17さい、ちょっとシリアスになってしまいました
駆除人認定証、通称ハンターライセンスですね、1年間の停止をされました。
動画が流出して役所が調査に乗り出し、私のスマホから視線連動動画を拾い出して、それでグレンさんを襲っているのが明確になって、味方討ちという理由です。味方討ちは重罪なのです。25階踏破の報酬金は没収です。
ライセンス剥奪じゃないだけマシかも知れません。包囲を解いたのを汲んでもらったようです。
もう本当にいたずらがひどいのでマンションは引き払って、今は愛ちゃんの部屋に匿ってもらってます。なぜか、というわけではないのですが、モニカさんが度々訪れてくれてます。命の恩人そして
「うーーーーん、おかしい。人間が転移できたというのは僕聞いたことがないよ」
「雷をあれだけ使いこなす人間も聞いたことありません。そもそも幻の魔法と言われているのが雷魔法なんですよ」
「モニカさんここにいると喋りが普通なんだよね」
「3人の妹たち、いえ実際には妹分的な感じなのだけど、彼女たちや他の人がいないのにですわ調を使う必要はないわよ、春奈ちゃん。こっちのほうが気楽だし」
「うーーーーーーん」
3人集まれば文殊の知恵、とは言うものの、専門家でもない私たちが集まってもどうにかなるものでもなく……
「目深帽にマスク、サングラスにコート。これに加えて気配消しのネックレス。これでとりあえず」
「最悪僕が守るよ」
「いやいや、バレたら逃げるよ。もう100m6秒で走れるし」
「東京ダンジョン40階のフィットネスで練習しているアスリートはそれマイナス2秒で走るわよ。油断は禁物。私は妹たちのところに戻るわね。ダンジョンに行かないと資金繰りが苦しくなっちゃう」
「うんわかった。ありがとうモニカちゃん」
ぎゅー
「あぁ……しあわせ……」
というわけで外に出ます。行き先は生体研究所。私の身体を徹底的に分析してもらうことにしました。
3人で外に。
うん、3人で外に出りゃー愛モニカそして不審人物、この不審人物が私だって即バレるよね。
「おい出てきたぞ、スレに書き込め!」
「録画開始でやんす」
「味方撃ちはしねー!消えろー!」
「海外追放だー!」
張ってた奴らがいたか……
猛ダッシュで逃げ出して私と愛ちゃんは研究所へ。ここでなにか分かればいいのですが。
「やあ、私がDr.中村だ。今回のことはお気の毒に。ここで原因を突き止めようじゃないか」
検査では全身をくまなく調べられました。そう、くまなく。後各部位の細胞も取られた。いやー恥ずかしいね。
血液も取って、ついでに装備全て持った状態でも全て検査し直して。もう私DNAレベルで丸裸だわ。複製されちゃうわ。
結果ですが
「んー、視線連動動画が途切れる直前に左手に埋め込まれているスマホが活性化したようだね、このスマホはなんなんだい?どうも特別製のようだけど」
「え、知らないです。活性化もよくわからないです。魔法に関しては特典でどんどん強化されたというのはあるんですけれども」
「ふーむ、それでスマホが特別になったのかな。意識がないときの、身体及び脳波の動きが判ればなあ」
【記録してあるこゃ。フォルダー階層ちょめちょめちょめ/XX/3245/KOYAKOYAKITSUNEをさがすこゃ】
「しゃっべたー!?」
「たまに喋るんですよこのスマホ。狐神様の加護があるらしくて」
「そう、そうか。それも後で調べよう。今はその示されたフォルダを探そうではないか」
がさごそ。
「ふーむ、なるほど。これは、凄いな。プライバシー的な情報からなにから、ほぼ全ての情報が数値化されて格納されているよ」
「えええ、あんまり見ないでください……」
「使う情報は意識がないときのものだけだからね、そこは安心してくれたまえ。どれどれ」
「なるほど、端的に言うと意識を乗っ取られているね」
「ええええ!?」
「誰か、はわからないが脳波からなにからその時の反応だけ異常に高いし速いんだよ。自分でやってるのは無理だと思う。別人だろう」
「一体誰が……」
「スマホの神様か、あるいは別次元の誰かか」
「スマホはありえないです!いつもピンチのときに魔法を使って助けてくれたんです、私の意識とは別に」
「ふーむ、なにか依代になる変な装備でもあったかな」
「春奈、もしかしないでも」
「え、魔人の軍刀…………? 本当に?」
「多分。あとは地上産のだもんね。ちょっと貸してくれるかな」
「どうぞ」
愛ちゃんは軍刀を手に持って色々確かめると
「うーん、変だねこれ。えい」
ぽか
ぽきん
「えっ」
《えっ》
折 り ま し た よ 素 手 で
「ちょ、え!?」
「うん、変な感じがしなくなってきてる」
《え、あれだけやって我これで終わり?本当に?あ、え、あぁぁぁぁーー魂がーーー》
すると私の身体にも変化が起こり
「……なんかスッキリした感じがします」
「大変だけどまた調べてみようか」
「先程測った数値と今回の数値では波長から何から変化が起こってるね。憑き物が落ちたのはあるかもしれん。なにせダンジョンがある世界だ、そういう存在もいるのかもしれない」
「これで私は暴走しないんでしょうか?」
「わからない、としか言いようがないな。こればかりはやってみないと。意図的にピンチを起こしてみるか……」
「僕が斬りつけようか」
「それはピンチじゃなくて即死。んー、またダンジョンに潜れればあるいは……もっと深い所、宇都宮駅東ダンジョン35階層とか」
「それもきついな。脳に直接イメージを送って似非の恐怖体験させてやろう」
「こわいのはいやですうううううう」
ぎゃああああ
にょわああああ
ひょええええええ
「げっそり」
「良いデータが取れたぞ。格納されている操られたときより強い、恐怖と焦りと絶望感、これをミックスさせたイメージを何度か送り込んでみたが特に何も怒らなかった。このデータなら、当時操られていた、そして再発の危険はないと進言できるだろう」
「やったあ!じゃあ資格停止明けのときに力添えください」
というわけで潜伏生活をもう少々続けます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます