第16話:戦闘? いえ、調理の時間です
──俺達がここにくる数分前
秋人が地竜を引き連れてどこかに行った後、先に発したのは村長だった。
「今回はレベルが高い。じゃが、その分大きい。これは狩りでは無く料理じゃ、!お前等、地竜を丁寧に調理するのじゃ!」
その言葉に元気のよく返事をしてから目の色を変えて地竜を見る。
それはもう狩人の目では無く、料理人の目であった。
地竜は身を震わせる。何故か?それは戦闘でなく、自身が食材として見られているからだ。
そして戦闘が始まり今に至る。
瀕死な地竜は咆哮を上げる。
「グ、グルオォォォォォォッ!」
《地竜は仲間を呼んだ》
(そこ!ド〇クエを出すな!ドラゴンだけに)
最後の一撃を加え倒した時、倒した人が固まる。何故か?それは地竜の背後から物凄い量の魔物達の気配がするからだ。
「くっ、こんな時に来るなんて…」
誰の発言だろうか?その言葉が全体へと広まる。そこに村長が言う。
「コイツだけは仕上げの調理をして帰るのじゃ!」
「ですが、この量の魔物は村まで来るのでは!?」
「くっ、仕方ない。ワシが囮になる。その間に逃げるのじゃ!」
村長のその言葉に村人達は。
「そんな事出来ません!村長が残るのでしたら私俺も残ります!」
1人がそう言うと他のみんなも続けて言う。
「俺も残ります!」
「俺もだ!」
そう言ってどんどん残ると言って結局は全員が残るの事に。そして村長が目に涙を溜めて言う。
「お前達────」
そこに空気を読まない俺が言う。
「俺も居るが?」
シリアスをぶち壊すのが俺です。
その発言に村長が言う。
「秋人殿か。もう一体の地竜はどうしたのじゃ?」
「倒して来たぞ」
俺はそう言って<異空間庫>から地竜の頭だけを取り出して見せる。それを見た村長含め村人達は驚いていた。
それもそうだろう。レベル500を超える地竜だ。なのにスグに倒して戻って来た。調理済みで。
倒した地竜を見た村長と村人達は。
「秋人の旦那、焼き方からしてミディアムレアですかい?」
「何を言っとる。そうに決まっとるじゃろ」
(いやだからなんで分かるんだよ…)
「そうだよ。それはそうとして後は任せてくれよ?俺だって出番がゴニョゴニョ」
「?むう。しょうがないのう…だが戦える体力が残っている奴らは戦わせてもよいか?」
「それでいいよ」
残る人以外は村へと戻る事にした。ちなみに村人達が倒した地竜は全部綺麗に持って帰って行った。
(本当に村人なんだよな?疑いたくなるよ…)
それから数分するとようやく魔物達が見えてきた。
魔物達の数は500弱。レベルは40~80と様々だ。だがま────コイツら(村人)なら余裕だろうな。
見えてきた魔物達を前に村人達の顔に笑が浮かぶ。そして────。
「調理開始じゃぁッ!」
「「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」
(そこは戦闘開始だろうが!それにテンション高いなおい!)
村長の発言に俺は心の中でツッコミを入れるのだった。
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