17さい(と24かげつ)、天狗とか小さくても大嫌いです


32階を駆逐して、返す刀で31階に侵攻、飛頭蛮回もクリア。これで本体と完全合流できました。


「今は休息を3交代でしてる感じか。私も交代のたびに起きるのがちょっと面倒だね」


「今回は持久戦で主力は軍人なので、頑張ってもらうしか無いですね」


「遥香っちが言うには食糧問題が解決しているから士気は旺盛みたいやで。ずっとダンジョンに籠もってるわけでもないしな。異次元の部屋に昼夜機能がついていたのは幸運やったな。あれで精神が保たれとるみたいや」


「牛子さんのミルクも相当効いてますね。あれ程の強烈な美味しさを誇り、あれ程の完全栄養食品。こんなものは見たことがありません。エナジードリンク効果が入ってるのに安眠効果もあります。そして風邪をひかなくなるなんかの恒常性維持強化機能もあるんですよ。この機能、ざっくり言って、がんに効くわけです」


「士気が崩れたらおしまいだもんね、そういう維持できる機能がついていたのは本当幸運だね。後は死者重傷者が減ればね」


「現在で34名亡くなってます。腕や指が飛んでしまったような、私のパーフェクト・ケアでも治せない重傷者が28名。1000名なので損耗率6.2%ですね。後方支援は異次元で担えるとしても、30%損耗したら士気はなくなりますね」


「そこまで減ったら私達も生きてないだろうね」


「生き残るには、ゆっくり焦らず正確に次の階を突破するしか無いんやろなあ」





33階に進軍しました。フロア配置は中部屋3つフロアと似通ってますね。多分あって小部屋1つくらいが増えている感じでしょう。それぞれが巨大ではあるのですけどね……


登場するモンスターは。



天狗です。と言っても子供天狗。たかが子供、されど子供、かなぁ。



「来たぞバカどもが」


「きたーきたー」


「ほーれほれ、儂らはここじゃよー」



あ、これあかん


「あれは挑発魔法! 引っかからないで!」


残念ながら後ろにいた20名が突撃を仕掛けてしまいました。やばばばばば



「きーたきたきた」


「あそーれそれ」


ボガァァァン!


子供天狗がひょいっと手を振り上げると猛烈な爆風が20名を襲う!



「はい、まず20名かの」


「儂らはあと50名はおるぞ」


「どうやってしにたいかのー」


爆風が過ぎ去るとそこには大きく抉られた地面。何もかも爆風で消滅させられました。



やばい強さじゃない? これ。



「これは異能バトルに持ち込まないと死ぬね。私モニカちゃん一夏ちゃんで始末するしか無い、言葉が正確なら50名の子供天狗を」


「僕は――」

「金縛りに対抗できないと思うんだよね」

「……」


「まずは目の前にいる3人……3匹。いくぞ!!」



「ファイヤーサイクロン!!」


とてつもない暴風を持った炎の暴流が私の手から放たれて天狗たちを襲う!!


「甘い、天狗カウンターシールド!」


天狗は反射バリアを張って逆にトルネードを跳ね返す!


「それを反転するのよ!カウンターリバース!!」


モニカちゃんのリバース呪文でそれを再度反転!!


「押し込めやぁ!五芒星・狐・『すべてを飲み込む暗黒の力』」


真っ黒なきつねが出現し足が止まっている天狗に、反転させられ天狗に向かっているトルネードに、襲いかかる!

まず飲み込んだのはトルネード! 黒ききつねはそれを栄養に巨大化! 天狗に向かう!!


「むむむ! 天狗一刀両断!!」


襲われている子供天狗Cが杖をしっかりと持ち直し、大上段から振り下ろす! 剣閃が発生して黒ききつねは真っ二つに…… ならない! 剣閃をも飲み込んだ! そして子供天狗Cに襲いかかる!!


噛みつきを両手両足で必死に防ぐ子供天狗C!!


「なななな!ぐぐ、これしき、これしきのこと!!」


「何一人で戦ってるんじゃ、天狗ホワイト・レイ」


子供天狗Bの横槍!真っ白なごんぶと光線が黒ききつねを襲う!


「レイ・系の弱点はぁぁぁぁ! チャネリング、集中し続けないといけないことなんだよねぇぇぇ!!!マジカルボール!! ラピッドショット!!」


私は球形の魔力の塊を勢いよく3つ射出!!それが子供天狗Bに突撃する!


「く、ちょこざいな!」


思わず子供天狗Bはステップ回避!


「甘い!ボールはね」


ステップ回避した子供天狗Bにボールが追いすがる!


「完全自動追尾ちゃんなんだよねぇ。じゃあちょっと遊んでいてねえ」


そのころ子供天狗Aはというと


「ほい、ほい、ほいさっさ!そんなんじゃ当たらんぞ」


モニカちゃんと剣を交えてました。杖ですけどね。


「別に当てるつもりはありませんし」


「時間稼ぎのつもりか。甘いぞー甘い。そぃ!!」


ぴかーん! 子供天狗の金縛り!!


「その大技がダメなんですよ。リバース持ちの私には効かないんですよねえ。しかも」


「なななな! 体が動かん!!」


「リバースさせて頂きました。では、死んでくださいね」


スパァン!


グシャァ


ポロリ


「こちらモニカ、一人……一匹倒しました!」


「おっしゃ、こっちも一匹飲み込んだで!!あと一匹は――」


「農園に注いでいた魔力を解除。魔力全開!! 空間圧縮超高速回転丸鋸めっちゃ凄い丸ノコ!!」


「なんじゃその技はぁぁ――」


スパァン。


ブシャァァァァァ



「こっちも終わったよ」



うおおおおお!!



「いや、いや! まだ騒ぐほどのことじゃない! あと50体はいるんだから!」


「私は相当魔力残量を消費しました……」


「ウチはさほどでもないけど…… あと50体は相当きついな」


「リポップまでに1部屋は確保しちゃいたいね。そうすればなんとか……」




隔離されてから10日が経とうとしていました。

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