第15話:一狩り行こうぜ
──次の日の朝
俺は村長や村人達に「世話になった」と伝えて村を出ようとしていた。
そこに狩りに行ってきていた数人の男性達が、険しい顔で村長へと報告する。
「そ、村長!現在こちらに森の奥から魔物が数体向かっています!」
それを聞いた村長はその男性達を問いただすと。
「数は2。ですがその……」
そして男性達は言葉に詰まる。
そこに村長が早く言えと言わんばかりに見てくる。そして─────。
「それは──────地竜です!」
その言葉を聞いた村長達村人は……。
「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」
そこに村の若い男性が。
「一狩り行こうぜ!」
「「「「狩りだ(じゃ)ぁぁぁぁぁ!!!」」」」
森に響かんとする程の叫び声が木霊する。
「だからなんなんだよコイツら………」
「本当になんのじゃ……」
そして男性達は急いで装備を整えると森へと向かって発見者を先頭にダッシュで向かう。
村人じゃない速度で向かって数分。体長10m強程の地竜が2体見えて来た。
鑑定してレベルを確認するに1体は200弱。もう一体は──600強だ。
1体だけレベルが異常に高いのに気づいた村人達は、1体だけ仕留めようと話していた。
そこにちゃっかりついて来ていた俺が言う。
「もうレベルが高いのは俺がやる」
そう言うと村長は。
「ついてきたのか。だが殺れるのか?」
「余裕だ」
俺が言うと村長は「頼む」といって自分達の獲物を目で捉える。
俺はレベルが高い方の地竜をもう1体と引き離す。
──秋人、ゼノア
「どっちが殺る?」
俺が言うとゼノアは。
「ふむ。任せて良いかのう?」
「分かった」
俺は<縮地>を使い一瞬で近寄り、<硬化>した拳で脇を殴る。
ズンッ
殴った場所がズレて鱗を殴ってしまう。だがレベル差のせいかダメージが入る。竜鱗が剥がれて凹んでいる。軽く力を入れてこれなので、本気で殴ったら相手がどうなるか怖くて出来もしない。
地竜に反撃をさせる前に追撃で魔法を放つ。
俺はあえて村人達が喜ぶように地竜を調理する。
「業火」
俺が放つとそれは地竜を飲み込み、表面を黒焦げにする。
※この時点で既に死んでいます。
そして次に。
「ファイヤー」
そして微弱の炎で内側をじっくりと焼いて熱を通していく。焼くこと数分、肉が焼けるいい匂いが辺に漂ってきた。
「よし!調理終了だな」
それを<異空間庫>へと仕舞って村長達の所へと戻る。
戻ると─────。
「まずは鱗を取らないと炙る事が出来ないでしょう?」
「ヒャッハー。汚物は消毒だぜ~!」
「この部位は三角バラだ! しかも特上だぜ!」
火が舞い竜鱗が剥がれ肉が削がれる。
なかなかにカオスだった。
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