概要
私の名を語って『犯罪』を犯すなんて、ほとほと呆れたヤツラよ。
キレイな桜が舞う中、一人の男性が女性を抱えて何やら話をしている……。
「…………」
しかし、その女性は手の施しようがないほどの怪我を負っており、その二人の周りも血で覆われていた。辛うじて男性が座っていた岩の部分は血が付いていなかったが、それでも女性の息はそう長くはなく、一言二言男性と会話を交わすと……そのまま息絶えた。
私『椎名《しいな》咲月《さつき》』は、ここ最近ずっとこの夢を見続けている。それはまるで、自分の事であるかのように――。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ただ、そんな夢を見ても、ちっとも現実的ではない。私は普通に学校に通う高校生であって、あの夢に出てくるような和服姿の女性ではない……。
なんて思いながら毎日を過ごしていると、ある日。友人の『結賀《
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