第9話:竜王戦が始まります
火口から見下ろすと漆黒の鱗をした体長200m越えの竜王が丸まって寝て居た。
「フハハハハハハ!寝ている憐れな竜王よ、我が魔法の餌食になるがよい!」
何故かテンションが上がっていて、中二染みた発言をしながらも魔法を放つ。
「喰らえ!ファイヤーボール!」
魔力が大量に込められているのはご愛敬だ。
30cmのファイヤーボールは竜王へと迫り、大爆発する。
ズドォォォォォォン!グ、グルオォ!
火口の中から爆発の他に低い唸り声?が聞こえる。
俺は爆発で我を取り戻す。
「お、俺の黒歴史が……い、いや、それよりも竜王は起きたかな?」
俺が確認するよりも早く、火口から竜王が飛び立った。
そして竜王は辺りを睥睨して攻撃をした者を探す。いつもなら飛んでいる竜達だが、今回ばかりは危険と察したらしく俺の後ろへと退避する。
いや、ここは俺を庇えよ!
そんな事を思っていると、竜王は攻撃したのが俺と予想したらしく黄金で縦に割れた竜眼がこちらを捉える。そして竜王は息を大きく吸い込むなりブレスを放ってくる。
竜王の吐くブレスは他の竜達と比べものにならない程強力だ。ブレスの色は黒く、光をも吸収してしまいそうな漆黒のブレスに、俺は飲み込まれてしまう。
竜達のブレスが針とすると、竜王のブレスは巨木の様な感じだ。
飲み込まれる前に俺は空間遮断結果を張る。予備でもう1枚張っておく。
竜王はそれで死んだと思ったらしく、確認もせずに再び眠りに着こうと火口へと向かう。
そこに俺が声を上げる。
「それで終わりなのか?」
俺が発するのと、目の前の景色が晴れるのは同時だった。
その声に竜王は驚いたらしく振り返ってくる。
「な、なぜ生きておる!!そのブレスは全てを灰にするのだぞ!喰らってただで済む筈が…」
竜王様は喋れた様です。
「なんだ喋れるのかよ…」
「ふん、下等生物如きが我を誰だと思っている!」
「プライドが余計に高くて睡眠大好きの竜王様?」
「この下等生物がぁぁぁ!」
「なんで怒るの!?」
※自覚しておりません。
自分自身では挑発せずにちゃんと答えた筈だと思っている。だが秋人は竜王にキレられて訳が分からなくなっていた。
「まさか竜王様と言ったのが不味かったのか!?なんて言えばいんだ。ハッ!ならば竜王ちゃんでどうだ!」
※もう一度いいます。自覚しておりません。
「うっ…わ、悪くは、違う、そうじゃない!」
「なんで「ちょっといいかも」って思ってるんだよ。お前竜王だろ……」
「そ、そんな事我が思っている分けないだろ!我は誇り高き竜王だぞ!」
そう言って、竜王は直径5mはある黒い火の玉を複数俺に向かって放つ。当たればタダでは済まないそれは、弾丸の様に迫ってくる。
だが俺はそれを魔力を纏わせた手で、全てを打ち払って行く。
「何故弾けるのだ!我の黒炎弾は触れれば───────」
「タダで済む筈でない、か?甘い甘い、魔力を纏わせるなら直では触れてはいないだろ?」
「たかが人間如きの魔力量で、我の攻撃が防げる筈がある訳ないだろう!」
竜王は何か勘違いをしているようだ。俺をタダの人間?馬鹿にするな俺は人間ではない。
「何勘違いしている?俺は人間じゃ無いぞ?俺は──────」
『当然です。マスターは────』
そしてメティスと一緒に言い放つ。
「『魔人だぞ(です)』」
俺は同時に<威圧>と<#重圧__プレッシャー__#>を竜王へと発動する。
「ま、魔人………う、うぐっ……こ、これ程の力…我の前ではむ、無力…」
更に強める。
「そ、そんな。さっきの威圧はまだ、本気では無い、だと!?」
何か言っているようです。聞こえませんよ?
そんな事を俺は関係なく拳を打ち鳴らしパァーン!と言う音を上げる。これから始まるだろう戦闘へと備えて空中に浮遊し、その場で仁王立ちをする。
「よし!なら次は俺から行くぜ!」
俺はオリジナルの魔法を発動する。
「千刃」
俺が唱えると、俺の背後から大小様々な大きさの魔法陣が出現しそこから各属性の剣や刀などの魔力で出来た武器が放たれる。
それはまるでとあるアニメやゲームに出てくる英雄王さん見たいの様に。
竜王はそれを咆哮一発発すると、竜王の背後に無数のファイヤーボールが生み出される。それを俺と同じように飛ばしてくる。
だが込められている魔力量は両方同じ位だったらしく、拮抗状態が続く。たまに飛んできた攻撃に互いにダメージを負う。だがそれもスグに終わりを告げる。
俺が加える魔力量を増やしたからだ。そして徐々にジョジョに竜王は押されて行く。
ん?「ジョジョ」が誤字ってるって?わ・ざ・と、だよ。
そして押されていると分かった竜王は、息を大きく吸い込み漆黒のブレスを放つ。
ブレスには耐えられなく属性の武器は次々と消滅していく。俺も一旦<千刃>を中断して空間遮断結果を張ってブレスを防ぐ。
それからも激しい攻防戦が続き、互いに魔力を消耗していった。
そして大きめの各属性の魔力剣を作り出して竜王へと放つ。それは莫大な魔力が込められており、竜王がブレスを吐くも数本しか迎撃が出来ていない。
魔力剣は竜王へ迫り傷付けていく。致命傷に近い傷も出来ていて、もはや勝者は決まっていた。
そして俺は決着を付けるべく、前へと一歩踏み出すのであった。
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