジャー!!何故かできた身体強化でのバックラーバッシュ(バックラーでぶん殴ること)でゴブリンのシールドを体の軸から引き剥がすと、そのまま長脇差で唐竹割り!


 長脇差じゃリーチが短いから遠心力もそんなに出ず威力でないけど、なんとか脳天を破壊!


 返す刀で2匹目のゴブリンに突撃!またもバックラーバッシュからの長脇差の横薙ぎ!首を掻っ切ったっぜ!


 フラッシュバンからようやく立ち直ったゴブリンには魔法の実験台になってもらいましたとさ。


「えーと、突風の他に鎌鼬かまいたち風の防御壁ウインドスクリーンか。身体強化はどうも最初の時点で手に入っていたようだね。しかしスマホがかってに攻撃したのなんでだろう?」


 色々スマホに問い合わせても何も反応なし。まあピンチのときに出現する主人公補正みたいなものかな?私主人公?なの?どれの?




 とりあえず群れちゃったとなると私一人ではどうにもならないので応援を呼ぼう。1階のゴブリンを狩りながら一度帰還。報告して応援を呼びました。


 一週間くらいで後続が到着しまして。メンバーはなんと愛ちゃん!と上から下まで全身が赤いレオナルド・デフォンデさん。


 「わあーあいちゃーん!と、レオナルド・デフォンデさん。今回はよろしくおねがいします」


 「春奈ちゃん久しぶりー、応援に来たよー」


 「ハッハー!僕が来れば4階までは絶対に攻略できると断言しよう!」


 「え、このダンジョン7階までですけど?」


「えっ」


「みんなでがんばろー、おー!」



 えー、若干1名のことで不安が大きいですが攻略していきたいと思います…………

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る