17さい、なんで暴走すると強くなるのか。普通制御が効かなくなって逆に衰えるのでは(哲学



 24階は飲水とキャベツ、ヤギフロア階でした。飲める湧き水が湧いていて、キャベツ畑があって、ヤギがいる、そんな構成。


「ヒューッ、ここでこのフロアか。25にお米階でもあれば30までの基地になりそうなんだがな」


「さすがにそうはいかないでしょうな」


 ここで休んでいこうということで少し休んで、水を補給してから前進再開


 24階キャベツの旨さ、ヤギのミルクの格別さはたまりませんでした。この階買いたいな。

 野菜やお肉も深い階層になるにつれて栄養価や美味しさ、成長物質(未解明)がアップします。アレルギー物質は消えていくんだぜ。




 ここでお仕舞いにしたいですが、一応25階を見に行かないといけません。



「じゃあ行ってくるわ」


 といってかるーく赤い星4人は階段を降りていきました。



 30分後



「25階は大部屋だが何もなかった。少なくとも本陣はない。探索して切り上げといこう」


 だそうです。行きますか。



「たしかになにもないですねー。ちょっと奇妙ですけど」


「春奈さんの言う通りちょっと奇妙ですわね。はぁ早く帰ってトロピカル7やりたいですわ……」


「私は2の海賊バージョンがなにげに好きだったりします」


「えーあれが?」


 などと喋りながら探索していたら私の索敵魔法に敵がhit



 え



「索敵魔法に結構な数の生命体が引っかかりました!これ罠じゃないですか!?」



 と言うが早いか、大規模に現れるオーガ軍団。


 奥の方に陣幕がはられ篝火かがりびかれ、鎧を着た武者オーガが徘徊しています。陣幕の中には武将か大名クラスのオーガが存在していることでしょう。


 私達の後方、階段の方に出城があり、そこに弓矢部隊と剣部隊が集結しているようです。



 挟まれました。



「隠蔽の罠だと!?この階層で!?……赤い星が殿を務めるから出城を落とすぞ、このままじゃ全員死ぬ」


 私達はみんなを見渡すとコクリと頷き、出城に向かって最大限の圧力をかけ始めました。



「うおおおおおフレイムストライク!!」


 上空からとんでもねえ暴流の業火が出城の上に襲いかかる!上階は一気に炎上!上に陣取っていたアーチャーは軒並み『溶けた』!


 今の所私最大最高の魔法なんですが、やっぱつええすなこれ。魔素おもいきり食いますけど。


「私は!帰って!春奈さんと!楽しくお話するのよ!!死んでいられませんわ!!」


 モニカンパニーの華麗なる連携がオーガに襲いかかる!次々と武者オーガを屠っていく!


「ぽっぽー!」


 トーマス部隊は槍突撃!ぽっぽー!


 いい感じに出城に襲いかかりましたが、腐っても出城。構造そのものを破壊する兵器もしくは魔法がないために中にいる兵士をぶっころころし切れません。

 そうこうしてるうちに陣幕からの応援兵が来て、出城にこもっていた兵士が表に出てきて、挟み込まれました。



 絶体絶命のピンチ。敵は猛烈に襲ってきます。



 カンカン!ザシュ



 ぐううううううう、右手を斬られた……この状況じゃ回復薬使えない回復魔法間に合わない……17さいで死ぬのか……ぐうううううう



【くく、力を分けてやろう】



 ん、なんだ?




 ドォーンッ!!




 ふふふふふ、久しぶりの実体だ。あーいいぞこの体は。楽しめそうだ。右手はツバでもつけとくか。




 行くか




 ズババババババッッッ!!


 ものすごい剣技で寸分違わず首をはねられていくオーガ。


「ライトニング・ストーム!!」


 ぶおおおおおお


 雷の竜巻が発生して、出城組オーガに襲いかかる。感電して即死していくオーガ達。


「あっはっは!いいじゃないかいいじゃないか!サンダームーブ!」



 転移して今度は陣幕側オーガ達の背後に回る。狙うは



「陣幕の中よのう!」


 転移を繰り返し瞬間的に陣幕の中に到達。中にいるのは近衛兵とオーガトウシュ。近衛兵が襲いかかる!


