第2章

第51話:学園に行くことになるとは・・・

  王立魔法学院。そこは魔法などを学ぶところだ。卒業生は国の魔法師団に入ったり魔法の研究を目指したりと様々な進路がある。

 他にも騎士養成学園がある。こちらの場合は剣技や体術などといった、騎士に必要な事が学べるところだ。

 専門学校みたいなところと言えば。

 高校で全般な事を学び、専門的知識を身に着けるために専門学校に行くと言えばわかるだろう。


 そして現在、俺はフィリップさんに呼ばれ王城に来ていた。

 客室には俺とゼノア、フィアがおり、対面にはフィリップさんとクレアがいる。


「アキト殿には前回、クレアと共に学院に行ってもらうことは伝えたよな?」

「ああ。いや、待ってくれ。入学試験は? 俺学歴とかないんだけど……?」


 それでも試験は受けれるのか?


 俺の質問にフィリップさんは頷いてから口を開いた。


「学歴は関係ない。年齢が十八~十九歳からが入学試験を受けれる。すまないが試験は受けてもらいたいのだ」

「わかった。試験ってどういうのが出てくるんだ?」

「実技と筆記だな。実技に関しては魔法を放つくらいだ。筆記は計算と魔法に関することのみだな」


 計算だけならなんとかなるか。


「計算なら大丈夫かもしれない」

「アキトさん、計算できるのですか?」

「ああ。とは言ってもこっちの世界と違うかもしれないから教えてくれ」


 聞かないよりは聞いたほうがいいからな。


「それなら任せてください!」

「助かる。ってことでフィリップさん、少しクレアを借りてもいいか?」

「問題ない。クレア、頼むぞ」

「お父様任せてください」


 出て行こうとした俺は立ち止まりフィリップさんに尋ねた。


「そうだフィリップさん。ゼノアとフィアはどうすれば?」

「ご主人様よ。妾は大丈夫じゃぞ?」

「フィアも大丈夫だよ!」

「だが……」


 フィリップさんが口を開いた。


「それに付いては心配はない。フィア殿も学校に行かせればいいのだ。ゼノア殿もアキト殿と同じ学院に行かせよう」

「待て待て。年齢はどうなる?」

「それも問題はない」

「と言うと?」

「ゼノア殿なら年齢も誤魔化せるだろし、魔法技術で飛び級した天才ってことにして置こう」


 そう来たか。

 フィリップさんの言う通りその手ならいけるだろう。実際魔法の腕はドラゴンだからか物凄い。まあ、後はゼノア次第になるのだが。


 そう思いゼノアを見ると、ニコッとして頷いた。


「それでいいのなら妾は構わないのじゃ」

「決定だな。フィアもそれでいいか?」

「うん! 学校行ってみたかったの!」

「後はフィリップさんに任せていいのか?」

「任せてくれ。手配しておこう」


 こうして俺達は城の一室で、クレアから計算について聞いていたのだが。


「足し算に引き算、掛け算と割り算。主に算数か」

「あの、どうですか?」

「この程度の計算なら問題ないな。っと、終わったから確認してくれ」

「はい」


 俺はクレアが用意してくれた問題集の回答用紙を書いて手渡した。

 クレアは俺から回答用紙を受け取り回答を見ながら確認をしていく。数分して確認が終わったクレアが驚いた表情をしていた。


「す、凄いです! 全問正解ですよ!」


 まあ、計算とか覚える事は昔から得意だっだからな。


「まあ俺は問題ないけど、ゼノアはどうなるんだ?」

「問題ありません、と言いたいところですが……」

「問題ないのじゃ。今ので計算は覚えたのじゃ。それに妾は字も書けるので心配はない」


 流石ハイスペックドラゴンだ。


「クレア。魔法に関する筆記って何が出るんだ?」

「はいそれは――」


 説明を聞くと、魔法陣を書いたりといった様々のがあるらしい。


 今の俺は魔法なんて感覚で放っているから魔法陣なんて書いたことはない。

 他にも色々聞いたが、メティスから聞いた内容もあった。それでも心配だ。ゼノアも唸っていたので同様のようだ。


 それから入試試験がある日まで俺は猛勉強をした。とは言っても、俺とゼノアはすぐに覚える事が出来たのでよかった。

 その際クレアが、「な、なんて記憶能力ですか……」と言って項垂れていたのだった。



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