概要
そこで甘美な禁断の言葉を投げかけられる。
「交換殺人」
その四文字の魔的な魅力に抗えず、やがて……。
そして、届いた一通の封筒。そこから疑心の渦が巻き起こっていく。
最後に笑うのは?
※言葉の暴力が表現されています。ご注意ください。
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。
【第6回カクヨムコン 中間選考通過】
【第4回ホラー・ミステリー小説大賞 奨励賞】
【第9回ネット小説大賞 二次選考通過】
【第3回いっくん大賞 佳作】
【第一回 個人が選ぶ独断と偏見の小説大賞 佳作】
https://kakuyomu.jp/user_events/16816452218952757782
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!読者vs作者
読者に対する挑戦状のような作品だと感じました。読了したとき、最後に『読者が笑った』ら、読者の勝ち。
本作品は、とても良い意味で『どのようにも解釈できる作品』だと思っています。
章タイトルや概要を読んだとき、ストレートに書かれたまま解釈してもいいものか、それとも、作者の意図が隠されているかもしれないと深読みすべきなのか。
私は、考えすぎて、作者様に負けるかもしれません。しかし、深読みしすぎのまま読み進めても、本作品はとても面白いです。
しばらく読み進めましたが、また最初から読み直しています。一つでも見落としがあったら、もう、真相には辿り着けない。そんな気がしたからです。
頭がボーっとしている…続きを読む - ★★★ Excellent!!!交換殺人を持ちかけられた主人公、躊躇っていたら運命が坂道を転がりだして
難しいなぁ。夜半まで読んでおりました。
僕は頭が足らず解けませんでしたが、なかなか終わってみるとすっきりと分かりやすいお話でございます。トリックにしっかりフォーカスを当ててスマートにまとめていらっしゃるので、謎解きに専念しやすいかな。推理小説好きな人やこの手のエンタメ好きな人にもっと読んでいただきたいですね。おすすめでございます。
内容は、いわゆる交換殺人にまきこまれた主人公のお話。
会社で上司から目を付けられてる主人公。入り浸ってるネットカフェで、裏サイトにグチを書き込んでいたら「だったらそいつを殺さない?」と交換殺人のお誘いを受けてしまう。最初は乗り気じゃなかったんだけれど、憎…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ネットの向こうの見知らぬ相手から提案された『交換殺人』と主人公の苦悩
とにかく『序章』がすごい!
夜の九時近く。
場所は人目につかない神社。
主人公はそこで人を待っている――相手を殺すために。
神社の石段から突き落とせば、事故として処理されるはず。とても『簡単な作業』のはずだった。
ところが、主人公は重大なミスに気付く。
ここからでは相手の顔がよく見えない。間違って無関係な人を殺すわけにはいかないし、かといって相手はどんどん近づいてくる……。
この高まる緊張感にドキドキして、物語にグッと引き込まれる。
そこから場面展開して第一話へ続いてゆくが、ここで話が緩むことなく再び引き込まれてゆくのが、この作品の素晴らしいところ。
もちろん、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!どんでん返しはミステリという閉じた系に垂らされた一滴の劇薬
すべてのピースがかちりとハマるその美しさこそがミステリには求められている。
クローズドサークルものに代表されるような、余計なものを極限まで削ぎ落した無駄のない箱庭のような構成。
しかし、緻密に計算の上に作られたミステリは、ときに人間が描けていないと批判をされたりもする。
ヴァン・ダインの二十則で排除すべきものとして情景描写やラブロマンスが挙げられているように、ドラマを深める要素はパズラーにとって邪魔になる。
結果、キャラクターは駒に成り下がってしまう。
本作はミステリだ。最終盤において伏線は綺麗に回収され、ミステリとして閉じられる。
しかし、ドラマがないがしろにされているかといえばそんなこ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!心の闇に御用心!
誰しもが、少なかれは心に闇を抱えているものでしょう。しかし、その闇が一寸先も見えないくらい深く真っ暗に染まったとき、人はポッカリと開いた穴に落ちるのかもしれません。
この作品の主人公の山瀬もその一人です。
大好きな建築に携わる仕事に就いた山瀬は、生真面目で努力家。今日も顧客にために資料を作り、その勉強も欠かしません。だけど、やっぱりその心には大きな闇が渦巻いています。
傲岸不遜の上司から受ける、度重なるパワハラ。
その不満を、ネットカフェから通じる闇サイトへと吐き出すのが日常でした。
そんなある日、甘い誘惑の言葉が囁かれます。
『交換殺人』
初めのうちこそ、怖じけつき、傍観者を気取…続きを読む