「ライトニングストライク!」


 巨大な雷が春奈に被雷、そのまま周辺に電気が波のように伝わり近衛兵を瞬殺。


「さあ、タイマンといこうじゃないか、トウシュさん」


「うがあああああああ!!!」


 オウシュの袈裟斬り!


 春奈は一歩引いて抜刀切り!斬撃のエネルギーを飛ばして対応する!


「この程度か、つまらんな」


 春奈は一瞬の踏み込みでトウシュの腹に潜ると横薙ぎを一閃。トウシュの首を落とした。




 この事態を受けてオーガの士気が崩壊。人間への囲みを放棄して散り散りに逃げていく。


「ふーん、こやつらを切ってもつまらんな。次は……」



「グレンとやらを狙うか」



 転移、転移、転移。人間の集団に近づく


「春奈さん、おかげで死者は少数で済んだぞ。しかしその力は一体」


「参るぞ、グレン!」



 カキン!



「おい、春奈さん!!気でも狂ったか!?」



「狂ってはいないよ、今は居ないが、な!」



 カキン!



「取り押さえろ!!」


「邪魔されてもなあ!うおおおおおおおおおおお!!」


 春奈の威圧、人間どもの足が止まる。さてと


【そこまで!てぇい!きつねしっぽあたっく!!】


 ちっ、神の加護があったのか…… まあ……いい……また出現できるだろうさ…………あはははは










 ん……


「あれ、あれ……?」



「起きたか。聞きたいことがあるがいいか」



「え、え?25階はどうなって?」


「駆逐した。お前さんが凶暴化したおかげでな」






「え?」



「出城のオーガに伝説に存在する『雷魔法』を放ったり、瞬間移動して陣幕を壊滅させたおかげで総崩れになった。そして俺を狙って攻撃してきた。何回か交えた後ぶっ倒れた。その後包囲が解けたからこちらが再攻勢をかけたんだ。で、あれはなんだ?」



「なんですかそれ。正直に申し上げて記憶がありません」



「そうか。深くは聞かない。しかし帰るときは先頭に立って帰ってもらう。申し訳ないがまた凶暴化されて後ろから襲われるのはゴメンだからな」



「……はい」


「春奈さん、春奈さんがあのような状況にならなかったら全員死んでいたのは事実なのよ。グレンさん私が春奈さんの真後ろを歩きますね」



 こうして25階攻略という素晴らしい功績を上げたのですが、帰りは無言のまま戻りました。


「到着だ。みんなお疲れだったな。被害はトーマス部隊のところの死者3名と、モニカンパニーの重傷者1名か」


「この重傷者も春奈さんが持っていた瞬間造血剤と瞬間止血帯がなかったら回復が間に合わなくて死んでいたわ。春奈さんのことはくれぐれも、よろしくお願いいたします」


「モニカンパニーの社長に深々と頭下げられてはどうにもなりませんね。私は一人になってしまったのでまた募集をしなければ。お金もらったらそれでおしまいにしますよ」


「しょうがないな。役所、国には一切喋らないでおこう。迷路階層以外の階層は全て駆逐できたはずだから莫大な報奨金が国から出る。負傷者の多いチームに多めに配分するがそれでいいか?」


「「「問題ないです」」」



 その後諸々の処理をして解散。私はマスコミに囲まれました。17歳で25階到達なんて18で30階に到達した榊愛位しかしてないってことでして、再来か!?と。愛ちゃんすげーな。対応は無言で通しました。




 それ以外だと掲示板に『若月春奈は本物』というスレがたったくらい。内容は支持者とアンチの壮絶な戦いですね。さすがに興味なし。ロリ巨乳はPart300超えてました。盗撮されまくってる……

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